総合重機の業界概要
インフラ輸出、ESG重視に転換 中国勢との競合がカギ
総合重機は航空機やロケット、船舶、鉄道、発電プラント、橋梁、産業機械などの大型構造物を開発・生産し、世界展開する。国内では三菱重工業、IHI、川崎重工業、住友重機械工業などが大手。造船はIHIなどが出資するジャパンマリンユナイテッドが上位を占める。近年は韓国や中国などの企業が勢力を拡大しており、競争は厳しさを増している。一方で戦闘機や艦艇などの防衛装備品は技術水準や実績などから随意契約とされやすく、三菱重工業や川崎重工業などが今後も高いシェアを維持するとみられる。ただ、防衛省の発注減で防衛装備品の生産から撤退する企業が相次ぎ、米国への依存が年々高まっている。中国や北朝鮮の脅威が増す中、技術水準の維持に向け選択と集中が重要になっている。
社会インフラビジネスは世界経済のけん引役ともいわれる。アジア開発銀行(ADB)の報告書によると、2016~30年にアジアのインフラ需要は6兆ドル(約3000兆円)に上る。政府は20年12月、新たなインフラ輸出の戦略を決めた。世界的な脱炭素の流れを踏まえたグリーン関連の技術輸出に比重を置き、25年までに受注額を34兆円と現状から4割近く伸ばす。道路や橋梁、鉄道といったこれまでの「重厚長大」路線を軌道修正し、3000兆円規模とされるESG(環境・社会・企業統治)分野の投資マネーを呼び込む考えだ。(2022/05/12調査)
社会インフラビジネスは世界経済のけん引役ともいわれる。アジア開発銀行(ADB)の報告書によると、2016~30年にアジアのインフラ需要は6兆ドル(約3000兆円)に上る。政府は20年12月、新たなインフラ輸出の戦略を決めた。世界的な脱炭素の流れを踏まえたグリーン関連の技術輸出に比重を置き、25年までに受注額を34兆円と現状から4割近く伸ばす。道路や橋梁、鉄道といったこれまでの「重厚長大」路線を軌道修正し、3000兆円規模とされるESG(環境・社会・企業統治)分野の投資マネーを呼び込む考えだ。(2022/05/12調査)
総合重機の市場動向
航空機事業底入れもウクライナ情勢が影
発電機器では米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスが圧倒的なシェアを握っていたが、再生可能エネルギーの台頭や世界的な火力発電に対する規制の強まりを受け、両社とも撤退した。三菱重工業は日立製作所と設立した三菱日立パワーシステムズの日立の持ち分を20年9月に譲り受けて子会社化し、21年10月1日付で吸収した。
航空機は米ボーイングの「787」の部品の約35%を担当するなど日本勢が強い。三菱重は主翼部品や胴体の生産を担う。川崎重工業も大型航空機向け部品などを手がけ、IHIは航空機エンジンの世界大手。新型コロナの影響で世界の航空需要が冷え込み、ボーイングや欧州エアバスなどからの発注が20年以降、落ち込んだ。ボーイングは22年1~3月期に12億4200万ドル(約1600億円)の赤字となるなど、収益回復が遅れているが、欧米の国内線旅客需要の持ち直しで国内の航空機エンジン製造各社は受注が上向きつつある。(2022/05/12調査)
航空機は米ボーイングの「787」の部品の約35%を担当するなど日本勢が強い。三菱重は主翼部品や胴体の生産を担う。川崎重工業も大型航空機向け部品などを手がけ、IHIは航空機エンジンの世界大手。新型コロナの影響で世界の航空需要が冷え込み、ボーイングや欧州エアバスなどからの発注が20年以降、落ち込んだ。ボーイングは22年1~3月期に12億4200万ドル(約1600億円)の赤字となるなど、収益回復が遅れているが、欧米の国内線旅客需要の持ち直しで国内の航空機エンジン製造各社は受注が上向きつつある。(2022/05/12調査)
総合重機の競合状況
三菱重工、脱炭素に2兆円投資 次世代原発も
総合重機が手掛ける事業は規模が大きく、投資回収が長期にわたるものが多いため、為替や金利動向に収益が大きく左右される。中韓勢との競争激化、火力規制の強まりに新型コロナ禍やウクライナ危機が重なり、収益環境は厳しさを増している。
三菱重工業は祖業の造船部門を分社化する一方、発電機が主体のパワー事業は火力発電が先細りになると見て構造改革を推進。21年10月1日付で三菱パワーを本体に吸収した。国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」は当面需要が見込めないとみて事業を凍結した。(2022/05/12調査)
三菱重工業は祖業の造船部門を分社化する一方、発電機が主体のパワー事業は火力発電が先細りになると見て構造改革を推進。21年10月1日付で三菱パワーを本体に吸収した。国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」は当面需要が見込めないとみて事業を凍結した。(2022/05/12調査)
総合重機の関連企業
住友重機械工業株式会社
減・変速機、プラスチック加工機械、医療機器、極低温冷凍機、位置決め装置、火力発電設備・大気汚染防止設備、鍛造プレス等の製造・販売等
株式会社三井E&Sホールディングス
輸送用機器等の製造・販売を行う事業会社の親会社
日立造船株式会社
環境装置・プラント、精密機械、機械・プロセス機器、鉄構・建機、
エレクトロニクス・制御システム、防災システム等の設計、製作等
企業名 | 業界 | 概要 |
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減・変速機、プラスチック加工機械、医療機器、極低温冷凍機、位置決め装置、火力発電設備・大気汚染防止設備、鍛造プレス等の製造・販売等 | ||
輸送用機器等の製造・販売を行う事業会社の親会社 | ||
環境装置・プラント、精密機械、機械・プロセス機器、鉄構・建機、 エレクトロニクス・制御システム、防災システム等の設計、製作等 |
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