五輪目指したレーム、パラへの強い思い Tokyoオリパラ その他スポーツ コラム 9月3日 男子走り幅跳び(義足・機能障害T64)でパラリンピック3連覇を達成したマルクス・レーム(ドイツ)。五輪への参加を切望してきた比類なき義足のジャンパーは試合後、切々とパラへの強い思いを語った。 「五輪という大きいステージを通してパラへの意識を高めたかった。パラには素晴らしい選手がいっぱいいるし、もっと多くの人に見てもらいたい。人生で大変なことを経験した人たちがパラには集まっていて、いろいろなインス 五輪目指したレーム、パラへの強い思い
コロナ禍で侵された「公平な競争条件」 Tokyoオリパラ その他スポーツ 9月1日 スポーツの国際大会でよく出てくる英語に「Level Playing Field」という言葉がある。「Level」は「平らな」という形容詞。「平らな競技するフィールド」、つまり「競争条件を公平にした場所」という意味で、大会の主催者が最も気を使うところだ。 新型コロナウイルス禍の中のパラリンピックでは、公平な競争条件が整っていないのではと危惧していたが、やはりそうだった。車いすラグビーのオーストラリ コロナ禍で侵された「公平な競争条件」
両足義足で金メダルの衝撃 パラ種目のあり方に一石 Tokyoオリパラ Think! その他スポーツ コラム 8月30日 22の競技がある東京大会で、最多の167種目でメダルを争っているのが陸上だ。障害の程度によって細かくクラス分けするからどうしても種目の数が増える。 選手のクラスは数字で表され、その数字が小さいほど障害の程度は重い。そうした前置きがあるから、28日にあった男女の走り幅跳びで小さくない衝撃を受けた。 T64クラスの女子走り幅跳びには「64」の選手に加え、単体では種目が実施されない「62」の選手も出場 両足義足で金メダルの衝撃 パラ種目のあり方に一石
クラス分け変更の衝撃 それでも伊藤智也は走る Tokyoオリパラ コラム 8月27日 パラリンピックには新型コロナウイルス感染で重症化するリスクを抱える選手も参加している。多発性硬化症という病気と戦う陸上車いすの伊藤智也(バイエル薬品)もその一人。感染予防には人一倍気を使ってきた。 地元・三重で練習に打ち込む一方、コロナ禍で開催された国内大会にはほぼ参加しなかった。5月、国立競技場のテスト大会で久々に顔を見せたが、東京には長居せず、自家用車で日帰りという強行軍だった。 そこまで東 クラス分け変更の衝撃 それでも伊藤智也は走る
代表逃した陸上・芦田 パリへ「強い意志」を体現 Tokyoオリパラ その他スポーツ 8月24日 8月14日、東京・駒沢陸上競技場で行われた陸上の東京選手権男子走り幅跳びに、芦田創(27、トヨタ自動車)の姿があった。右手に障害があるパラアスリート。東京大会の代表は逃していた。 「代表に選ばれると思っていて、パラ前哨戦としてエントリーしていた」と芦田。最終選考で漏れたが、新しいコーチのもとでトレーニングを再開しており、その出来を確かめるために棄権はしなかったという。 初出場した2016年リオデ 代表逃した陸上・芦田 パリへ「強い意志」を体現
団体球技、久々の五輪 使命感とともに戦った選手たち Tokyoオリパラ その他スポーツ 8月5日 大会が後半に入ると、団体球技は佳境を迎える。8月1日、2つの男子日本代表の1次リーグ敗退を続けて目の当たりにした。午前のハンドボールはポルトガルに勝ったものの得失点差で及ばず、午後のバスケットボールは強豪アルゼンチンに屈した。 どちらも世界のレベルが高く、開催国枠でハンド男子は33年ぶり、バスケット男子は45年ぶりに出場した。記事を書く際、30年、40年という数字を簡単に使ってしまうが、これは私 団体球技、久々の五輪 使命感とともに戦った選手たち
マイナー競技選手の葛藤 五輪の舞台に懸けていればこそ Tokyoオリパラ その他スポーツ 8月4日 公式練習を終え、意気込みを語っていたカヌースラローム男子カナディアンシングルの羽根田卓也(ミキハウス)が半分冗談、半分本気といった表情で報道陣に「逆取材」したのは、レース本番を4日後に控えた7月21日のことだった。 「スラロームの放送、どうなっていますか? 探しても全然出てこなくて……」。結果的にレースはインターネットでライブ配信されたのだが、1人でも多くの人に競技を見てもらいたいという思いがひ マイナー競技選手の葛藤 五輪の舞台に懸けていればこそ
五輪に戻ってきた元敗者たち 挫折も無駄じゃない Tokyoオリパラ その他スポーツ 8月1日 取材を終えて帰宅し、録画しておいた競技のテレビ中継を「おさらい」で見るのが日課になって、ある共通点に気がついた。男子柔道の解説を務めた平岡拓晃さん、穴井隆将さん、女子の佐藤愛子さん。みな、五輪で悔しい思いをしている人たちばかりだなあ、と。 平岡さんと佐藤さんが出場した2008年北京五輪に、主に親族や関係者を取材する社会部記者として赴いた。平岡さんは4年後に銀メダルを取って見事に雪辱したが、このと 五輪に戻ってきた元敗者たち 挫折も無駄じゃない
孤独、重圧 胸に突き刺さったアスリートの言葉 Tokyoオリパラ 8月1日 人生を懸けた勝負の直後にアスリートが発する言葉は熱く、重い。悲願を達成した喜びの声を聞くとこちらも鼓動が高まるし、打ちひしがれた悲しみに触れるともらい泣きしそうになる。そんな心動かされる瞬間は記者冥利に尽きるのだが、この言葉には胸をぐさりと突き刺されたような痛みを覚えた。 「期待してもらううれしさと、メダルを期待される苦しさがあって、どんどん苦しくなってジャンプも跳べなくなってしまった。この舞台 孤独、重圧 胸に突き刺さったアスリートの言葉
「好きこそものの上手なれ」 競技への愛着が生む効力 Tokyoオリパラ 7月31日 ソフトボールで金メダルに輝いた日本チームの記者会見を聞きながら、純粋に「投げることが好き」といえる上野由岐子(ビックカメラ高崎)をうらやましく思った。五輪競技から外れ、引退を考え、大きなケガもした。つらい日々があったことは想像に難くないが、それでも「ソフトボールが好き」という根っこはいつまでも変わらない。 あの重圧がかかった米国との決勝の先発マウンドでさえ「自分のボールで強打者を抑える面白さ、投 「好きこそものの上手なれ」 競技への愛着が生む効力