大谷翔平、イチローの思いを次世代につなぐWBCに 拝啓 ベーブ・ルース様 大谷翔平 WBC MLB コラム プロ野球 1月16日 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の構想が最初に明らかとなったのは2003年のこと。しかし当初、多くの選手は参加に消極的で、大会の将来性そのものも否定的に捉えていた。 「ワールドシリーズにまさるイベントなどない」 「キャンプの時期にやるとしたら、調整を早めなければならない。無理をしてシーズンに影響が出たら、本末転倒」 「いまから、サッカーのワールドカップのような大会を、というのは無理」 大谷翔平、イチローの思いを次世代につなぐWBCに
大谷はイチローの目にどう映ったか 増えた至宝の共通項 拝啓 ベーブ・ルース様 MLB コラム 10月11日 非日常が、気がつけば日常に。固定概念が覆され、新たな価値観が上書きされるような日々が、静かに幕を閉じようとしていた。 最後、前日の試合で5打点をたたき出し、マリナーズがプレーオフに出場する望みをつないだミッチ・ハニガーが空振り三振に倒れると、三塁側のエンゼルスベンチから、赤いパーカーを着た大谷翔平がゆっくりと出てきて、マウンドへ向かった。そこで野手とハイタッチ、ハグを交わした大谷は、ダッグアウト 大谷はイチローの目にどう映ったか 増えた至宝の共通項
イチローも悩んだ「メディアとの距離感」 MLB コラム 6月7日 目の前で、選手が一部メディアと激しくもめている場面に出くわしたことがある。 それは20年ほど前、大学時代は1年生ばかりのメンバーで全米バスケット選手権の決勝に進むなど「ファブ・ファイブ(驚くべき5人)」と呼ばれたミシガン大の中心選手で、米プロバスケットボールNBA入り後は、キングスなどでプレーしたクリス・ウェバー(現NBA解説者)を取材するため、サクラメントを訪れたときのこと。 たまたまその日、 イチローも悩んだ「メディアとの距離感」
心和むキャンプのひとこま イチロー、2年ぶりの打席で コラム MLB 3月15日 イチロー(現マリナーズ会長付特別補佐)がマーリンズに入団して2年目のことなので、5年前のことになる。確かあの日、ライトからセンターへ強い風が吹いていた。時折、ライトからホームへの逆風。そんな中で左打者が引っ張った打球は、角度よく上がってもことごとく風に負けた。 打撃練習が終わろうとしていたころ、ケージの後ろで見守っていたメジャー通算最多の762本塁打を誇るバリー・ボンズ打撃コーチ(当時)が打席に 心和むキャンプのひとこま イチロー、2年ぶりの打席で
引き際で見せたイチローの決断力、球団の対応力 11月20日 この時期、よく「去就」という言葉を目にする。そこにはどこか切ない響きがあり、その重みは引退となんら変わることがない。そして、直面している選手、あるいはその選手を抱える球団は、引き際における決断、対応にそれぞれ煩悶(はんもん)する。 それを目の当たりにしたのが、2018年から19年にかけて、イチローが引退を決断するまでの経緯においてだった。その舞台裏を描いた「イチロー引退 舞台裏の物語」が、20日 引き際で見せたイチローの決断力、球団の対応力
2桁勝利投手、バウアーがうなったイチローの技術 7月6日 「人のいないところに打て」。かつて、8年連続(1894~1901年)で年間200安打を放ったウィリー・キーラー(オリオールズなど)は、ヒットを打つコツを聞かれ、そう話したとされる。イチロー(現マリナーズ会長付特別補佐)が9年連続でそれを達成した2009年9月13日、同じ質問をしてみた。するとイチローは、「そうだなぁ」と少し考えて、こう言った。 「手を出すのは、最後だよ」 どういう意味か。「これは 2桁勝利投手、バウアーがうなったイチローの技術
親日の街・米シアトル イチローが強めた市民との絆 6月22日 かなり前のことだが、米シアトルで夜の遅い時間にバスに乗っていると、1人の若い男性が通路側の席で体を横にして腰掛けたまま、数メートル後方の若い女性をずっと見つめていた。男性は、いかにもシアトルにいそうな古着のシャツを着た学生風。女性の方が男性より少し年上かなという記憶があるが、女性がバスを降りるときにその男性の方へ歩み寄った。 どうなるのかと思ったら、その女性はこんな意外な言葉を口にしている。「そ 親日の街・米シアトル イチローが強めた市民との絆
適材適所の大リーグ 監督・イチローは誕生するのか 6月8日 「監督、絶対、無理っすよ。これは絶対がつきますよ。人望がないですよ、僕」 昨年3月の引退会見。今後を問われたイチロー(現マリナーズ会長付特別補佐)は、将来監督になる可能性をきっぱり否定した。 「無理っすね。それぐらいの判断能力は備えているので」 望むなら、大リーグ初の日本人監督になることもできるかもしれないが、本人にその気がないよう。 どんな野球をするのか見てみたい気もするがーー。 話は変わるが、 適材適所の大リーグ 監督・イチローは誕生するのか
イチローら名選手の引退美学 幕引きの言動に個性 5月25日 「イチロー引退 舞台裏の物語」という昨年6月にNHKのBS1で放送された特集番組の取材をしていたのは、ちょうど昨年の今ごろだった。 イチローの引退試合となった3月21日の記憶をマリナーズの関係者、チームメート、アスレチックスの選手らにたどってもらい、歴史的な場面に立ち会った思いを尋ねて回ったが、チームメートだったマイク・リーク(現ダイヤモンドバックス)が、最後のカーテンコールのシーンをこう振り返 イチローら名選手の引退美学 幕引きの言動に個性
イチローとローズ 記録に透ける2人の人となり 5月11日 講談の大名跡・六代目神田伯山を襲名する直前の今年1月、伯山が松之丞として最後に行った連続読みが「畔倉重四郎」だった。 13話目の「おふみ重四郎白洲の対決」では、多くの人を殺(あや)めてきた畔倉重四郎が大岡越前守を前に、さんざん根拠のない言い訳をした揚げ句、「証拠の品を見せていただきたい」と啖呵(たんか)をきり、証言するおふみに対しては、「嘘ばっかりつきやがってこの女」と罵る。 ■再び報じられたコル イチローとローズ 記録に透ける2人の人となり