「最近どう?」 雑談も生きた情報の源(権藤博) プロ野球 コラム 1月14日 誰とでも気軽にしゃべれるタイプの私はコーチ時代に、対戦相手のチームの裏方さんともよく話した。「最近どう?」から始まるとりとめのない話だったが、たまに重要なヒントも得たから、雑談もバカにならない。 相手チームの打撃投手と話しているうちに「近ごろ○○はどうも内角に詰まってばかりで」とぽろり。打者の調子を一番知っているのは監督や打撃コーチではなく、毎日相手をしている打撃投手だ。 選手の体にじかにさわる 「最近どう?」 雑談も生きた情報の源(権藤博)
「武士道」があるから成り立つ メジャーの内野シフト プロ野球 コラム MLB 12月17日 何でもデータの時代で、メジャーは打球方向を分析し、打者ごとに極端な守備位置をとるのが当たり前になった。あちらの流行はほとんど取り入れてきた日本だが、この極端なシフトはまねしなくていい。 二、三塁の間に野手1人だけ、といったシフトが成功するのは打者に武士道精神があるからだ。メジャーの打者は下位まで一発があり、当てにいってガラ空きの三塁線に打とう、とは考えない。そんなことをしたら恥ずかしい、という打 「武士道」があるから成り立つ メジャーの内野シフト
仕事全うした高津監督 采配の根拠、自らつくる プロ野球 コラム 12月3日 ヤクルトの優勝で終わった日本シリーズだが、6試合中5試合が1点差。どちらに転んでも不思議はなく、力の差もなかった。ヤクルト・高津臣吾監督、オリックス・中嶋聡監督とも、いい意味で頑固で、シーズン中の戦い通り、選手を信じ続けた。 明暗を分けたものがあるとすれば、いかにも投手出身らしい高津監督の信念だったと思う。「野球で主導権を握っているのは投手、運命は自分たちが決めるんだ」という思いの強さで、勝利を 仕事全うした高津監督 采配の根拠、自らつくる
面白ければ強くなる 新監督は思った通りにやればいい プロ野球 コラム 11月5日 日本ハムの新庄剛志新監督は驚きだったが、監督だけはやってみないとわからないというのが、私の持論だ。どんなに名コーチで、いい監督になると思われた人でも、失敗する。逆にコーチ経験がなくても、いい監督になることがある。つまり、選手の指導と監督への進言が主な仕事であるコーチと、決めることが仕事の監督はまったく別な職種、ということなのだ。 型破りなプレーヤーだった新庄監督はたぶん、指導者になっても選手の個 面白ければ強くなる 新監督は思った通りにやればいい
投手の弱さ知る高津監督 補強に頼らぬ知恵強みに プロ野球 コラム 10月27日 昨季、リーグ最下位だったヤクルトの防御率が、今季は3位(26日現在)に上がった。こんなにいい投手だったかな、と思うくらい、みんな輝いている。そこにみえるのは高津臣吾監督の現役時代の面影だ。 ヤクルトの抑えだった高津監督の投げっぷりは、横浜(現DeNA)にいた私から見ても、あっぱれだった。シンカーのイメージが強いが、我々が感じていたのは「俺は速球派だぞ」という主張だった。驚くような球威はなくても、 投手の弱さ知る高津監督 補強に頼らぬ知恵強みに
プロ野球「10・8」決戦はもう来ない (権藤博) コラム プロ野球 10月8日 この先に、クライマックスシリーズ(CS)が待っていると思うと、優勝争いをしているチームが気の毒になってくる。今年はセ・パ両リーグとも競っていて、すごい試合をしているから、なおさらだ。 ヤクルトが驚異的なスパートを見せると、阪神も高橋遥人の2試合連続完封で食らいつく。オリックスはロッテとの直接対決でT―岡田の劇的な3ラン2発が飛び出し、首位奪回につなげた。優勝争いは最後までもつれそうだ。 高橋やT プロ野球「10・8」決戦はもう来ない (権藤博)
人がやらぬことをやる イチローが貫いたスタンス 3月24日 イチローの成功の秘密はひと言、「人のやらないことをやったから」――。野球評論家で、オリックスの新人時代からその才能に注目していたという「イチロー・ウオッチャー」、権藤博さんに引退の報に接しての思いを寄稿してもらった。 イチローの引退の知らせに驚く一方、昨年あたりから、そろそろ危ないかもという虫の知らせもあったので、やはり、と思わないでもない。 危ないかもと思ったのは2018年3月の米アリゾナでの 人がやらぬことをやる イチローが貫いたスタンス
25年ぶり優勝 緒方監督と広島、実直さの勝利 9月11日 戦力がなければ育てるのみ――。広島の25年ぶりの優勝は緒方孝市監督(47)を含め歴代の監督ら、現場の地道な努力と、選手を引き抜かれてもめげずにやってきた球団の我慢が実った優勝だ。金ならある、といわんばかりの安易な補強に走ってきた球団に投げかけるものは大きい。 ■中崎の成長、指揮官の我慢生きる まず、緒方監督にごめんといっておこう。実は某スポーツ紙の開幕前の順位予想で広島を最下位にした。優勝は巨人。 25年ぶり優勝 緒方監督と広島、実直さの勝利
打倒巨人の気構えを 3月18日 セ・リーグの球団を中心に、キャンプ、オープン戦をみて回っているが、面白くないのは「打倒巨人」の意気込みが伝わってこないことだ。どこの監督も口にはしないが、また2、3位狙いの低レベルの争いになりそうな雰囲気が漂っている。 ■2位に大差、リーグを連覇 2012年、13年とリーグを連覇した巨人と2位チームとのゲーム差は12年が10.5(中日)、13年が12.5(阪神)だった。 この差がさらに広がるのでは 打倒巨人の気構えを
「フルゲートオープン」はまだ早い 2月11日 「巨人の1軍の18投手全員がキャンプ初日からブルペンに入った」と、新聞やテレビが騒いでいた。長いシーズン全体でみると、キャンプは準備体操のようなものなのに、近ごろは2月1日の初日から、主力投手がブルペンに入る。異常事態だ。開幕は2カ月も先だというのに、みんな何を焦っているのか。 ■怖い若手投手の飛ばしすぎ 新聞によると2月1日、若手からベテランまで巨人の1軍投手全員がブルペンに入り、斎藤雅樹投手コ 「フルゲートオープン」はまだ早い