西武HDが「アセットライト」、コロナでリスク浮き彫り 株式 企業業績・財務 3月4日 西武ホールディングス(HD)は2020年4~12月期の決算説明資料に初めて「アセットライトな事業構造へ転換」と掲げた。バランスシート(貸借対照表)の重荷になっているホテル・レジャー施設をどこまで減らすべきか。旧コクドの「土地本位主義」の修正は、新型コロナウイルスをきっかけに新しい局面を迎えつつある。 西武HDのある幹部は「品川や高輪、芝公園、軽井沢、富良野など立地のいいものをわざわざ手放すことは 西武HDが「アセットライト」、コロナでリスク浮き彫り
エプソン、商業印刷の回復焦点 在宅特需後に待つ課題 企業業績・財務 3月3日 セイコーエプソンが「在宅特需」に沸いている。家庭用プリンターの好調で2021年3月期の連結業績予想を大幅修正した。一方で成長のけん引役に据え、減価償却を上回るペースで先行投資を続けてきた商業・産業向け印刷は当初の期待に反して需要が足踏みした。株価は成長期待からキヤノンなどを上回るペースで上昇するなか、2つの想定外のはざまでエプソンは正念場を迎えている。 「先進国を中心にお店にプリンターがない状態 エプソン、商業印刷の回復焦点 在宅特需後に待つ課題
クラレ、大型買収が生んだひずみ 多角化の道険し 企業業績・財務 3月2日 クラレが収益源の多角化に挑んでいる。光学用ポバールフィルムなどが利益の多くを占める構造を改めようと、米国の活性炭大手の大型買収などに取り組み、5年前まで5000億円前後だった連結売上高を1000億円近く伸ばした。もっとも資産規模が拡大する割に利益が伴わないという、新たな問題が深刻化している。 クラレの売上高は16年12月期の4851億円から、コロナ禍に見舞われた20年12月期でも5417億円と1 クラレ、大型買収が生んだひずみ 多角化の道険し
ブックオフ、「何でも売る」に戦略転換 稼ぐ力なお弱く Think! 株式 企業業績・財務 3月1日 ブックオフグループホールディングスが拡大するリユース需要の取り込みを急いでいる。電子メディアの台頭で需要の先細りが懸念される書籍やゲームソフトへの依存から脱却し、宝飾品やバッグ、トレーディングカードの取り扱いを増やしている。過剰投資による評価損などで赤字が続いた一時期の停滞期は脱したが、投資余力に直結する稼ぐ力と財務の柔軟性は回復途上。リユース市場での生き残りは万全ではない。 「本屋が服を売っち ブックオフ、「何でも売る」に戦略転換 稼ぐ力なお弱く
日立建機、生産改革で変える「キャッシュなき利益」 企業業績・財務 2月26日 日立建機が会計上の利益とキャッシュフローのかい離を解消すべく、財務改革に取り組んでいる。生産体制の再編によって新車建機の在庫効率を底上げし、コンスタントに稼げる部品・サービスなど「バリューチェーン」の事業も増やしている。「キャッシュなき利益」では資本市場での評価が高まりにくいからだ。 建機需要は世界景気に左右されやすく、同社の業績は上下に大きくぶれてきた。2019年3月期に調整後の営業利益(国際 日立建機、生産改革で変える「キャッシュなき利益」
JT、「減益でも増配」と決別 成長へ27年ぶり戦略転換 企業決算 企業業績・財務 2月25日 好配当銘柄で知られる日本たばこ産業(JT)が1994年の上場以来初めてとなる減配を決めた。2021年12月期の年間配当は1株当たり130円と前期比24円減らす。紙巻きたばこ離れで減益に歯止めがかからないなか、新たに配当性向75%を目安に掲げた。利益連動の配当という性格を強め、成長投資にお金を振り向けやすくする。 「経営の自由度を高めていきたい」。寺畠正道社長は今月上旬、投資家向けの説明会で減配に JT、「減益でも増配」と決別 成長へ27年ぶり戦略転換
東芝、M&A戦略めぐり波紋 営業益4000億円への道 株主総会 株式 企業業績・財務 2月24日 東芝の経営が再成長シナリオをさぐる局面に差し掛かってきた。洋上風力発電では米ゼネラル・エレクトリック(GE)との提携交渉が明らかになった。その一方で2020年11月に改定した中期経営計画をめぐり、懸念を表明する一部株主と3月の臨時株主総会に向けて対立する事態に発展している。東芝は株主の「誤解」として収拾したい考えだが、もつれた糸を解きほぐせるか。 同社の大株主であるチヌーク・ホールディングスは、 東芝、M&A戦略めぐり波紋 営業益4000億円への道
出光、TOB失敗 全体最適に欠かせぬ東亜石油の「価値」 企業業績・財務 2月22日 出光興産が石油精製子会社である東亜石油の完全子会社化に向けて仕掛けていたTOB(株式公開買い付け)が失敗した。出光は旧昭和シェル石油との経営統合で規模拡大を遂げたが、東亜石のように少数株主を抱える拠点が複数残ったまま。需要減少への対応を迫られるなか、設備集約に手間取っている。稼ぐ力などから東亜石の価値を探ると、今回よりも高い価格でのTOB実施も現実味を帯びる。 「価格次第だが引き続きチャンスを見 出光、TOB失敗 全体最適に欠かせぬ東亜石油の「価値」
電動工具のマキタ、利益率「優等生」の物足りなさ 中部 企業業績・財務 2月22日 電動工具大手のマキタの業績が好調だ。新型コロナウイルス禍で一時停滞していた工事現場からの引き合いが旺盛で、2021年3月期は過去最高益を見込む。巣ごもり消費で芝刈り機などの園芸機器も売れており、来期以降も好材料は尽きない。ただ経営目標に掲げる「営業利益率10%以上」はもう20年近く上回っており、市場からは「優等生」としての物足りなさを指摘する声もある。 マキタは米ブラック・アンド・デッカーや独ロ 電動工具のマキタ、利益率「優等生」の物足りなさ
王子HD、東南ア段ボール攻勢 忍び寄る中国勢の影 企業業績・財務 2月19日 王子ホールディングス(HD)が新型コロナウイルスの逆風下でも巨額投資を続けている。2021年3月期は前期の2倍の2000億円規模の投資を実行し、東南アジアを軸に段ボールの生産設備の拡張などに充てる。用紙から段ボールへの構造転換を進めるための巨額投資だが、中国政府による1月の古紙の輸入全面禁止を受け、中国の製紙大手も東南アジアで攻勢を強めるなど競争環境は激しくなっている。 「東南アジアの経済成長に 王子HD、東南ア段ボール攻勢 忍び寄る中国勢の影