スタイル徹底の強み(岩渕健輔) ラグビーW杯 闘球分析 11月3日 イングランドとの決勝を制した南アフリカは、自分たちの強みを徹底的に押し出した。スピードのあるバックスの選手にあまりボールを回さず、FWとキックで勝負する。スクラムで何度も反則を奪ったことは一つの象徴だった。 ディフェンスも非常に堅かった。ラックができた後の防御ラインの再整備が早く、かなり多くのタックルをしながらも正確性は落ちなかった。FWを前で止め続けたことがボディーブローのように効き、イングラ スタイル徹底の強み(岩渕健輔)
優勢のイングランド キックか、動かすか(廣瀬俊朗) ラグビーW杯 闘球分析 10月31日 決勝はイングランドが有利と考える。ニュージーランド(NZ)との準決勝で証明したように、強力なFWと能力の高いバックスを併せ持ち、戦術の幅も広い。総合力が高いチームだ。 フィジカル面は南アフリカがやや上だが、イングランドもNZに接点で勝てるだけのパワーを持つ。M・ブニポラとシンクラーの両プロップはボールを持って前に出られるうえ、短いパスも使えるので守る側にとっては厄介だ。FWの持久力でも優位に立つ 優勢のイングランド キックか、動かすか(廣瀬俊朗)
もう武器はいらない ラグビーW杯 記者コラム 10月26日 ラグビー日本代表が、W杯の試合後に必ず行っていた儀式がある。リーチ・マイケル主将が相手のロッカールームを訪問。主将や奮闘した選手に模造刀を贈り、互いの健闘をたたえ合う。 布製のペナントの贈呈はよくあるが、刀となるとラグビー史上初かも。考案した代表スタッフが話す。「自国開催なのだから、刀という日本の文化も知ってもらいたかった」。独自の贈り物は喜ばれ、リーチと刀を受け取った選手の写真をSNS(交流サ もう武器はいらない
ラグビー効果横浜に ビール好調、ホテルも外国客増 ラグビーW杯 記者コラム サービス・食品 小売り・外食 10月24日 ラグビーワールドカップ(W杯)による経済効果が横浜市で広がっている。大会スポンサー「ハイネケン」を生産するキリンビール横浜工場は想定以上の増産となっており、飲食店では通常の10倍ビールが売れた店もある。試合会場に近いホテルは外国人の宿泊者が増加。大会期間が長いうえ、富裕層が多いとされる外国のラグビーファンが好況をもたらしている。 「ハイネケン」の国内製造を一手に担うキリンビール横浜工場(横浜市) ラグビー効果横浜に ビール好調、ホテルも外国客増
日本ラグビーの進化、存分に披露(廣瀬俊朗) ラグビーW杯 闘球分析 10月21日 前回大会に続いて2度も負けられないという南アフリカの気迫とパワーに日本は打ち砕かれた。何度もあおむけにされ、押し戻される。FWを前面に出したフィジカル勝負は分かっていたことだが、目の前にいたのは本気の南アフリカだった。 1トライに抑えた前半はよくしのいだように見えるが、相手のミスに救われた側面が大きい。攻め込みながら得点を取り切れず、その間にもボール争奪局面での激しさがジャブのように効いて選手は 日本ラグビーの進化、存分に披露(廣瀬俊朗)
日本、規律と我慢に勝機(岩渕健輔) ラグビーW杯 闘球分析 10月17日 初の8強入りを果たしたラグビー日本代表はコーチ陣、選手の準備が実った。1次リーグ最終戦のスコットランド戦ではボールを保持する戦術がはまった。 ジョセフ・ヘッドコーチは就任当初、キックを多用する戦術が注目されたが、今回は正反対。強豪と戦う場合、守備の時間が延びると苦しいという判断があったのだろうが、ボールをキープする戦術もここ1~2年で準備をしてきたものだ。 多彩なパターンからのトライもチームの幅 日本、規律と我慢に勝機(岩渕健輔)
貫いた攻めの姿勢、準備の勝利(廣瀬俊朗) ラグビーW杯 闘球分析 10月15日 大一番でも自分たちができることに集中し、鍛え上げた運動量をベースにいつも通りの準備をする。新たな歴史をつくったスコットランド戦の勝因を問われれば、それ以外に考えられない。アイルランドに続く連破で、「ティア1」と呼ばれる強豪グループの下位層とは互角に戦える実力を備えていることを示した。 序盤は反則もあったが、それ以上に攻める姿勢が貫かれていた。象徴的だったのがキックオフ。SO田村は安全策で敵陣深く 貫いた攻めの姿勢、準備の勝利(廣瀬俊朗)
スポーツ現場の「通訳力」 ラグビーW杯 記者コラム 10月12日 少しは英語に心得があるつもりでいたが、その自信が揺らいでいる。ラグビー・ワールドカップ(W杯)の選手、コーチたちが話す英語があまりにも多彩で、聞き取れないことが多いのだ。 予感はあった。昨年、ニュージーランド(NZ)とオーストラリアの代表が来日した際、NZのハンセン監督のNZなまりが難物だった。豪州ラグビー協会のトップは豪州生まれのNZ人で、両国の英語が交ざったようでまたわかりにくい。 本番も覚 スポーツ現場の「通訳力」
外部への扉 開く祭典 ラグビーW杯 記者コラム 10月8日 40歳以上の人がやるシニアラグビーというものがある。年代ごとにパンツの色を区別し、安全のため「上の世代へのタックルは禁止」など独自のルールが設けてある。そこで主審を務める人が言っていた。「80代の人、酸素吸入器をつけた人もいる。グラウンドで死ねるなら本望と5分、10分だけプレーするんです」 酸素ボンベにラグビーといえばチェ・ゲバラもそうだった。アルゼンチンの富裕層に生まれたキューバ革命の指導者は 外部への扉 開く祭典
厳しい判定 我慢のプレー(岩渕健輔) ラグビーW杯 闘球分析 10月6日 日本はよく我慢ができたと思う。サモアも日本に勝てば2位以内の可能性があり、気持ちが入っていて、今大会最高のプレーを見せた。日本はベストのパフォーマンスではなかったが、我慢を重ねて相手陣内に入り、田村のキックで得点を重ねられた。キックが成功しなければ、全く別の展開もありえた。 田村は、これまで自身のプレーに納得がいってなかったようにみえたが、1本目のPGでリズムをつかみ、その後はいい表情、いいメン 厳しい判定 我慢のプレー(岩渕健輔)