仏憲法院の多様な役割 憲法のトリセツ 大石 格 編集委員 コラム(政治) 12月1日 憲法裁判所は多くの国にありますが、その役割は国によってかなり違います。今回はフランスの憲法院について見ていきましょう。 ■法曹資格なしで裁判官に 10月の本欄で、同院のことを「そもそも裁判所ではないという捉え方もある」と書きました。憲法違反の立法によって、基本的人権を侵害された被害者が救済を求めて提訴する、という一般的な憲法裁判所のイメージとはかなり違う組織だったからです。 同院の設置は1958年 仏憲法院の多様な役割
[社説]憲法論議をもっと活発に 社説 11月20日 衆院憲法審査会が19日に開催され、憲法改正に必要な国民投票のあり方などをめぐり、意見交換した。菅義偉内閣が召集した初めての国会で、与野党が同じ土俵にあがったことを評価したい。改憲と護憲という立場に固執せず、まずは幅広く闊達に話し合う環境づくりに努めるべきだ。 国会における憲法論議はここ数年、極めて停滞している。2017年に当時の安倍晋三首相が「20年まで」と期限を切って改憲を目指す姿勢をみせたこ [社説]憲法論議をもっと活発に
[社説]民主政治の原点は話し合いだ 大阪都構想 社説 政治 11月2日 「大阪都構想」の住民投票を巡り、賛成派と反対派のしこりを心配する発言が相次ぐ。「街がぎくしゃくした」「これでノーサイドにしてほしい」。5年前に続き、僅差での決着だっただけに、どちらが多数だったとしても摩擦が残るのは避けがたかった。 3日に投票日を迎える米大統領選も国民の分断を深める戦いとなっている。選挙の結果に納得しない人々が暴動を起こすことを懸念する声が広がっている。民主政治の本家ともされた国 [社説]民主政治の原点は話し合いだ
安倍氏、父の墓前で「全力尽くした」 退任後初の帰郷 菅内閣発足 政治 11月1日 安倍晋三前首相は1日、9月の首相退任後に初めて地元の山口県長門市に帰郷し、父・晋太郎元外相の墓参りをした。記者団に「『首相の職責を果たすことに7年8カ月全力を尽くし辞職した』と報告した」と語った。 出身派閥の細田派への復帰について「首相の職を辞したばかりで全党的な支援もいただいてきた。しばらくは一議員として活動を再開することに専念したい」と話した。 憲法改正に関して「野党は『安倍政権の間は憲法改 安倍氏、父の墓前で「全力尽くした」 退任後初の帰郷
韓国憲法裁判所の強大な権限 憲法のトリセツ 日韓対立 大石 格 編集委員 コラム(政治) 政治 11月1日 憲法裁判所が設置されている国は欧州に多いと指摘しましたが、アジアでも韓国やタイにはあります。中国には独立組織としての憲法裁判所はありませんが、最高裁(最高人民法院)が下級審に憲法解釈を指示する場合があり、自ら事件を裁かずに憲法判断をするという意味では、憲法裁判所に近い権能も持っています。 ■大統領よりも大きな権限 今回は韓国の事例をみていきましょう。その存在を広く印象付けたのが、いわゆる従軍慰安婦 韓国憲法裁判所の強大な権限
自民改憲起草委が初会合、年内にも条文案 菅内閣発足 政治 10月13日 自民党の憲法改正原案起草委員会(衛藤征士郎委員長)は13日、党本部で会合を開いた。2018年にまとめた党の改憲4項目に関し、より具体的な条文案を年内にも策定すると決めた。検討状況を公明党に丁寧に説明する方針も確認した。 公明党の山口那津男代表は13日の記者会見で「一足飛びに年内に合意形成できる状況は整っていない」と述べた。改憲手続きを定めた国民投票法改正案の成立を優先すべきだとの認識を示した。 自民改憲起草委が初会合、年内にも条文案
自民改憲本部、顧問に6派閥領袖 衛藤氏「挙党体制」 菅内閣発足 政治 10月8日 自民党の憲法改正推進本部(衛藤征士郎本部長)は8日、党本部で菅義偉政権発足後初めて役員会を開いた。二階俊博幹事長や細田博之前本部長ら党内6派閥のトップが顧問に就く役員人事を決めた。麻生太郎副総理・財務相は現閣僚のため外れた。衛藤氏は「挙党体制で臨む」と述べた。 党が2018年に打ち出した改憲4項目の内容をより具体化した案を年内にもまとめる方針を確かめた。近く起草委員会を設けて議論を始める。 二階 自民改憲本部、顧問に6派閥領袖 衛藤氏「挙党体制」
憲法裁判所の長所と短所 憲法のトリセツ 大石 格 編集委員 コラム(政治) 10月1日 違憲立法審査を専門に扱う憲法裁判所を置いている国が欧州には多くあります。ふつうの裁判所とはどう違うのでしょうか。今回は憲法裁判所の長所と短所をみていきましょう。 ■事件がなくても裁ける 憲法裁判所の特徴のひとつが、議会が新しい法律などを制定した際、その規定が憲法に違反していないのかどうかを審査できる点にあります。例外もありますが、フランスやドイツなどはそうです(フランスの憲法院はそもそも裁判所では 憲法裁判所の長所と短所
衆院憲法審査会長に細田氏、自民方針 政治 9月24日 自民党は衆院憲法審査会長に党憲法改正推進本部長の細田博之元幹事長を充てる方針だ。2018年に4項目の党改憲案のとりまとめを仕切った細田氏を起用し、停滞する国会での改憲論議の前進をめざす。 衆院憲法審査会長に細田氏、自民方針
違憲立法審査はいつ始まったのか 憲法のトリセツ 大石 格 編集委員 コラム(政治) 9月1日 約半年お休みしましたが、違憲立法審査制度の続きです。今回は国民の代表である立法府が定めた法律の是非を、国民にじかに選ばれたわけではない裁判官が判断する仕組みがどのようにできたのかを振り返ってみましょう。 ■行政と司法の分離は遅かった 日本国憲法をはじめ多くの国の憲法が立法、行政、司法の三権分立をうたっています。このうち、専制君主が動かす行政に歯止めをかけるため、国民の声を反映する立法が待ったをかけ 違憲立法審査はいつ始まったのか