ブラジルは向かっていくのがお好き(三浦知良) サッカー コラム 6月17日 日本代表との一戦でご覧の通り、何はともあれ、ブラジル代表は止める・蹴るという当たり前の技術がとんでもなく優れている。そして彼らは攻撃というものをすごく好む。やる選手も、見る側も、そうでなければ認めない。あの試合の日本のように守備に回らされ90分間を過ごすと、あちらのメディアは「臆病な試合だ」と片付けてしまう。 でも僕は日本がブラジルに対して「臆病で、得点を取りにいかなかった」とは思わない。いけな ブラジルは向かっていくのがお好き(三浦知良)
本物を生で体感できる舞台(三浦知良) サッカー コラム 6月3日 代表が海外のクラブチームと試合をするのが「代表戦」だった時代がある。世界はまだ遠いところで、ワールドカップ(W杯)や五輪の予選を除けば、世界と戦える国際試合の舞台はほんのわずか。それが往時の「キリンカップ」だった。 代表対クラブチームという変則カードは、それはそれで面白くてね。1990年代に入ると僕も出場しだし、イングランドやブラジルの名門に自分たちの技量を測れるとなれば楽しみしかなかった。国立 本物を生で体感できる舞台(三浦知良)
その気になれたら強いかも(三浦知良) サッカー コラム 5月20日 今週、鈴鹿サーキットでレーサーデビューをしてきた。ビギナークラスでポルシェを走らせる。一般的な初心者のラップは1周が2分40秒くらい。アイルトン・セナはここを1分36秒台で駆け抜けている。 僕は4分かかった。「1台だけのんびり第3京浜を走っているみたいでしたよ」と見ていた知人はあきれ顔。それほど遅いのに「格好なら誰よりも本物のF1レーサーっぽい」のだとか。 真っ赤なつなぎに高価なヘルメット、足元 その気になれたら強いかも(三浦知良)
「コスパ」では計れない面白み(三浦知良) サッカー コラム 5月6日 79分までプレーしたFC枚方戦を動画で見た某トレーナーが、連絡してきた。「楽しそうでしたね。見る側にも伝わってきました」 最近はサッカーに興味を持たない若者も多く、「コスパが悪い」と受け止める人もいるという。90分見続けても得点でワーッと沸く場面はわずか、時間を要する割には楽しみの効率は悪いということなのかな。ハイライトで十分、という意見もあるのかもしれない。 サッカーでオンプレーの時間は60分 「コスパ」では計れない面白み(三浦知良)
55歳のカラダとは未知との遭遇(三浦知良) サッカー コラム 4月22日 65分、45分、45分、74分。コンスタントに出場を重ねるなかで僕の状態は徐々に上向いている。試合でプレーすることを体が思い出し、なじみだしている。 でもこの先、体というマシンがどう反応するかは僕も正直、分からない。20代や30代、40代前半であれば「こうすればOK」という答えが思いつくけれど、今の僕にはそうしたマニュアルがない。探り探り、未知なる実験。 麦茶は体にいいからと麦茶だけにしたら、理 55歳のカラダとは未知との遭遇(三浦知良)
「サプライズ」はもう驚きじゃない(三浦知良) サッカー コラム 4月8日 ポルトガルとセルビア、ワールドカップ(W杯)で対戦するとしたらどちらがいいだろう。ポルトガルの方が大変そう? でも、セルビアは欧州予選でポルトガルをアウェーで下している。つまりは、どこが相手でも楽な試合にはならないんだ。 サッカーで「実力下位」とされるチームと戦うのは端から見る以上にやりづらいもの。やる気満々で迫られて、困らされ、負けた試合が僕も一度ならずある。 昔、フランス人のトルシエ元日本代 「サプライズ」はもう驚きじゃない(三浦知良)
愛深き「先生」をしのんで(三浦知良) サッカー コラム 3月25日 20日に亡くなった納谷義郎さんは血のつながった叔父であり、静岡の城内FCで教わった監督であり、親の代わりに僕を導いてくれた先生でもあった。義郎さんと過ごした小中学校の9年間は、あの年代でしか味わえぬ濃密な時間だった。 ものすごく厳しく、ものすごく温かかった。教員ではない義郎さんは生徒の振る舞いをチェックしに定期的に学校へやってくる。自分のサッカーショップの名が輝くバンで乗り付けて。 バンを駐車場 愛深き「先生」をしのんで(三浦知良)
誰よりも自分を信じ、誰よりも疑え(三浦知良) サッカー コラム 3月11日 どうしてJFL(日本サッカーリーグ)にいるの、と不思議にも思える仲間たちと開幕へ向けて頑張っている。 24歳の2人は東福岡で高校選手権を制した優勝メンバー。1人は当時の主将で、強豪の大学でも主力メンバーだった。もう1人は下部リーグとはいえドイツで2年プレーしている。ゴール映像だけみたら代表レベル。 50メートル走5秒台、誰がどう見たって速い25歳もいる。彼は神戸にいたビジャが開いたトライアウトで 誰よりも自分を信じ、誰よりも疑え(三浦知良)
挑戦する人へのエール(三浦知良) サッカー コラム 2月25日 何をもって成功、失敗とするかの尺度は、人生それぞれでありもする。メダルの色、順位だけがその評価軸じゃない。4回転半のジャンプに挑んだフィギュアスケートの羽生結弦選手は、跳ばずに勲章を得られたとしても、跳ばなかったことを人生で悔やむことになると考えたのだと思う。 失敗するかもと思えば、怖い。でも、やっておけばよかったと後々思う人生になるほうが、失敗よりもつらいんじゃないのかな。 「今、これをやらね 挑戦する人へのエール(三浦知良)
「いい選手」は場所を選ばない(三浦知良) サッカー コラム 2月11日 いい選手って、条件に左右されない人じゃないのかな。 日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿に加わった僕は、仲間と一緒にゴールにネットを張り、練習後は自分たちで外して、ゴールも元の場所に片付ける。小学生以来だろうか。 だからサッカーをしたくないなどとは思わない。芝生もいいに越したことはないけれど、マラドーナが全盛期に泥だらけのグラウンドで草サッカーをしている映像がある。足元がぐちゃぐちゃでも関係な 「いい選手」は場所を選ばない(三浦知良)