荻原浩「ワンダーランド急行」
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トピック一覧
タケウマ 画

荻原浩「ワンダーランド急行」(11)[有料会員限定]

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改札を抜けた先に、どでんと山が迫っていた。
ふたこぶの山だ。詩的に表現すればつがいの鯨の背中のような、ストレートに言えば人間の尻のような形をしている。…続き

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荻原浩「ワンダーランド急行」(10)[有料会員限定]

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私が嘘をつく時の癖は、首だった。喋(しゃべ)りながら首を横に振ってしまうのだそうだ。
つまり、いくら頭で嘘をつこうと考えても、「根は正直者だから、…続き

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荻原浩「ワンダーランド急行」(9)[有料会員限定]

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問題は、この秘密兵器『親類に不幸』を何か月か前、酷い二日酔いの時に使ってしまっていることだ。しかも幸い誰にも気づかれなかったが「母方の唯一の叔父なのでどうしても死に目に……」と説明した叔父に…続き

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荻原浩「ワンダーランド急行」(8)[有料会員限定]

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電車が少しずつ速度を緩め、フラッシュバックを多用した映画のスクリーンのようだった車窓の風景が、額縁の中の一枚絵になった。
終点だ。…続き

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荻原浩「ワンダーランド急行」(7)[有料会員限定]

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灰色だった窓の外に緑がめだってきた。高くなった陽が地平を淡く光らせている。風景をこんなにのんびり眺めるのは、いつ以来だろう。陽差しが眩(まぶ)しい。頬(ほほ)が温かい。私はゆっくり目を閉じる。まぶたの裏が赤くなった。…続き

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荻原浩「ワンダーランド急行」(6)[有料会員限定]

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突っ立ったままだった私はようやくシートに腰を落とす。とはいえ浅く腰かけただけで尻はまだ半分浮いていた。ことさらゆったりとシートに背を預け、大きく伸びをした。したくもないあくびもしてみる。…続き

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荻原浩「ワンダーランド急行」(5)[有料会員限定]

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ふいに誰かが囁(ささや)きかけてきた。
"サボろ""やめにしないか、会社行くの"
私によく似た声だった。…続き

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荻原浩「ワンダーランド急行」(4)[有料会員限定]

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時間を巻き戻せないかと本気で考えた。せめて時間を止められないか。ムリか。次の駅で降りて上りに乗り換えたら会議に間に合うだろうか。いや、だめだ。あそこは通勤快速が停まらない。普通列車でこの駅に…続き

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荻原浩「ワンダーランド急行」(3)[有料会員限定]

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下り電車はホームにとどまり続けていた。
"時間調整ノタメシバラク停車シマス"
ドアは開いたままだ。こちらを誘っているように。…続き

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荻原浩「ワンダーランド急行」(2)[有料会員限定]

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朝の駅のホームでは初夏の陽差しだけが勤勉だった。ぶしつけな光が目にしみる。昨日は遅くまでパソコンを叩(たた)いていたから睡眠時間は四時間、いや、せいぜい三時間半だろう。…続き

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荻原浩「ワンダーランド急行」(1)[有料会員限定]

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あまりにありふれた風景だったから、最初はまったく気づかなかった。
火曜の街だ。私の前にあるのは、いつもの街並みだったが、何かがおかしかった。どこがどうとは言えないのに答えのない間違い探しを…続き

連載小説、荻原浩「ワンダーランド急行」1月4日スタート

2020/12/16

連載小説、朝井まかて氏の「秘密の花壇」は12月28日で完結、1月4日から荻原浩氏の「ワンダーランド急行」を連載します。
荻原氏…続き

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