羽生引退に見るフライングゲット 7月29日 フィギュアスケーターで冬季五輪連覇を果たした羽生結弦選手が、競技の第一線から退くことを表明しました。王子様体形で優しげな雰囲気を持ちつつも、強い意志を備えるギャップ感などで絶大な人気を誇った羽生選手。いまさら論評するわけではありません。気になったのは、羽生選手の引退報道を巡り、ネット上で「想定外のツッコミ」があったことです。 事の発端はスポーツ紙の報道です。19日付の朝刊で日刊スポーツが羽生引退 羽生引退に見るフライングゲット
ヒット史から見た安倍時代~国力低下も不思議な安定感 7月22日 安倍晋三元首相が凶弾に倒れてからちょうど2週間。安倍氏の政治家としての功罪や国葬をめぐり、メディアから個人まで様々な論議が巻き起こっています。葬儀での見送り風景を見ると、育ちの良さやパフォーマンス好きなところも含め、少なくとも安倍氏のキャラクターへの支持が高かったことを映しています。同時に「政治離れ」を指摘される若い世代の関心の高さも印象的でした。 なぜそうだったのか。そこで2012年にスタート ヒット史から見た安倍時代~国力低下も不思議な安定感
沖縄とあえてのガラパゴス戦略 7月15日 1週間、お休みをいただきました。親族の結婚式などを目的に沖縄へ行ってきたのですが、当たり前の事実に気づきました。「観光ビジネスの成功は地域コンテンツのガラパゴス性にかかっている」と。 ガラパゴスとは言うまでもなく、大陸から隔絶された閉じられた環境の中で、生物が独自の進化を遂げたガラパゴス諸島のことです。それが転じてビジネス的には互換性を失い、取り残された経済状況を意味します。「ガラケー」の語源で 沖縄とあえてのガラパゴス戦略
あだ名NG社会とネーミングの妙 7月1日 タレントの藤田ニコルさんがテレビ東京系の旅番組に出ていたときの話です。学校の成績が悪く、ほとんどの評価で1だったそうです。そこでニコルさんが「あだ名がポッキーだった」と打ち明けます。理由はポッキーが1の形状だから。明るく話すので「うまいネーミング」と思わず笑ってしまいました。 私も小学校時代は2が多く、母親が近所で「うちの次男はアヒルの大行進」と自虐的に話しているのを聞いて、子供ながら「なるほど あだ名NG社会とネーミングの妙
「那須川天心vs武尊」に見るドラマと戦略 6月24日 熱狂的な格闘技ファンではありませんが、キックボクシングの両雄、那須川天心と武尊(たける)の頂上対決をメインイベントとした「THE MATCH 2022」(6月18日、東京ドーム)をリアルで観戦しました。運良く抽選で当たり、1ファンとして楽しむつもりでした。しかし対決までの道のりを振り返ると、ドラマ性が強く、書き残したくなった次第です。 会場へ行くと客の迫力がすごい。腕っ節の強そうな人、怖そうな人 「那須川天心vs武尊」に見るドラマと戦略
ユニクロでもおなじみ「斎藤佑樹」のニーズとは 6月17日 今回はなぜか元北海道日本ハムファイターズ投手の斎藤佑樹氏の話です。プロとしては花開かなかった人物ですが、引退後、たくさんの仕事が舞い込みます。知名度が高いからと言えばそれまでですが、やはり何かを「持っていそう」です。 筆者が北海道から東京に転勤した翌年の2006年の夏の甲子園決勝。実に悔しい思いをしました。歴史に残る早稲田実業vs駒大苫小牧の一戦です。駒大苫小牧は、初優勝した04年に監督を取材す ユニクロでもおなじみ「斎藤佑樹」のニーズとは
中森明菜デビュー40年と松田聖子~80年代のメガヒット㊦ 6月10日 ㊤を発信したところ、複数の反応がありました。その1つが会社の先輩からのもので、今回の㊦のテーマに関わる内容でした。感想と青春時代の思い出をつづった後、「ところで、書いていて、『聖子ちゃん』と『明菜』を使い分けている自分に驚きました」と締めているのです。 まさにこの点です。相反する戦略を備えた異質な2人が、1980年代アイドルのカリスマとして競演したことが数多くの化学反応を起こし、メガヒット時代を 中森明菜デビュー40年と松田聖子~80年代のメガヒット㊦
中森明菜デビュー40年と松田聖子~80年代メガヒット㊤ 6月3日 先日、NHK-BSプレミアムで中森明菜(敬称略)のデビュー40年を記念し、1989年のコンサートを放映していました。「ミ・アモーレ」「禁区」「飾りじゃないのよ涙は」など名曲を華麗に歌い上げていました。いやー、しびれましたね。10代の頃を思い出し、感動したおじさんたちも多かったことでしょう。 それにしても1980年代はアイドル時代と言われるように、ミリオンセラーは数えきれず、明菜も松田聖子(同)も 中森明菜デビュー40年と松田聖子~80年代メガヒット㊤
東京スカイツリー〜テスラと息子と、時々ユーミン〜 5月27日 ぎりぎりでZ世代に属する25歳の長男は、私と正反対で全く車に興味がありません。それなのにあるとき、「テスラのデザインはいいね」と言いました。理由を聞くと「控えめなところ」という答えでした。確かにベンツ、BMW、ポルシェ、フェラーリなどイタリアやドイツのメーカーに比べると、派手さはなく、おとなしい印象です。 先日、大の車好きな、有名チェーン企業の創業者の自宅に伺いました。地下にはランボルギーニやロ 東京スカイツリー〜テスラと息子と、時々ユーミン〜
教頭先生で「笑い」をとる洞察力 5月20日 マーケティングとは、人が気づいていない、あるいは理解していても言語化していない問題や現象に着目する営みです。それは分野を超えて、鋭い観察によって鍛えられます。先日、フジテレビ系のバラエティー番組で、お笑い女性コンビ「Aマッソ」の洞察力と話の展開力に驚きました。 教頭のあいさつの台本作成 群馬県内の女子高校で「教頭先生と校長先生のあいさつで、生徒からどれだけ笑いをとれるか」をAマッソと、ハライチの 教頭先生で「笑い」をとる洞察力