図解・北朝鮮ミサイル

新型ICBM、米国も射程か

北朝鮮は短距離ミサイルのスカッドから米国本土を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)まで、様々なタイプのミサイル開発に力を注いでいる。発射台付き大型車両、鉄道発射型、潜水艦からの発射と奇襲攻撃の能力向上も図る。北朝鮮の持つミサイル戦力をグラフィックで解説する。

TOPIC 1

北朝鮮、ICBM開発を加速

ICBMはIntercontinental Ballistic Missileの略で、大陸を横断し5500キロメートル以上の射程を持つミサイルのことをいう。核弾頭を搭載すれば遠く離れた国への核攻撃も可能になる。米国やロシア、中国などが保有している。北朝鮮も開発を続けており、2017年には3度発射した。22年3月にも新型とみられるICBM級を発射した。大型化されたミサイルには、それぞれが違う目標に攻撃ができる複数の弾頭を備えているとの見方もある。大気圏に再突入する際に生じる高熱から弾頭を守る「再突入技術」を完成させたのかは不透明だ。

2022年4月25日、平壌の金日成広場で行われた軍事パレードに登場した新型ICBM「火星17」。26日付の北朝鮮の労働新聞が掲載した=コリアメディア提供・共同
TOPIC 2

防衛網の突破狙う極超音速型

極超音速ミサイルは、エンジンがある極超音速巡航ミサイル(HCM)と、打ち上げられた後に滑空するだけの極超音速滑空体(HGV)がある。北朝鮮はHGVの開発を続け、21年9月と22年1月に打ち上げたと主張している。HGVは大気圏上層部を変則的な軌道を描きながらマッハ5以上で滑空し、日米が持つミサイル防衛網の突破を狙う。将来的にはICBMへの搭載をめざしているものとみられている。

軍事パレードに登場した極超音速ミサイルとする「火星8」(2022年4月25日、平壌の金日成広場)=朝鮮中央通信・共同
TOPIC 3

スカッド・ノドン、日本を射程

ICBMや極超音速ミサイルの開発に力を注ぐ一方で、ノドンやスカッドなど中短射程のミサイルなど数百基を保有するとみられている。ノドンやスカッドは日本を射程に収めており十分に脅威となる。ロシアが開発した「イスカンデル」に類似した短距離弾道ミサイルも開発しているとみられる。固定式のミサイル発射台は外部からの攻撃に脆弱で秘匿性にも劣るため、車両・鉄道・潜水艦といった発射方法の多様化を進めている。奇襲攻撃力を高める狙いもあるとみられる。




グラフィックス 久保庭華子