ロッテ・美馬、逆境で光る「中肉中背」の投球の味 プロ野球 コラム 5月17日 好投実らず、勝ち星に恵まれなかったロッテ・美馬学(35)が、12日の楽天戦で今季初勝利を手にした。逆境に耐える強さ。宝刀といえるほどの勝負球を持たずに、抑えていくしぶとさ。「中肉中背の投球」のすごみが、そこにある。 ■「ゆとり」の投球が生むピンチ脱出 自分に多くを望まない、というのだろうか。「身のほど」を心がけているような投球の味が出たのが、楽天戦の六回だった。3-2とリードは1点。1死から島内 ロッテ・美馬、逆境で光る「中肉中背」の投球の味
佐々木朗希、驚異の制球の源 練習でもいきなり変化球 プロ野球 コラム 5月3日 通算276勝の「鉄腕」、稲尾和久氏(西鉄=現西武)は「コントロールは指先の記憶である」という言葉を残している。その指先の記憶力を、かつてない高速のレベルで保ち続けてなし遂げられたのが、ロッテ・佐々木朗希(20)の完全試合(4月10日、オリックス戦、ZOZOマリンスタジアム)だ。なぜパワーと制球力を両立できるのか。 井口資仁監督が「(投球練習の)1球目からスライダーを投げるんだから」と目を丸くした 佐々木朗希、驚異の制球の源 練習でもいきなり変化球
ロッテ佐々木朗希の奇跡演出 高卒ルーキーの捕手・松川 プロ野球 コラム 4月19日 オリックス戦の完全試合(10日)に始まり、17日の日本ハム戦まで、17イニング走者なしという、この世のものとも思えない投球を続けているロッテ・佐々木朗希(20)。受けているのが18歳の新人捕手、松川虎生(こう、市立和歌山高、ドラフト1位)である点も、もはや劇画、の感を濃くしている。 「最後は何とかパスボールだけはやめようと思っていた。そこだけです」。オリックス戦で佐々木朗をリードして、史上16人 ロッテ佐々木朗希の奇跡演出 高卒ルーキーの捕手・松川
遅咲きの花の美しさ ロッテ平沢らの開花に期待 プロ野球 コラム 4月5日 ドラフト上位指名の選手でも、すんなり1軍定着といかず、回り道をする人も少なくない。だが、遅咲きならではのドラマもある。努力し続ければ、いつかは……。そんな希望を託したくなるのが、7年目のロッテ・平沢大河(24)だ。 開幕戦先発のロッテ・平沢 センスの光る選球眼 3月25日の楽天戦。プロ入り後初めて、開幕戦先発オーダーに名を連ねた場所は楽天生命パーク。敵地ながら、宮城県出身、仙台育英で活躍した平沢 遅咲きの花の美しさ ロッテ平沢らの開花に期待
強心臓ロッテ松川 高卒新人捕手で16年ぶり開幕先発へ プロ野球 コラム 3月22日 年季が必要で、高校を出たばかりの選手にはまず無理、とされている捕手の定位置を、新人で獲得しようというのが、ロッテのドラフト1位、松川虎生(こう、18、市立和歌山高)だ。キャッチングやリード、捕手必須の技能に加え、首脳陣を驚かせる異能とは……。 3月16日。開幕投手(25日、楽天戦)の起用が決まっていた石川歩と組んだ広島とのオープン戦で、松川は曲芸的な打撃を見せた。五回無死二塁で、内角球をおっつけ 強心臓ロッテ松川 高卒新人捕手で16年ぶり開幕先発へ
マシンガン打線の再来? 役者そろったDeNAベンチ プロ野球 コラム 3月8日 マシンガン打線再来か――。横浜時代の1998年のリーグ優勝、日本一に貢献した石井琢朗氏らがコーチとして帰ってきたDeNAが、巻き返しの態勢を整えつつあるようだ。 2021年シーズンのチーム打率、総得点はリーグ2位で、攻撃陣のコマはそろっていた。最下位の責めはリーグ最低のチーム防御率だった投手陣が負うものだろうが、打線に問題がなかったわけではない。盗塁はリーグ最少の31個で、打力を生かすための潤滑 マシンガン打線の再来? 役者そろったDeNAベンチ
鈴木誠のメジャー挑戦 広島、ピンチを世代交代の好機へ プロ野球 コラム 2月26日 主力の移籍というピンチが、チーム変革の好機になることもある。メジャー移籍を目指す4番、鈴木誠也の後釜を狙い、大型新人の末包昇大(すえかね・しょうた、25、ドラフト6位、大阪ガス)らが色めき立つ広島にも、その予感が漂う。 19日の巨人との練習試合。佐々岡真司監督は3、4番に、ドラフト3位の新人、中村健人(24、トヨタ自動車)と末包を据えた。主力がそろわないなかでのオーダーだったが、この際一気に世代 鈴木誠のメジャー挑戦 広島、ピンチを世代交代の好機へ
ソフトバンク藤本監督 激動の時代知る、たたき上げの味 プロ野球 コラム 2月22日 プロ野球ソフトバンクの藤本博史新監督(58)は1980年代後半にホークスを率いた杉浦忠氏以来の南海生え抜き組として指揮を執る。昭和の猛者たちの時代を知り、親会社の変転の荒波を乗り越えてきた「たたき上げ」の人の味が、キャンプでもにじみ出ている。 きっちりメニューが組まれ、流れるように進むキャンプの一日のなかに、藤本新体制の肝煎りの1時間がある。夕方5時から6時までの「自由時間」だ。チーム一体の全体 ソフトバンク藤本監督 激動の時代知る、たたき上げの味
脱スペシャリスト ロッテ和田、平均点でレギュラー取り プロ野球 コラム 1月18日 50歳までプレーし、このほど野球殿堂入りした山本昌氏(元中日)によれば「プロは平均点の勝負」だという。1年間安定してプレーできるか。武器となる一芸に加え、不得手な分野の点数をどれだけ上げられるか。長く活躍するための平均点の壁に立ち向かう選手の一人が、ロッテの外野手、和田康士朗(23)だ。 和田は2017年のドラフトで独立リーグのBCL・富山GRNサンダーバーズから育成枠1位で指名され、3年目の2 脱スペシャリスト ロッテ和田、平均点でレギュラー取り
外国選手の心を推しはかって 分断・孤独に配慮する プロ野球 コラム 1月7日 メジャー3年目を迎える秋山翔吾(レッズ、前西武)は自身が〝外国人〟の立場になって、考えたことがあるという。「日本にいたとき、もうちょっと外国人にケアできるところがあったのかな」 日本でもメジャーでも、外国人は溶け込むまでが大変だ。米国や中南米の選手は感情をわかりやすく表現して、意思疎通する。そうした選手たちが、外国人として来日し、日本のチームのベンチに座ったときに、どんな気持ちだったか。おとなし 外国選手の心を推しはかって 分断・孤独に配慮する