バイデン政権1年
強まる逆風

ロイター

バイデン米大統領が就任してから20日で1年になる。当初約6割あった支持率は足元で40%台前半まで低下した。与党・民主党の内部抗争による政策停滞やインフレの過熱などに有権者の不満は募る。外交面ではアフガニスタンからの米軍撤収を巡る混乱で国内外から批判を浴び、対立する中国やロシアの国際秩序への挑戦は米国の影響力低下を浮き彫りにする。

「内憂外患」に揺れるバイデン政権の軌跡を映像や写真で振り返る。




就任式、バイデン政権始動
(2021年1月20日)

就任式で宣誓するバイデン氏。隣はジル夫人(2021年1月20日、ワシントンの連邦議会議事堂)=ロイター

民主党のジョー・バイデン氏が第46代大統領に就任した。「米国民、米国を団結させることに全霊をささげる」と力説し、社会の分断修復を誓った。トランプ前大統領は慣例に反し、大統領就任式を欠席した。

米ロ、新START延長で合意
(2月3日)

2016年に行われた米軍の大陸間弾道ミサイル発射訓練=ロイター

米国とロシアが新戦略兵器削減条約(新START)の5年間延長で正式合意した。米ロ間で唯一残る核軍縮の枠組みで、失効すれば軍縮のさらなる後退は避けられなかった。バイデン氏は「核なき世界」を理想に掲げている。

トランプ氏に無罪評決
(2月13日)

バイデン氏の大統領就任式には出席せず、メラニア夫人(左)と共にアンドルーズ空軍基地を出発するトランプ氏(1月20日)=ロイター

1月6日に起きた連邦議会占拠事件を扇動したとして、下院はトランプ氏を弾劾訴追したが、上院は無罪評決を下した。「ウクライナ疑惑」に続き、2回目の無罪評決となった。

日米豪印が初の首脳協議
(3月12日)

オンライン形式で開かれた日米豪印の首脳協議(3月12日)=ロイター

日米豪印が初めての首脳協議をオンライン形式で開いた。4カ国は新型コロナウイルスのワクチンを途上国に供与する枠組みで合意。中国への対抗に向けて国際協調を重視するバイデン政権の方針を印象づけた。

米中高官協議で異例の応酬
(3月18~19日)

米アンカレジで会談するブリンケン米国務長官(右手前から2人目)と中国の楊潔篪共産党政治局員(左手前から2人目)ら(3月18日)=ロイター

新冷戦ともいわれる米中関係を象徴するようにバイデン政権下で初めての高官協議は公の場で応酬を繰り広げる異例の事態となった。台湾や香港、人権を巡り激しくすれ違い、米中対立の根深さを浮き彫りにした。

日米首脳、初の対面会談
(4月16日)

ホワイトハウスで共同記者会見に臨むバイデン大統領(右)と菅首相(当時)=4月16日、ロイター

バイデン氏はホワイトハウスに初めて招く外国首脳に日本の菅義偉首相(当時)を選んだ。共同声明には台湾海峡について「平和と安定の重要性を強調する」と明記。中国への対抗に向けて日米同盟の深化をうたった。

初外遊と米ロ首脳会談
(6月9~16日)

米ロ首脳会談で握手するバイデン大統領(右)とロシアのプーチン大統領(6月16日、スイス・ジュネーブ)=ロイター

バイデン氏は大統領として初めての外遊先の欧州でロシアのプーチン大統領と会談した。「安定的かつ予見可能な関係」を目指すとしたが、サイバー攻撃や人権問題を巡り火種を残した。

アフガニスタン戦争が終結
(8月30日)

カブールのアフガニスタン大統領府を占拠したイスラム主義組織タリバンの戦闘員ら(8月15日)=AP

2001年9月の米同時テロをきっかけに始まった米史上最長のアフガニスタン戦争が終結した。バイデン政権は戦争で打倒したイスラム主義組織タリバンの復権を許し、国内外で激しい批判を浴びた。

米英豪が安保新枠組み創設
(9月15日)

