2年目の昨季、殻を破り2桁勝利 DeNA・大貫晋一㊤ コラム プロ野球 3月28日 横浜DeNAベイスターズの右腕・大貫晋一(27)にとって、2020年は飛躍のシーズンとなった。コロナ禍により短いシーズンではあったものの、先発投手としてほぼ完走を果たし、プロ2年目にして自身初の2桁勝利に到達した。 終わってみれば「思ったよりできたし、できすぎだなという印象」になるが、シーズン序盤の姿は全くの別人だった。キャンプは2軍スタートで、開幕時点での先発ローテーションに大貫の名前はなかっ 2年目の昨季、殻を破り2桁勝利 DeNA・大貫晋一㊤
新球種習得、真価問われる3年目へ DeNA・大貫晋一㊦ コラム プロ野球 3月28日 大貫晋一はエリート街道を歩んで悠然とプロ野球の門をたたいた選手ではない。強豪の横浜青葉シニアに所属した中学時代は「人数がかなりいたのでメンバー外だった」。高校は試合に出て野球を楽しめる環境を求めて隣県の静岡へ。日体大時代には右肘のトミー・ジョン手術(靱帯再建手術)も経験した。 プロという舞台の輪郭がくっきりと見えてきたのは社会人の新日鉄住金鹿島(現・日本製鉄鹿島)の2年目になってから。都市対抗野 新球種習得、真価問われる3年目へ DeNA・大貫晋一㊦
「飛ばしの思想」覚悟の弟子入り ロッテ・安田尚憲㊦ コラム プロ野球 2月21日 昨年オフ、いつものように高校時代の師、大阪・履正社高監督、岡田龍生へのあいさつに出向いたロッテ・安田尚憲はこう話したという。「これというものが、まだつかめていません」 3年目の昨季、1軍に定着し、86試合連続で4番を務めたものの、確たる感触は残らなかった。 「変わらなくてはいけない」という思いは切実だったのだろう。福田秀平のソフトバンク人脈から、柳田悠岐にオフの自主トレへの参加を願い出たのは昨年 「飛ばしの思想」覚悟の弟子入り ロッテ・安田尚憲㊦
「自信のなさ見せるな」に奮起 ロッテ・安田尚憲㊥ コラム プロ野球 2月21日 ロッテ・安田尚憲が4番の任を解かれたのは昨年10月31日だった。7月21日からの4番での連続出場が、86試合で止まった。前日まで打率2割2分3厘。直前の10試合、打点がなかった。しかし、監督の井口資仁は数字で判断したのではない。 「成績、打率を上げたいということで、スイングが小さくなったり、当てにいったりしているところが見受けられた」(シーズン総括の会見で) 低打率とはいえ、ソフトバンクに互角以 「自信のなさ見せるな」に奮起 ロッテ・安田尚憲㊥
「真の4番」試された1球 ロッテ・安田尚憲㊤ コラム プロ野球 2月21日 3年目の昨季、4番を任されたロッテ・安田尚憲(21)に、思い返しても眠れなくなるような打席があった。10月1日の日本ハム戦(札幌ドーム)。2-3の九回2死満塁で回ってきた。 マウンドには宮西尚生。粘りが身上のベテランは簡単にはストライクを投げてこない。カウントは3-1。そこに落とし穴があったともいえるだろうか。 四球、押し出しでも同点だ。次の直球を見逃してフルカウント。振り返れば、仕留めることの 「真の4番」試された1球 ロッテ・安田尚憲㊤
野村克也氏の下で研究 オリックスコーチ・佐竹学(下) 3月15日 佐竹学がオリックスで走塁指導の全般を任されるようになった背景に楽天コーチ時代の経験がある。2006年限りで現役を引退、1軍外野守備走塁コーチとして楽天に残ると、監督の野村克也から思いもよらぬ言葉を掛けられた。「盗塁のことは全部おまえに任せる。好きにやってくれ」 新米のコーチに全てを委ねる度量に佐竹は驚いた。実際、07年になると野村から盗塁に関するサインは出ず、代わりにいつ走ってもいい「グリーンラ 野村克也氏の下で研究 オリックスコーチ・佐竹学(下)
チーム盗塁数を3桁に オリックスコーチ・佐竹学(上) 3月15日 宮崎でのオリックス春季キャンプの走塁練習。マウンドに立つ外野守備走塁コーチの佐竹学が、素早いターンから一塁にけん制球を投じる。けん制が巧みな他球団の投手を想定した実戦的な練習は、2019年にリーグ2位の122盗塁をマークしたチームの源だ。 もっとも、機動力が武器になったのは最近のこと。17年のチーム盗塁数はリーグ最少の33個だった。2軍ヘッドコーチとしてこの年を過ごした佐竹はシーズン終了後、2年 チーム盗塁数を3桁に オリックスコーチ・佐竹学(上)
失点ゼロにこだわり オリックス・山本由伸(下) 12月22日 「宮崎の都城高校にいい投手がいる」との噂を聞きつけ、オリックスのスカウト、山口和男が山本由伸を見にいったのは山本が2年生だった2016年2月。折しもチームは宮崎で春季キャンプを張っており、足を延ばすことにした。 ブルペンでの投球を見てマークに値する素材と感じたが、ほれ込むほどではなかった。評価が急上昇したのは3年生になった5月の試合。140キロ台後半の強い球を内角に出し入れする姿を目の当たりにし 失点ゼロにこだわり オリックス・山本由伸(下)
最も点を取られない男 オリックス・山本由伸(上) 12月22日 2019年の開幕前、先発に転向したオリックス・山本由伸には期待と不安が入り交じった視線が注がれた。18年にセットアッパーとしてリーグ2位の32ホールドをマークした力は折り紙つきだが、長いイニングを投げられるのか――。 その疑問に今季初戦、4月3日のソフトバンク戦で出した答えは衝撃的だった。150キロ超の直球の球威は一向に衰えず、18年に12球団最多の202本塁打をマークした強力打線にまともに前に 最も点を取られない男 オリックス・山本由伸(上)
投球は剛、精神は柔 ソフトバンク・千賀滉大(上) 5月25日 圧倒的なスピードは見る者を魅了する。ソフトバンクホークスの千賀滉大(26)は日本球界の速球王だ。 3月29日、開幕戦の初球で161キロをたたき出し、ヤフオクドームをどよめかせた。うなりを上げる剛球は日本ハムの主砲・中田翔をも「脅威を感じる」と震え上がらせる。150キロ超で食い込むツーシームもえげつない。 19日まで8試合に登板し5勝無敗、防御率1.26。9イニング換算の奪三振率は12.63と別次 投球は剛、精神は柔 ソフトバンク・千賀滉大(上)