安部龍太郎「ふりさけ見れば」
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トピック一覧

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(63)[有料会員限定]

9/25

「今日来てくれたのは、それを確かめるためなの」
「蘇州にいる真備から書状が来て、弁正のことが書いてあった。それで心配になって」…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(62)[有料会員限定]

9/24

「こんな風に下地が透けるとは不思議だ。よほど工夫したようだね」
「西州の木綿のおかげだよ」
「どういうこと」…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(61)[有料会員限定]

9/23

真備の書状が届いた日の午後、仲麻呂は大業坊の井真成(いのまなり)の寮を訪ねた。
蘇州から帰って何度か会っていたが、北里(ほくり)にいたことや弁正のことを確かめられないままである。…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(60)[有料会員限定]

9/22

真備が悪態をつくのは、機嫌がいい証拠である。それに硫黄を買い上げようとした銭帷正(せんいせい)を出し抜いて、大いに得意でもあるようだった。
「問題はこの硫黄をどうやって幽州の張守珪(ちょうしゅけい)どののもとに運ぶかだが、…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(59)[有料会員限定]

9/21

開元二十二年(七三四)の年が明けた。
玄宗皇帝は正月三日に大朝会を行ない、百官や諸国からの使者の参賀を受けたが、四夷の中で臨席を許されたのは北方と西域の使者だけだった。…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(58)[有料会員限定]

9/20

唇を合わせると、若晴(じゃくせい)は激しく舌をからめてきた。用いた香草は口の匂いを消すだけではなく、性欲を高める効果もあるようだった。
仲麻呂はその思いに応えようと、唇から首筋、わきの下から乳房へと、…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(57)[有料会員限定]

9/19

仲麻呂は若晴(じゃくせい)を抱き寄せて唇を合わせた。
いつの間に噛んだのか、薬草のさわやかな香りがする。乗馬をたしなむ肉付きのいい体が、いつの間にか冷えきっていた。…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(56)[有料会員限定]

9/18

「教え通りの立派な方だった。それなのにあんな事件に巻き込まれて」
「市中医のままでいれば良かったんです。伯父さんに勧められて宮中に入り、皇帝陛下の侍医になどなるから」…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(55)[有料会員限定]

9/17

「今日帰宅する時、裸足の少女から銭を恵んでくれと頼まれた。ところが私は、応じてやることができなかった。張宰相に突き放された気がして、心が棘(とげ)立っていたからだ」…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(54)[有料会員限定]

9/16

海上に浮かぶ月。遠く離れてきた人と、その月を共に見ている実感。それは遣唐使船に乗っていた時、深夜に大海原を漂っていた時に感じたものと同じだった。…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(53)[有料会員限定]

9/15

「ぼくも帰国すべきだと思います。しかし父さんは、お一人で淋しくないのですか」
翔(かける)は父親に似て頰のふっくらとした顔立ちをしている。人を傷つけまいと、常に気を配っている少年だった。…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(52)[有料会員限定]

9/14

「何だか甘いですね」
兄の翼(つばさ)が遠慮なく顔をしかめた。
「米を醸したものだから、回復期の患者には効果があるかもしれませんね」…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(51)[有料会員限定]

9/12

人間の心は力学の作用と反作用に似ている。手で壁を押せば、壁から同じ力の反作用で押し返されるように、善をなせばその分善の喜びが心に返ってくる。…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(50)[有料会員限定]

9/11

仲麻呂は金明門を出て自宅へ向かった。
冬至を明日に控え、朱雀街東第五街は美しく掃き清められている。路上で小屋掛けしたり物乞いをする者は追い払われたはずだが、…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(49)[有料会員限定]

9/10

「ところで帰国のことだが、蘇州まで行って心が定まったかね」
九齢(きゅうれい)が気の毒そうに仲麻呂を見やった。
君の苦衷(くちゅう)は分かっている。こんなことをたずねてすまない、とでも言い…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(48)[有料会員限定]

9/9

「蘇州刺史(しし)の銭帷正(せんいせい)が、硫黄の買い付けをめぐって日本の使者と問題を起こしていたそうだね」
「硫黄を売るように強制しておられたようですが、日本では…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(47)[有料会員限定]

9/8

「六百名弱が四隻の船を連ねて蘇州の港に入った。許可があるまで港で待機している」
「頭(こうべ)を挙げて山月を望み、頭を低(た)れて故郷を思う、…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(46)[有料会員限定]

9/7

阿倍仲麻呂と羽栗吉麻呂(はぐりのよしまろ)が長安にもどったのは、十一月七日のことだった。
翌日は冬至で、玄宗皇帝が天壇(てんだん)で先祖を崇拝する…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(45)[有料会員限定]

9/6

捕虜が無事に帰国したことは、噂となって日本中に伝わり、大きな感動を呼んだ。
だが阿倍船人(あべのふなびと)は粟田真人(あわたのまひと)の命令に…続き

安部龍太郎「ふりさけ見れば」(44)[有料会員限定]

9/5

「二人とも元気だ。兄は今年還暦になったのを機に職を辞した。帯麻呂(おびまろ)に家をゆずって隠居すると言っている」
帯麻呂は仲麻呂の弟で、…続き

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