プロ野球にシーズンオフなんていらない プロ野球 コラム 1月15日 1月31日にプロ野球界のシーズンオフは終わり、翌2月1日からキャンプが始まる。さて、正式にはポストシーズンと称されるシーズンオフとは何か。野球シーズンは11月末日に終わり、翌年の1月末日までの2カ月間がポストシーズンと、プロ野球の憲法である「野球協約」は定めている。この間、12球団は試合をすることも、チーム合同の練習もやれないことになっている。 2月から11月までの10カ月間、試合・練習・移動を プロ野球にシーズンオフなんていらない
4球団で監督交代 新指揮官就任で野球はどう変わる プロ野球 コラム 12月11日 ヤクルトの元オーナー松園尚巳は、ユニークな言動で話題を集める人だった。印象に残る発言に「監督の采配で年間、何勝できる」があった。三原脩や広岡達朗の手腕が評価されるようになり、報酬も高くなっている時代だった。 名将は戦略に優れた手腕を発揮するだけでなく、選手育成やメディア向けの情報発信にも貢献した。野球という団体競技の性質から見て、一般企業の営業成績などのように数字に表せない部分は多い。だが、経営 4球団で監督交代 新指揮官就任で野球はどう変わる
中嶋聡監督に見る「長寿の相」 歴代名将を手本に プロ野球 コラム 11月13日 プロ野球の監督就任を披露する場で、当人との名刺交換を一度だけ体験したことがある。2006年秋のオリックス。大リーグでも実績を残していたテリー・コリンズを新監督に迎え、再出発とばかりに、球団は日本式の名刺まで作ってあげた。有名監督に気後れするまいと、こちらは長い取材歴を自慢した。すると「キャリアが長い記者に取材されるのはありがたい。私も日本の野球を愛し、長くチームに尽くしたい」と返してくれた。 1 中嶋聡監督に見る「長寿の相」 歴代名将を手本に
救援投手はつらいよ 地位上がっても故障は減らず プロ野球 コラム 10月16日 「投手は完投して一人前」と、1960年代ごろまではよく言われた。金田正一(巨人など)や鈴木啓示(近鉄)らの名投手が監督やコーチになると、そう言って投手陣を励ました。これに異を唱えたのが、大洋(現DeNA)などで監督を務めた近藤貞雄だった。 「私より若い監督が、相も変わらず完投にこだわっているのはおかしい。野球は変わってきた。用具は改良され、ボールもよく飛ぶ。それなのに、投手に過酷な完投を強いるの 救援投手はつらいよ 地位上がっても故障は減らず
杉本裕太郎に松本剛… 戦力発掘の意志が生んだブレーク プロ野球 コラム 9月11日 「ブレーク」。壊す、突き破るなどの意味で使われることが多い。アスリートや芸能人については、伸び悩み、低迷していた人物が、何かのきっかけで目覚め、実力を発揮し始めたときに使われる。「開眼」や「化ける」と同義語と言っていいだろう。 プロ野球の場合、近年で顕著なブレークの例として、2021年のオリックス・杉本裕太郎が挙げられる。16年にドラフト10位でプロ入りしたが、ずっと外野、一塁の控えに甘んじてき 杉本裕太郎に松本剛… 戦力発掘の意志が生んだブレーク
甲子園に響くサイレン 特攻、外地で散った選手への思い プロ野球 コラム 高校野球 8月14日 全国高校野球選手権は毎年、終戦記念日の8月15日が大会期間にあたり、会場の甲子園では正午にサイレンが球場に鳴り響く。戦争を知らない球児も、空襲警報のサイレンの記憶が残っているオールドファンも、その場で直立不動になり、戦没者に黙とうをささげる。 キャッチボールをしてから出撃した22歳・石丸進一 毎年終戦記念日の前後は全国各地で同じように黙とうをささげる。メディアでも太平洋戦争末期を回顧する番組が多 甲子園に響くサイレン 特攻、外地で散った選手への思い
高津ヤクルト、群を抜く強さ 際立つ選手への思いやり プロ野球 コラム 7月10日 「あかんなあ」は今季、開幕当時のプロ野球ファン同士のあいさつだった。主語は言わなくても、黒星続きの阪神だと分かった。それが、セ・パ交流戦の6月ごろになると「強いね」に変わった。言わずと知れた、ヤクルトの安定した強さを言っているものと、大半のファンが理解した。 2日にマジックナンバー(M)53が、セ・リーグ首位のヤクルトに点灯した。リーグ優勝決定までの目安と理解されるMがメディアに登場し、野球ファ 高津ヤクルト、群を抜く強さ 際立つ選手への思いやり
「隠れ二刀流」あちこちに 侮れない投手の打撃 Think! プロ野球 コラム 6月12日 「これは投手の打撃でない」と、元西鉄の強打者、中西太が驚きの声をあげた。現役引退後は監督、コーチとして多くの好打者を育てた。打撃の指導者として名が高い。その人が1982年の日本シリーズ、西武―中日戦を観戦。打席に立った西武・森繁和投手の構え、素振りをひと目見て驚いたのだ。 その驚きを裏付けるかのように、森は左中間へ痛烈な二塁打を放った。たまたまだったかもしれない。しかし、パ・リーグは75年に指名 「隠れ二刀流」あちこちに 侮れない投手の打撃
完全試合と「完全もどき」の織りなすドラマ プロ野球 コラム 5月1日 定年退職した後輩記者が、1994年に巨人・槙原寛己が達成した完全試合を取材した思い出を社報に書いた。「野球を担当したのは4年半ほどだろう。オレはその10倍も野球取材をしているのに、完全試合を見たことがない。キミはなんと幸運な男」と悔しく思った。 ナマで完全試合を見ていないが、完全や「完全もどき」にまつわる話は聞いている。完全試合はバックの失策があってもダメ。僚友の大記録達成を壊してはならぬと、終 完全試合と「完全もどき」の織りなすドラマ
無言・嘆き・叱責・称賛… プロ野球監督談話もいろいろ プロ野球 コラム 4月10日 「明日(あした)、明日」と球団広報を通じて言い残しただけで、取材対応しない。日本ハム・新庄剛志監督(ビッグボス)の動静を伝える報道に、このような表現が目立つようになった。サービス精神旺盛な同監督だが、敗戦が続くと苦しい。 「明日……」は昔の監督が、敗戦後によく口にした言葉だ。「負けたが闘志はなくしていない。明日頑張る」を、端的に表明する便利な言葉だ。「だから、ややこしいことは聞くな」というわけだ 無言・嘆き・叱責・称賛… プロ野球監督談話もいろいろ