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〈お知らせ〉 本紙朝刊小説、14日から新連載 浅田次郎氏の「黒書院の六兵衛」


浅田次郎氏
浅田次郎氏
宇野信哉氏
宇野信哉氏

 本紙朝刊連載小説、安部龍太郎氏の「等伯」は5月13日で終わり、5月14日から浅田次郎氏の「黒書院(くろしょいん)の六兵衛」を掲載します。

 浅田氏は1951年東京生まれ。97年「鉄道員(ぽっぽや)」で直木賞。人情味あふれる作品やユーモアを効かせた「プリズンホテル」などで読者の心をつかみ、時代小説「壬生義士伝」や清朝末期の中国を描いた歴史小説など、幅広い作風でも知られています。リアリズムを重視し、面白く分かりやすいその作品は高く評価されています。

 物語は明治元年、無血開城後の江戸城を舞台に始まります。最も重要な一室である黒書院にじっと座ったままの謎めいた侍の姿を通して、武士や組織、革命とは何かをブラックユーモアを交えて解き明かします。

 挿絵と題字はイラストレーターの宇野信哉氏が担当します。緻密で写実的な画風が持ち味で、時代小説を中心に近年注目の若手です。電子版でもお読みいただけます。


〈作者の言葉〉
 5年前に約束をした連載開始の期日が迫ってきた。げに怖(おそ)ろしきは時の流れである。
 むろんその間、約束を失念していたわけではなく、折に触れては新聞連載にふさわしい小説を考えていた。
 本紙読者はご同輩が多いであろうから、読むだけで日々回春するような、ぶっちぎりの恋愛小説を企(たくら)んでいたのである。
 しかし、5年の構想期間は長過ぎた。恋愛感情を急激に忘れてしまった。
 歴史化してしまった恋愛を書くぐらいなら、やはり時代小説を求めるべきであろう。
 時は来た。色気抜きでも、日々回春の一巻となれば幸いである。


2012年5月8日


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