AIのパークシャ、膨らむ「のれん」 問われる相乗効果 Think! 企業業績・財務 スタートアップ ネット・IT AI 5月27日 人工知能(AI)新興大手のPKSHA Technology(パークシャテクノロジー)が成長の岐路に立っている。大企業からの受託開発が伸び悩むなか、M&A(合併・買収)をテコに継続的な収益を得るモデルに業態転換を急ぐ。売上高は拡大するものの「のれん」が利益を圧迫し、株価はさえない。相乗効果の追求で目に見える成果を早期に示すことが急務だ。 飲料大手のアサヒグループホールディングスはスーパーな AIのパークシャ、膨らむ「のれん」 問われる相乗効果
中部電力、電気料金「奥の手」 燃料高で募る安定財務期待 企業業績・財務 中部 環境エネ・素材 5月25日 中部電力が、卸電力市場の相場に応じて電気料金の単価が上下する法人向けの料金体系を取り入れた。卸価格が上がり採算が急速に悪化しており、顧客への価格転嫁を進める「奥の手」だ。燃料費の高騰に対する値上げの遅れが、かねて株式市場から指摘されていた。 小売り子会社の中部電力ミライズでは、より有利な条件で電気を確保しようと日本卸電力取引所(JEPX)からの調達を増やしてきた。販売電力量に占める割合は22年3 中部電力、電気料金「奥の手」 燃料高で募る安定財務期待
ニチガス、ROE20%目標に陰 稼ぐ力再点火へデジタル化 企業業績・財務 環境エネ・素材 5月23日 日本瓦斯(ニチガス)の自己資本利益率(ROE)の改善幅が縮んできた。「2025年3月期にROE20%」との目標達成へ資産の入れ替えを進めてきたが、直近1年間の改善幅は1%に満たない。22年3月期の14%から3年間で6ポイント差をどう埋めるか。LPガスと電力の二本柱で顧客網を広げつつ、販管費を抑える効率営業の徹底が欠かせない。 ニチガスは関東圏での液化石油(LP)ガス販売を主力とする。11年に米大 ニチガス、ROE20%目標に陰 稼ぐ力再点火へデジタル化
ニコン、株価に映る「堅実」新中計 カメラ依存脱却カギ 企業業績・財務 自動車・機械 5月20日 ニコンの成長性を市場が吟味している。4月に発表した2026年3月期までの4カ年の中期経営計画では、前中計で未達に終わった営業利益700億円に再挑戦する。前中計の反省を踏まえた「堅実」路線などが評価され、株価は2年半ぶりの高値になった。先行き不透明感のあるカメラに依存しない収益構造をいかに早く築けるかが焦点となる。 「事業の安定と収益拡大の両方を実現し、数値目標を確実に達成したい」。ニコンの馬立稔 ニコン、株価に映る「堅実」新中計 カメラ依存脱却カギ
WOWOW、サブスク特需乗れず スポーツ大会頼み限界 企業業績・財務 5月18日 開局から30年が過ぎた「元祖サブスク」といえるWOWOWが変革を迫られている。コロナ禍の巣ごもりではサブスクリプション(継続課金)型の配信サービスに追い風が吹いた。だが、WOWOWは会員数が2020年3月期から3期連続で大きく減少した。サッカーやテニスなど大型イベントの放映権を獲得し会員を積み上げる事業モデルが行き詰まりつつある。 「開局以来、ひたすら解約者数を上回る新規加入者の獲得に注力してき WOWOW、サブスク特需乗れず スポーツ大会頼み限界
伊藤ハム米久、原材料高の加圧で問われる統合効果 企業業績・財務 5月16日 伊藤ハム米久ホールディングス(HD)が2022年3月期から掲げるROIC(投下資本利益率)経営がはや試練を迎えている。22年3月期のROICは6.6%(前の期は6.3%)と、24年3月期の目標である6.8%に迫るなど滑り出しは良かったが、原材料高の影響で23年3月期は5.1%に低迷する見込み。今後、傘下の伊藤ハムと米久の生産拠点再編に数百億円を投資し、今後も続く原材料高やウクライナ危機に耐える収 伊藤ハム米久、原材料高の加圧で問われる統合効果
JFE、値上げ交渉力に見劣り 脱炭素投資に影 カーボンゼロ 企業業績・財務 環境エネ・素材 5月13日 新型コロナウイルス禍からの回復局面で、JFEホールディングス(HD)の稼ぐ力の改善が遅れている。2022年3月期の連結最終損益は3期ぶりに黒字転換した。しかし原材料高を価格に転嫁しきれず、競合に近い物差しで単純比較すると利ざやは悪化している。脱炭素に向けた投資競争にも影を落としかねない。 「様々な物価の高騰分を含めて値上げをお願いいたします」。傘下のJFEスチールの営業担当者は顧客のもとに足しげ JFE、値上げ交渉力に見劣り 脱炭素投資に影
ソフトバンクG、続く「テックの冬」 孫氏の打開策は ソフトバンク Think! 企業業績・財務 金融機関 アセットマネジメント 5月12日更新 ソフトバンクグループ(SBG)が12日、2022年3月期の連結決算(国際会計基準)を発表する。投資先の海外ハイテク株の下落が響き、純利益は国内最高になった21年3月期の4・9兆円から大幅に減った公算が大きい。新年度に入っても株安基調は続いており、SBGを含む世界のベンチャーキャピタル(VC)は軒並み苦境に立たされている。同日の決算会見では、逆風下で孫正義会長兼社長がどのような打開策を語るかに注目 ソフトバンクG、続く「テックの冬」 孫氏の打開策は
第一三共、「レトロ」技術で挑む営業最高益 企業業績・財務 ヘルスケア 5月11日 第一三共の株価が上昇基調にある。2022年3月期の連結決算を発表した翌4月28日に年初来高値をつけ、27日比225円(7.4%)高の3262円で引けた。その後も株価は上昇し、株式時価総額は5月6日に中外製薬を上回り、医薬品セクターで首位に立った。前期売上高が1兆円余りの第一三共で投資家が注視するのは、ピーク時売上高が8000億~9000億円規模との見方もある抗がん剤「エンハーツ」の開発動向だ。 第一三共、「レトロ」技術で挑む営業最高益
ソニーG、ゲーム失速の懸念 投資余力見劣り Think! 企業業績・財務 株式 エレクトロニクス 5月10日 ソニーグループの稼ぎ頭であるゲーム事業が失速する恐れが強まっている。半導体不足でゲーム機の供給制約を解消できず、キャッシュフローが伸び悩む。業界の再編機運が高まるなかで投資余力は海外勢に見劣りする。10日発表の2022年3月期決算では市場の懸念を払拭できるかが課題となる。 22年3月期業績は順調だった。連結営業利益(国際会計基準)は会社予想である前の期比26%増の1兆2000億円を確保したもよう ソニーG、ゲーム失速の懸念 投資余力見劣り