江川卓の域に達した佐々木朗希 「世界一」の完全投球 プロ野球 コラム 4月24日 ロッテ・佐々木朗希が4月10日に完全試合を達成したと知ったとき、「もうやってしまったか」と思った。いずれはノーヒットノーランを成し遂げる投手になるだろうとは思っていたが、まさか20歳で達成するとは。しかも一人の走者も許さない完全試合。17日も8回を「パーフェクト」に抑えたのだから、ただただ恐れ入る。 完全試合の日にバッテリーを組んだ18歳の松川虎生にも脱帽した。高校からドラフト1位で入団したルー 江川卓の域に達した佐々木朗希 「世界一」の完全投球
4番打者の向き不向き 阪神・佐藤輝明は資質十分 プロ野球 コラム 3月27日 2022年のプロ野球が開幕した。多くのルーキーが開幕1軍メンバー入りし、日本ハム・新庄剛志、中日・立浪和義、ソフトバンク・藤本博史と個性豊かな新監督の誕生もあって、いつにも増して華やかなスタートを切った気がする。その中で注目したいのが阪神の若きスラッガー、佐藤輝明だ。 ルーキーだった21年は好不調の波が大きかった。開幕2戦目でプロ1号を打ってから快調に本塁打を量産。7月上旬には20号をマークし、 4番打者の向き不向き 阪神・佐藤輝明は資質十分
吉と出るか、リスクはらむ阪神・矢野監督の早期退任表明 プロ野球 コラム 2月27日 現役時代から世間をあっといわせる達人だった日本ハムの新庄剛志監督。サプライズの最たるものの一つが、ヒーローインタビューでの引退表明だろう。 「みんなに報告したいことがあります。(阪神)タイガースで11年、アメリカで3年、日本ハムで3年。今シーズン限りで、ユニホームを脱ぐことを決めました」。2006年4月、勝利の立役者がお立ち台で発した突然の別れのメッセージに、日本ハムファンは言葉を失った。シーズ 吉と出るか、リスクはらむ阪神・矢野監督の早期退任表明
職人・立浪、満を持して監督挑戦 「強竜」復活の気配 プロ野球 コラム 1月16日 日本ハムの新庄剛志監督の誕生が究極のサプライズ人事なら、こちらは満を持しての就任といえるだろう。中日の立浪和義監督だ。現役時代に通算2480安打をマークした「ミスタードラゴンズ」。2009年限りで引退し、いつ監督になるのかとファンが復帰を待ち望んできた中、ついにその時が来た。 同じ中日OBとして、立浪監督とはよく名古屋で解説の仕事をともにした。いろいろと話をしてきた中で感じるのは、この人は職人だ 職人・立浪、満を持して監督挑戦 「強竜」復活の気配
高津監督が示した日本シリーズの「ニューノーマル」 プロ野球 コラム 12月12日 今年の日本シリーズがヤクルトとオリックスの対戦と決まったとき、両チームとも巨人やソフトバンクほどの人気球団とはいえないことから「はたして盛り上がるだろうか」と不安を覚えた。ところが蓋を開けてみたら熱戦の連続で、全6試合のうち1点差が5試合、残る1試合も2点差。ソフトバンクが巨人を4勝0敗で下した2019、20年とは打って変わって白熱のシリーズとなり、ヤクルトが20年ぶりの日本一に輝いた。第1戦を 高津監督が示した日本シリーズの「ニューノーマル」
絵になる異端児・新庄監督 球界変革の野望に期待 プロ野球 コラム 11月14日 かつての日本ハムは「スター輩出工場」だった。ダルビッシュ有と大谷翔平が近年の双璧。2人が米大リーグに渡ってからはチームの華やかさが薄れ、成績も下降線をたどった。2021年は主砲の中田翔もチームメートへの暴行問題で巨人に去り、10年間率いた栗山英樹監督も退任。いよいよ華がなくなったと思ったところで世間をあっといわせたのが、新庄剛志監督の誕生だった。 のっけからやってくれた。就任記者会見ではワインレ 絵になる異端児・新庄監督 球界変革の野望に期待
大谷、敵をも笑顔にする全人的魅力の可能性 プロ野球 コラム 10月10日 米大リーグはポストシーズンたけなわだが、今季が半ば終わったような気持ちになっているのは、大谷翔平(エンゼルス)の2021年シーズンが終了したからだろう。それほどまでに衝撃的なパフォーマンスを見せた1年だった。 昨季までの日本人大リーガーの年間最多本塁打は松井秀喜の31本(04年)。大谷は今季、それをゆうに上回る46本を放った。本塁打王こそ逃したが、投手をやりながらこれだけの数をマークした価値はい 大谷、敵をも笑顔にする全人的魅力の可能性
西武一筋の栗山、球団愛と人間性で2000安打の高みに プロ野球 コラム 9月5日 スポーツニュースの収録の時だったか、テレビ局で若かりし西武・栗山巧と話したことがある。「これだけの体をしていたら、もっとホームランを打てるよ」。年間の本塁打数が1桁だったシーズンの途中だった。身長177㌢と上背はあまりないが、体重は85㌔。がっしりした体から、もっと飛ばせるはず、と思っていた。 本人の答えは、一発への欲とは無縁のものだったと記憶している。本塁打より打率、自分は中距離ヒッター、とい 西武一筋の栗山、球団愛と人間性で2000安打の高みに
王さんから大谷へ 敵も魅了するスーパースターの系譜 プロ野球 コラム 7月18日 1回戦で負けて良かった? 大リーグのオールスター戦を見るのに、今年ほどテレビの前にくぎ付けになった年はない。日米のファンの注目を集めたエンゼルスの大谷翔平が、まず12日の本塁打競争で28本もかっ飛ばし、13日の球宴は先発投手で「1番・指名打者」と史上初の投打同時先発出場を果たし、160キロ台の剛球を投げて勝利投手に。圧巻の千両役者ぶりだった。 本塁打競争では2度の延長戦の末に1回戦敗退となったが 王さんから大谷へ 敵も魅了するスーパースターの系譜
佐藤輝明と清原和博、新旧大物ルーキーの共通項 プロ野球 コラム 6月20日 見る者の予想を超えるパフォーマンスはスポーツの醍醐味の一つだ。プロ野球で今、それを最もよく体現しているといえるのが阪神・佐藤輝明だろう。次々に本塁打を放ち、しかもその多くが圧巻の飛距離を伴うあたり、本当にルーキーなのかと目を疑いたくなるほどだ。 佐藤輝の良さに、全打席でフルスイングを心掛けていることがある。近大からプロ入りした佐藤輝を春季キャンプからオープン戦にかけて見た間、ちょこんと当てにいく 佐藤輝明と清原和博、新旧大物ルーキーの共通項