米ホワイトハウスで話すバイデン大統領。右の画面はジョンソン英首相。左はオーストラリアのモリソン首相(9月15日)=ゲッティ共同

米国と英国、オーストラリアが新しい安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の創設に合意した。第1弾として米英が豪州の原子力潜水艦の配備を支援する。潜水艦の対豪輸出契約をほごにされたフランスが猛反発し、異例の米仏対立が起きた。

不法移民の拘束者数が過去最高に
(10月22日)

メキシコ難民支援委員会による手続きを待つハイチなどからの移民(10月18日)=ロイター

米税関・国境取締局(CBP)によると、メキシコと接する米南西部国境での不法移民の拘束者数は2021年度(20年10月~21年9月)に約173万人に達した。前年度の3.8倍になり、過去最多を更新。移民への不寛容を隠さなかったトランプ氏からの政権交代で米国をめざす中南米出身者が急増した。

バージニア州知事選で民主候補敗北
(11月2日)

演説する共和党のグレン・ヤンキン氏(11月3日、米バージニア州シャンティリー)=ロイター

22年11月の連邦議会中間選挙の前哨戦となった南部バージニア州知事選で共和党候補が民主党候補に勝利した。同州は最近の選挙で民主党が勝ち続けてきた「ブルーステート」だったが、バイデン氏やハリス副大統領らが現地入りする総力戦の末に敗北した。

インフラ投資法が成立
(11月15日)

インフラ投資法署名式でカマラ・ハリス副大統領(右)と握手するバイデン大統領(11月15日、ホワイトハウス)=ロイター

バイデン氏は1兆ドル(約110兆円)規模の超党派インフラ投資法に署名し、同法は成立した。道路や橋など老朽化したインフラを刷新し、高速通信網も整備する。「21世紀の競争に勝利し始める瞬間だ」と誇った。一方、もう一つの看板政策である子育て支援や気候変動対策を盛った1.75兆ドルの歳出・歳入法案の成立メドは立たない。

米中首脳がオンライン協議
(11月15日)

中国の習近平国家主席(右のモニター内)とオンライン形式で協議するバイデン大統領(11月15日)=ロイター

バイデン氏と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席はオンライン形式で3時間余りにわたり協議。両国が軍事衝突を望まず対話を継続すべきだとの認識で一致したが、台湾や人権など個別のテーマでは原則論で応酬を続けた。

民主主義サミットを主催
(12月9~10日)

オンライン形式の「民主主義サミット」に参加するバイデン大統領(12月9日、ホワイトハウス)=UPI共同

バイデン氏が100カ国・地域を超える指導者らを招いた「民主主義サミット」をオンライン形式で初めて開いた。中国やロシアに対峙するため「我々を団結させる価値観のために立ち上がらなければならない」と呼びかけた。中ロは「冷戦思考の産物だ。新たな分断線を築くことになる」などと激しく反発した。

消費者物価指数が39年ぶり高水準
(12月10日)

米労働省によると、21年11月の消費者物価指数(CPI、1982~84年=100)は前年同月比の上昇率が6.8%と、39年ぶりの高水準になった。半導体から食品まで幅広い分野で供給不足が続く。物価高が米連邦準備理事会(FRB)に緩和縮小や利上げ時期の前倒しをせかす格好になった。

コロナ感染者、1日100万人突破
(22年1月3日)

米ニューヨークで新型コロナウイルスの検査をする男性(2022年1月12日)=ロイター

米ジョンズ・ホプキンス大によると、米国の1日あたり新規感染者数は1月3日に108万人を記録し、初めて100万人を突破した。オミクロン型の拡大に加え、年末年始で遅れていた各地の報告を集計したため一気に感染者数が増加した。これまでは21年12月30日の59万人が最多だった。

米議会占拠事件から1年
(1月6日)

米ワシントンの連邦議会議事堂で演説するバイデン大統領(1月6日)=ロイター

バイデン氏は連邦議会議事堂の占拠事件から1年となる6日に演説し「この神聖な場所で民主主義が攻撃された」と述べた。20年の大統領選で「不正があった」と主張するトランプ氏について「ウソを広めた。彼が米国より自分の利益を重視しているからだ」などと繰り返し非難した。

(坂口幸裕、中村亮、淡嶋健人、野岡香里那、小口隼)