長期金利、「買い手不足」の危うい安定 入札に潜む懸念 コラム 6月1日 長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが0.5%を下回る水準で安定している。日銀の政策修正観測が後退し、政策修正を見込んだ国債売りが落ち着いているためだ。1日実施した10年債入札では久しぶりに需要が増したことを確認でき、長期金利の低下を誘った。ただ依然として国内投資家の買い意欲は鈍く、長期金利が再び0.5%に張り付く懸念も残る。 「ようやく少し需要が戻ってきたかな」。ある市場参加者は10年債 長期金利、「買い手不足」の危うい安定 入札に潜む懸念
140円台達成も、円一段安阻む米長期金利4%の壁 小栗 太 コラム 為替・金利 編集委員 5月30日 円安・ドル高の勢いが再び強まり、円相場は1ドル=140円の節目をあっさり抜けた。米国の根強いインフレ圧力を受け、米利上げ継続観測から円売り・ドル買いに弾みがついたためだ。ただ、140円台達成は市場の想定範囲内の反応。むしろ円相場との連動性が強い米10年物国債利回り(長期金利)の上値の重さを意識し、一段の円売り・ドル買いに慎重な空気も消えていない。 「浮上する1ドル=140円説」。このコラムに、ち 140円台達成も、円一段安阻む米長期金利4%の壁
邦銀AT1債は「干天の慈雨」 品不足が呼ぶ利回り狩り コラム 企業業績・財務 5月23日 社債投資家が国内金融機関のAT1債(永久劣後債)に妙味を見いだしている。日銀の政策変更への警戒が薄れて投資意欲が増す一方で社債の供給が限られ、品不足感が強いためだ。投資家は少しでも高い利回りを求める「イールドハント(利回り狩り)」に再び向かいつつある。 23日、みずほフィナンシャルグループが2本立てのAT1債の発行を準備していることが分かった。7月以降の起債を予定する。3月にクレディ・スイス・グ 邦銀AT1債は「干天の慈雨」 品不足が呼ぶ利回り狩り
円相場、「脱金利差」が示す売り圧力 140円視野に コラム 為替・金利 5月18日 外国為替市場で円安圧力が続いている。4月ごろから円相場は日米金利差との連動性が薄れ、円安・ドル高に振れやすくなっている。背景にはドル高を恐れる国内の輸入企業による年度初めのドル買い・円売りがある。輸出企業の想定レートは実勢より円高方向で、急いでドル売り・円買いに動く必要はない。実需のドル買いが進み、1ドル=140円を目指して下落するとの見方も増してきた。 18日の東京外為市場では一時1ドル=13 円相場、「脱金利差」が示す売り圧力 140円視野に
弱気ファンド、売り圧力が一服 下がる長期金利の天井 マーケットニュース コラム 為替・金利 5月16日 国内債券市場で長期金利が水準を切り下げている。0.3%台後半から0.4%台前半で推移し、4月下旬の0.5%近くから低下した。売りの圧力が収まっていることが背景にある。今後はこれまで売りを主導してきたベア(弱気)型のファンドが買い戻しに動く可能性があり、長期金利の天井は低くなるとの見方が広がっている。 長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは16日、一時0.39%と前日比で低下する場面があっ 弱気ファンド、売り圧力が一服 下がる長期金利の天井
ホテルREIT「千客万来」なるか 旅行回復で増配期待 コラム 株式 5月11日 ホテル系の不動産投資信託(REIT)に投資マネーが流入している。インバウンド(訪日外国人)が復調するなか、新型コロナウイルス禍で進めた効率化や客室単価の引き上げで収益が改善。機関投資家や個人が増配を期待して買いに動いている。REITで主力のオフィス系は供給過剰への懸念から上値が重く、ホテル系の優位が当面続く可能性がある。 「宿泊料金の高さには驚いたけど、円安で買い物はしやすい。宿泊期間を延ばし ホテルREIT「千客万来」なるか 旅行回復で増配期待
米利下げ開始なら日銀の政策正常化に逆風 円高警戒で 清水 功哉 コラム 編集委員 5月9日 米連邦準備理事会(FRB)が3日、利上げ停止の可能性を示唆した中、市場ではその先の利下げ開始の時期をめぐる思惑も広がる。問題は、米利下げが始まれば日銀は金利を上げにくくなる点。政策の修正や正常化に関する日銀の出方を占う際に、米金融政策という要素の重みが徐々に増しそうだ。FRBに振り回される日銀という図式が繰り返されるかもしれない。 2022年3月にゼロ金利政策を解除して以降、高インフレの退治に向 米利下げ開始なら日銀の政策正常化に逆風 円高警戒で
GWの円高リスクにご用心 指し値「真空地帯」で急騰も コラム 為替・金利 5月2日 日銀の緩和長期化観測から円売りが進む中、ゴールデンウイーク(GW)に相場が急反転するリスクが潜んでいる。GW前の相場急変動を受けて輸入企業による指し値のドル買い・円売り注文が例年に比べて減少し、円・ドル相場に「真空地帯」が生じているからだ。2〜3日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)などのイベントをきっかけに相場が反転すれば、円高が大きく進む可能性がある。 2日の外国為替市場で円相場は一時1ド GWの円高リスクにご用心 指し値「真空地帯」で急騰も
円キャリー取引、たまるマグマ 日銀会合後に円安再開か コラム 為替・金利 4月27日 外国為替市場で、低金利の円を借り外貨に投資する「円キャリー取引」が活発化するとの見方が増えている。世界で唯一のマイナス金利通貨であるうえ、米利上げ停止観測で円相場の変動率が低下。キャリー取引を構築する余地が大きい。日銀の金融政策決定会合後にも円安が再開するとの見方が浮上している。 「27〜28日の日銀会合が終わればキャリー取引しやすくなる」と三菱UFJ銀行で通貨オプション取引を手がける安野純平氏 円キャリー取引、たまるマグマ 日銀会合後に円安再開か
インバウンド急回復、円安抑止の効果じわり 小栗 太 コラム 為替・金利 編集委員 4月25日 歴史的な円安局面を下支えしてきた需給構造に変化の兆しが表れてきた。新型コロナウイルス発生後の経済混乱が収束に向かい始めているからだ。象徴的なのがインバウンド(訪日外国人)の急回復。ロシアのウクライナ侵攻も相まって高騰した資源価格の上昇も峠を越えつつある。米欧の大幅利上げによるインフレ沈静化を見据え、円安の進行にブレーキがかかる可能性が強まっている。 日本政府観光局が19日に発表した3月の訪日客数 インバウンド急回復、円安抑止の効果じわり