〈お知らせ〉本紙夕刊小説、1月4日から新連載
川上弘美氏の「森へ行きましょう」
2015年12月21日

川上弘美氏 皆川明氏 森へ行きましょう

 本紙夕刊小説、貴志祐介氏の「擁壁の町」は12月28日で完結、1月4日から川上弘美氏の「森へ行きましょう」を連載します。

 川上氏は1958年生まれ。96年に「蛇を踏む」で芥川賞を受賞。以降、伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、読売文学賞などを受賞し、現在は芥川賞などの選考委員を務めています。現代女性の心理を掘り下げた恋愛小説や、幻想的なドラマ、子供を主人公にした物語など幅広く執筆し、「センセイの鞄」や「ニシノユキヒコの恋と冒険」はドラマ化や映画化されました。

 「森へ行きましょう」は、同い年の2人のヒロインの物語です。1人は独身、1人は既婚で、共に40代後半。2人が仕事や家庭、恋にどう向き合うのか。さらには、近づいたり、離れたりしながら、絡まり合う2人の運命が描かれます。

 挿絵と題字は、ファッションブランド「ミナ ペルホネン」を率いるデザイナーの皆川明氏が担当します。


〈作者の言葉〉

「もう森へなんか行かない」というフランソワーズ・アルディの曲があります。過ぎ去ってしまった青春を悼む歌です。恋を、青春の息吹を象徴する「森」という言葉が、なんて切ないのだろうとずっと思ってきましたが、ある日浜田真理子さんの「森へ行きましょう」という曲を聴いて、新たな衝撃を受けました。おそらく中年の男女のことを描いたのだろうその歌詞は、遠く去ったはずの「森」へ、成熟した今こそ共に「二人きりで行きましょう」と唄っているのです。この二人のことを小説に書きたいと、痛切に思いました。それがどんな「二人」なのか、「森」とは何なのか。書き始めた今、祈るような気持ちで考え続けています。