日経からのお知らせ

〈お知らせ〉本紙朝刊小説、6月1日から「迷いの旅籠」 2015年05月25日

宮部みゆき氏 北村さゆり氏 迷いの旅籠(はたご)

 本紙朝刊連載小説、久間十義氏の「禁断のスカルペル」は5月31日で終わり、6月1日から宮部みゆき氏の「迷いの旅籠(はたご)」を掲載します。

 「迷いの旅籠」の舞台は江戸時代、神田にある袋物屋の三島屋。主人公のおちかは一度に一人の語り手を客間に招き入れ、不思議な話や恐ろしい話を聞き出します。奇妙な現象を招く人間心理にも迫っており、現代性を持った怪異譚(たん)です。

 宮部氏は1960年東京生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞を受賞して作家デビュー。「火車」(山本周五郎賞)、「蒲生邸事件」(日本SF大賞)、「模倣犯」(芸術選奨文部科学大臣賞ほか)など数々の話題作を世に送り出してきました。直木賞選考委員も務めています。

 挿絵は精緻な画風で知られる日本画家の北村さゆり氏が担当します。題字は北村宗介氏です。


〈作者の言葉〉

 一夜、ひとところに集って怪談を語り合う「百物語」という趣向は、江戸時代の粋人たちの楽しみであると同時に、情報交換や、教養を身につけるためのセミナーのような場でもあったそうです。この三島屋という袋物屋を舞台にした「変わり百物語」では、語り手と聞き手を一人ずつに限定していますが、主人公が、広い世間には様々な怪異があることを知り、その出来事を自分の身に照らし合わせて考えたり、怪異に出逢(であ)ってしまった語り手たちの心情を思いやったりすることを重ねながら、少しずつ成長してゆく姿を描いていきたいと思っています。一年間、どうぞご愛読をお願いいたします。

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