〈お知らせ〉新しい連載小説 伊集院静氏
「琥珀の夢――小説、鳥井信治郎と末裔」
2016年6月21日

伊集院静氏 福山小夜氏 琥珀の夢――小説、鳥井信治郎と末裔

 本紙朝刊連載小説、宮部みゆき氏の「迷いの旅籠(はたご)」は6月30日で終わり、7月1日から伊集院静氏の「琥珀(こはく)の夢――小説、鳥井信治郎と末裔(まつえい)」を掲載します。

 主人公はサントリー創業者の鳥井信治郎。たくましい商魂で「日本に洋酒文化を」との夢にまい進した信治郎と、志を受け継いだ末裔の姿を通じて、近代化以降の日本人の生き方を浮き彫りにします。伊集院氏にとって初めての「企業小説」です。

 伊集院氏は1950年山口県生まれ。81年作家デビュー。代表作に「受け月」(直木賞)、「機関車先生」(柴田錬三郎賞)、「ごろごろ」(吉川英治文学賞)、「ノボさん」(司馬遼太郎賞)などがあります。「大人の流儀」シリーズなど、エッセーの名手としても知られています。題字も伊集院氏です。

 挿絵は高倉健氏の肖像など力強い人物画を持ち味とする画家の福山小夜氏が担当します。電子版でもお読みいただけます。


〈作者の言葉〉

数年前、明治人(夏目漱石、正岡子規)の物語を小説仕立てで書いた。幸い読者に支持を受けた。次は文学者ではなく、誰か市井の人が懸命に生きる姿を描きたいと思っていた。縁あって、鳥井信治郎という、のちに日本を代表する企業の礎を築いた人物を知ることになり、この類い稀な発想と創造力を持つ一人の商人の生涯を描くことに挑んだ。今でこそサントリーは世界でも有数な企業に成長しているが、創業者、鳥井信治郎の歩んだ道は決して平坦ではなかった。明治人のチャレンジ精神と、彼のハイカラなセンスを今の日本人にぜひ読んで貰いたい。