小さな大投手の老けない投球 ヤクルト石川の円熟味 コラム プロ野球 2月16日 小さな大投手、ヤクルト・石川雅規(41)の20年目のシーズンが始まった。2勝に終わった昨季だが、円熟の投球はさえていた。50歳まで投げ続けた山本昌投手(中日)のような、年を取らない投球に注目したい。 昨季は勝ち運に見放された1年だった。9回目の開幕投手を務めた6月19日の中日戦。大野雄大と投げ合い、6-3と勝ち投手の権利を持って5回3失点で降板した。ところが、救援陣が打たれて逆転負け。 継投パタ 小さな大投手の老けない投球 ヤクルト石川の円熟味
球団の垣根越える王イズム 「強打のパ」育む源に コラム プロ野球 2月2日 ロッテ・安田尚憲、藤原恭大―ソフトバンク・柳田悠岐―ソフトバンクOBの松中信彦氏……。プロ野球の合同自主トレや、キャンプで生まれつつある師弟関係をたどっていくと、王貞治・ソフトバンク球団会長に行き着く。球団の垣根を越えて根付く「王イズム」が、新たなスターを生むかもしれない。 1月17日から22日まで、柳田の自主トレに参加した藤原は打席での心構えを学んだ。2ストライクと追い込まれたら、どう考えれば 球団の垣根越える王イズム 「強打のパ」育む源に
プラグマティズムの桑田コーチ 巨人に欠かせぬピース コラム プロ野球 1月19日 フリーエージェント(FA)選手に目を凝らし、大物外国人を探し求めるのも必要だけれど、一番の戦力はなんと〝身内〟にいた、ということになるだろうか。プロ野球巨人がOBの桑田真澄さん(52)をコーチ(投手チーフコーチ補佐)として招いた。技術と知見が詰め込まれた球界きっての頭脳がもたらす効果は計り知れない。 メジャー挑戦の末、2008年にユニホームを脱いで以来、桑田コーチは東大の特別コーチを務めるなどし プラグマティズムの桑田コーチ 巨人に欠かせぬピース
楽天の切り札・石井監督 胆力あり、忖度はなし コラム プロ野球 1月5日 2代続けて1年限りでの監督交代となったプロ野球楽天は2021年、チーム編成の任にある石井一久ゼネラルマネジャー(GM)自ら指揮を執る。迷走気味だったチームの切り札、といえる人事かもしれない。勝ち切るチームになるための妙手となるか。 16年から18年途中まで監督を務めた梨田昌孝氏が退陣してからの楽天はめまぐるしく体制が代わった。梨田監督のあとの監督代行から昇格して19年に指揮を執った平石洋介監督、 楽天の切り札・石井監督 胆力あり、忖度はなし
佐々木朗、今季実戦登板0も雌伏の1年の収穫 コラム プロ野球 12月22日 まれに見る逸材としてプロ入りしたロッテ・佐々木朗希の1年目は1、2軍とも登板無しに終わった。それでも、初めての契約更改交渉後に臨んだ14日の記者会見で、半年前とは違う物腰に進境をうかがわせた。飽くことなく、地道な基礎づくりに徹した日々から、来季に向けてつかんだものとは。 漏らした一言に、受けてきた重圧のほどが表れていた。 「いやあ、なんですかねえ。解放された感がありますね」 オフに入ってリラック 佐々木朗、今季実戦登板0も雌伏の1年の収穫
「相手を見る」 金田正一さんに通ずるアマのプロ魂 コラム プロ野球 12月8日 アマチュアなのに、いや、アマチュアだからこそのプロ魂といえるだろうか。コロナ禍により、時期を遅らせての開催となった都市対抗野球に、持ち場を守る職業人のプライドと技をみた。 「打者をよく見られるようになった」。大会期間中、複数の投手が口にした。あれ、どこかで聞いたぞ、と思ったら、優勝請負人として知られた江夏豊さん(阪神など)の自伝にあったフレーズだった。 ■「江夏の21球」につながる教え 「『豊よ 「相手を見る」 金田正一さんに通ずるアマのプロ魂
カラータイマーな人たち 日本ハム・宮西の至芸 11月24日 ウルトラマンはなぜ最初から必殺のスペシウム光線を使わないのか。長年の謎だったが、日本ハム・宮西尚生の追い詰められてからの投球にハッとした。待てよ、土壇場にならなければ出ない力というものがあるのかも……。 10月1日のロッテ戦。3-2とリードした九回、宮西は抑えのマウンドに立った。簡単に2死を取ったあと、波乱の一幕となった。田村龍弘に中前打を許し、福田秀平には左前打を喫す。3番のレオネス・マーティ カラータイマーな人たち 日本ハム・宮西の至芸
ドラマ満載、地域の人々に愛される独立リーグ 11月10日 野球好きで知られた作家、井上ひさしさんの夢の一つはプロ野球のファームに、1シーズン密着して取材することだったという。上を目指す人、先が見えてきた選手、さまざまな人生が交錯する舞台にはドラマのにおいがある。そんな物語の宝庫になりそうなチームに出会った。 それは日本プロ野球=NPB傘下のファームではなく、今年、独立リーグのルートインBCリーグに新規参入し、初優勝を飾った神奈川フューチャードリームス。 ドラマ満載、地域の人々に愛される独立リーグ
初球を仕留める20歳、ロッテ・藤原に見るプロの"資格" 10月27日 これなら、コロナ禍による主力の大量離脱がなくても、頭角を現していたかもしれない……。今月1軍に引き上げられたロッテの2年目、藤原恭大(20)が躍動している。高校卒業2年目での開花の気配から、プロで成功する人に共通の資質がいくつかみえてくる。 鮮やかな先頭打者弾だった。10月14日、楽天戦の一回。今季絶好調の涌井秀章の初球をとらえた打球はホームラン打者ならではの打球、という放物線を描いて右翼席に。 初球を仕留める20歳、ロッテ・藤原に見るプロの"資格"
自主性と創意のハナマウイ、都市対抗野球に新風 10月13日 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、例年の7月から11月へと大会日程が移された都市対抗野球に、新顔がお目見えする。千葉県富里市を拠点とする「ハナマウイ」。デイサービスの仕事に取り組む選手たちの本戦進出は産業構造の変化を映してきた大会に、新しいページを加えるかもしれない。 ハナマウイは昨年創部したばかりで、今年初めて都市対抗の予選に参戦した。監督は本西厚博さん(58)。プロ野球のオリックス時代、 自主性と創意のハナマウイ、都市対抗野球に新風