食品卸(農産)

食品卸(農産)の業界分類
食品卸(農産)の業界定義
とうもろこし、大豆、小麦等の農産物の中間流通を主要業務として行う。

食品卸(農産)の業界概要

20年度の食料自給率37%、過去最低に
日本はトウモロコシ、大豆、小麦などの基礎的な穀物のほとんどを輸入に頼る。国内産は生産コストが高く、価格競争力がないため1割前後にとどまる。海外に比べ小規模農家が多く、気候など生育環境が適さないこと、人件費の高さなどが背景にある。海外からの買い付けは大手商社が中心だが、全国農業協同組合連合会(全農)も手掛けている。トウモロコシは米国からの輸入が全体の8割超と圧倒的。主に配合飼料メーカーに販売され畜産農家が最終需要家となる。そのほか、でんぷん分は「コーンスターチ」メーカーなどにも販売されている。
大豆は米国や南米諸国が主産地で、油脂メーカーが大口需要家。大豆の油脂分が抜けた素材は大豆ミール(大豆かす)として、配合飼料メーカーに販売する。一部の大豆は卸業者を経て納豆・豆腐メーカー、各地の豆腐店などにも納入される。(2022/09/05調査)
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食品卸(農産)の市場動向

21年農林水産物・食品輸出、1兆2400億円規模
農林水産省は22年2月、2021年の農林水産物・食品の輸出額が前年から25.6%増えて過去最高の1兆2385億円になったと発表した。新型コロナ禍で落ち込んだ米国や中国の景気が持ち直して外食需要が増えた。円安による日本産食品の割安感や、国際的なインターネット取引の拡大も追い風になった。20年4月に農産物輸出促進法が施行されるなど環境整備も進んでおり、政府は農林水産省に新設した「農林水産物・食品輸出本部」を中心に、てこ入れを図っている。
全国農業協同組合連合会(JA全農)と農林中央金庫は16年秋、国産農産物輸出を増やすため、英国の食品卸SFGホールディングスの全株式を取得し、完全子会社化した。SFG傘下の貿易・流通会社スコッチ・フロスト・オブ・グラスゴーはロンドンの高級レストランなど2500社以上の顧客を持ち、エスニック食材の取扱量では英国内でトップクラス。買収額は約10億円で、9割を全農が、1割を農中が出資。17年、JA全農は回転ずしチェーン最大手「あきんどスシロー」を傘下に持つスシローグローバルホールディングスへ40億円出資した。全農が外食大手に出資するのは初めて。JA全農は18年3月、業務用野菜卸大手のデリカフーズホールディングスと提携。外食チェーンなどが使う業務用野菜の国内産地を広げるほか、物流施設を共同で利用する。続いて同年4月には、コメ卸大手、木徳神糧の発行済み株式3.51%を2億1630万円で取得した。 (2022/09/05調査)

食品卸(農産)の競合状況

コメ巡るビジネス、多様な取り組み広がる
農水省によると、現在国内でコメ卸売業を手掛けるのは263業者。神明ホールディングス(神戸市、22年3月期連結売上高3170億8200万円)、木徳神糧(21年12月期連結売上高1078億1200万円)、ヤマタネ(22年3月期467億6500万円、うちコメ卸業の「食品部門」売上比率は41.8%)などが大手。木徳神糧は16年7月末、岩手県のコメ卸、純情米いわて(盛岡市)に出資。同社の精米工場を東北での事業拠点に位置付ける。
コメ消費減少のなか、外食や中食、食材宅配など関連業界への展開を進めるのは神明HD。17年7月、米投資ファンドのベインキャピタルから、キノコ大手の雪国まいたけ(新潟県魚沼市)の株式49%を取得した。17年12月、子会社を通じ埼玉中央青果(上尾市)と資本・業務提携したほか、18年12月、成田市場青果(千葉県成田市)の発行済み株式の70%を取得した。20年3月末、神明HDはもやし生産大手の名水美人ファクトリー(大分県竹田市)を買収、子会社化した。外食事業や青果事業との相乗効果を狙う。ユニークな取り組みとして、20年7月、米菓や酒造用のコメ(特定米穀)のうち、粒の大きいものを再選別して主食用米として販売する事業に着手した。神明HD子会社、神明と高橋商事(北海道旭川市)が設立した、東日本農産(栃木県栃木市)には、21年初にコメ卸大手の木徳神糧も出資した。コメ卸上位2社の共同出資事業は初めて。栃木市内に新工場を建設中だ。外食や弁当など中食市場の拡大による業務用米の需要増に対応する狙いだ。(2022/09/05調査)
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