審判の重責、実感した夏場所(二所ノ関寛) 相撲 コラム 5月25日 22日まで行われた大相撲夏場所で私は審判部の一員になった。力士たちは相撲人生をかけて土俵に上がっている。勝つか負けるかで人生が大きく変わってしまう勝負を審判するという重責に、緊張の毎日だった。 現役時代も親方になってからも多くの相撲を見てきたが、審判として見る相撲は全く違う。まげをつかむのを見逃してしまうかもしれないから、足元ばかり見てはいけない。目線をどこに置くのが一番いいのか、模索していると 審判の重責、実感した夏場所(二所ノ関寛)
高安よ、鬼になれ(二所ノ関寛) 相撲 コラム 4月20日 私の2017年初場所と春場所の連続優勝は、田子ノ浦部屋の弟弟子にあたる高安に助けられた面が大きかった。初場所の初優勝は高安が白鵬を破ってくれたことが援護射撃となった。春場所も照ノ富士に勝ってくれたおかげで、私は新横綱の場所で賜杯を抱くことができた。 横綱になった私を追いかけるように、高安は17年夏場所後に大関に昇進した。稽古場で何千回と胸を合わせ、切磋琢磨(せっさたくま)してお互いに強くなった。 高安よ、鬼になれ(二所ノ関寛)
ケガをしない力士を育てたい(二所ノ関寛) 相撲 コラム 3月16日 新横綱として臨んだ5年前の2017年春場所の13日目、私は左の大胸筋と上腕部を故障した。日馬富士の鋭い出足に後退した私は土俵際で強引に左からの突き落としにいった。その時、ぶちっと筋肉が切れる音がした。あの音は今でも忘れられない。 翌14日目の鶴竜戦も完敗し、生命線の左を全く使えない今の自分に普段の相撲は取れないと感じた。それで開き直った。千秋楽の照ノ富士戦では本割で立ち合い変化するなど形にこだわ ケガをしない力士を育てたい(二所ノ関寛)
高い壁・白鵬がいたからこそ(二所ノ関寛) 相撲 コラム 2月9日 現役時代、横綱白鵬(現・間垣親方)は私にとって、とてつもなく高い壁だった。周りから「白鵬さえいなければ」と言われることもあったが、私自身は同じ時代に白鵬がいたからこそ稀勢の里という力士が完成したと思っている。自分を強い力士に、そして強い人間に育ててくれた存在だ。 2010年九州場所で白鵬の連勝を63で止めた一番は大きく騒がれたが、すごいのは私ではなく、そこまで63番も勝ち続けてきた白鵬のほうだ。 高い壁・白鵬がいたからこそ(二所ノ関寛)
私が描く理想の相撲部屋(二所ノ関寛) 相撲 コラム 1月5日 2019年初場所で現役を引退し、指導者となってまもなく3年がたつ。現在、弟子は5人。5月には故郷の茨城県牛久市に隣接する阿見町に部屋が完成予定だ。今年は私の指導者人生にとって節目の1年となる。 引退後、新たな相撲部屋の経営のあり方を探るため、早大大学院で主に他競技について研究した。角界で20年過ごしてきた中で蓄えてきたアイデアと大学院での学びの成果を、今後の部屋運営に生かしたい。 その一つが地元 私が描く理想の相撲部屋(二所ノ関寛)