最後まで名指導者だった怪童・中西太さん(田尾安志) プロ野球 コラム 5月28日 妻の母が福岡出身で、西鉄ライオンズ(現西武)の2軍戦の場内アナウンスを4年ほどしていたことがある。1軍担当への〝昇格〟を打診されて間もなく結婚し、アナウンスの仕事はやめたのだが、先日亡くなった中西太さんや豊田泰光さん、稲尾和久さんら当時の主力選手たちと懇意にしていたという。 中西さんとは私も親しくさせてもらった。初めて話をしたのは解説の仕事を始めてからだったと思う。どこかのコーチをしていた中西さ 最後まで名指導者だった怪童・中西太さん(田尾安志)
新球場はいつの時代も注目の的(田尾安志) プロ野球 コラム 4月23日 日本ハムの新球場、エスコンフィールド北海道がオープンした。開閉式のドーム球場で、屋根が閉まっている時でも中堅後方の巨大なガラス壁から外が見えるなど、従来にはないニュータイプの球場は人気のようだ。いつか解説の仕事などで足を運べればと思う。 いつの時代も新しい球場は大きな注目を集めてきた。私が現役だった頃は東京ドームがそうだった。1988年、日本初のドーム球場として開業。当時阪神にいた私は3月のオー 新球場はいつの時代も注目の的(田尾安志)
大谷翔平と佐々木朗希がWBCで見せた人間力(田尾安志) 大谷翔平 WBC 佐々木朗希 プロ野球 コラム MLB 3月26日 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が3大会ぶり3度目の優勝を果たした。2006年と09年の優勝も素晴らしかったが、今回の栄冠はそれにも増して晴れやかな気持ちにさせてくれた。その要因は何かと考えると、代表メンバーが一選手の枠を超えた感動をもたらしてくれたことが挙げられる。 1次リーグで日本と同じB組に入った本戦初出場のチェコ。1勝3敗で敗退したが、試合で敗れた後に日本チームや観客に 大谷翔平と佐々木朗希がWBCで見せた人間力(田尾安志)
WBC日本代表、私が考える先発メンバー(田尾安志) 大谷翔平 村上宗隆 WBC 佐々木朗希 山本由伸 プロ野球 コラム MLB 2月26日 2月に入りプロ野球の各チームがキャンプインしたが、早くも列島は3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)一色の様相を呈している。宮崎で行われている日本代表合宿の盛り上がりようは、ファンの大きな期待の裏返しといえるだろう。 合宿では、メジャー組で唯一参加しているダルビッシュ有(パドレス)が行くところに、ファンだけでなく選手もずらっと集まってくる。米大リーグでトップクラスに上り詰めた選手 WBC日本代表、私が考える先発メンバー(田尾安志)
探求力が実を結んだバースの野球殿堂入り(田尾安志) プロ野球 コラム 1月29日 元阪神のランディ・バースが今年の野球殿堂入りを果たした。三冠王に2度も輝いた「史上最強の助っ人」が日本を去って35年たっての殿堂入りは、2年間チームメートとしてプレーした私にとってもうれしい。 現役時代、私は相手投手の癖を研究するのが好きだった。1987年に西武から阪神に移籍し、中日時代以来3年ぶりにセ・リーグでプレーすることになったが、どうしても癖が見抜けない投手がいた。 あるとき、バースに「 探求力が実を結んだバースの野球殿堂入り(田尾安志)
現役ドラフト組「戦力外のち晴れ」なるか(田尾安志) プロ野球 コラム 12月25日 生まれ育った土地から遠く離れた高校に進学する「野球留学」が広まって久しい。強豪ひしめく大阪や東京などの高校ではレギュラーへの道、甲子園への道は険しく、多くの球児が活躍の場を求めて毎年、地方の高校へと旅立つ。 「あのチームに行ければ」と思うのはプロの選手も同じだろう。主力とポジションが重なったり、自身と同じタイプの選手が多かったりで出場機会が少ない選手は、環境の変化にいちるの望みをかけたくなるもの 現役ドラフト組「戦力外のち晴れ」なるか(田尾安志)
新球場の「違反」が問うもの 臨場感こそ命(田尾安志) プロ野球 コラム 11月27日 2023年に日本ハムの本拠となる新球場「エスコンフィールド北海道」が開業する。初めに計画を知ったときは、完成はかなり先だなと思っていたが、いよいよそのときが近づいてきた。ただし今、この球場で真っ先に思い浮かぶのは「規則違反」問題の負のイメージ。ぴかぴかの新球場が始まる前からくすんで見えてしまうのは残念だ。 公認野球規則で「60フィート(約18メートル)以上が必要」と定められているホームベースから 新球場の「違反」が問うもの 臨場感こそ命(田尾安志)
忘れがたき日本シリーズの「石ころ事件」(田尾安志) プロ野球 コラム 10月23日 プロ野球で「試合の流れ」という言葉を口にする監督や選手は多い。劣勢のときにはどうあがいたところで前に進めない、まさに「流れ」というものが確かに存在する。クライマックスシリーズや日本シリーズなら「シリーズの流れ」にいかに乗れるかも重要な要素だ。 ちょっとしたことでシリーズの流れをつかみ損ねた経験がある。1982年、中日にいた私は初めて日本シリーズの舞台を踏んだ。1、2戦目は相手の西武がものにし、3 忘れがたき日本シリーズの「石ころ事件」(田尾安志)
村上宗隆、落合博満に通じる技術で金字塔(田尾安志) 村上宗隆 プロ野球 コラム 9月25日 3、4年前のことだ。まだ高校からプロ入りして間もないながら、スイングスピードが非常に速いなと強烈な印象を覚えた選手がいた。ヤクルトの村上宗隆だった。 筒香嘉智がまだDeNAにいた頃だったが、同じような体格の筒香にも増してスイングが鋭く、将来は日本代表の4番を務めるようになるかもしれない、と思ったほどだった。まさか、あの王貞治さんに並ぶ日本選手シーズン最多の55本塁打をマークするまでになるとは思わ 村上宗隆、落合博満に通じる技術で金字塔(田尾安志)
夏場の打撃練習は毎試合すべきか(田尾安志) プロ野球 コラム 8月28日 毎日のように試合があるプロ野球。夏場になるとさすがに疲労がたまってくる。近年は尋常でない暑さから、試合前の打撃練習の時間を短くするチームが増えた。いいことだと思う。自分の経験をふまえて言うと、いっそ練習自体しない日があってもいいのではないかと思う。 中日での現役時代のこと。ストレッチをしているときに同僚が上に乗ってきて、腰を痛めた。まともにバットを振れなくなったが、首脳陣はレギュラーだった私を試 夏場の打撃練習は毎試合すべきか(田尾安志)