家庭用ロボットでもアマゾン流 半完成品でニーズ探索
米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)初の家庭用ロボット「Astro(アストロ)」の実力はいかなるものか。利用者の声も聞きながら、その正体に迫った。見えてきたのは、警備や見守りの機能を突破口に、家族の一員として浸透させようという同社の意図だ。 アマゾンがAstroを発表したのは2021年9月である。その後、招待制で米国内の限られたユーザーに販売を始めた。価格は約1500米ドル(約20万
アマゾンやプリファード系、家庭用ロボで攻勢 AIが鍵
荷物の受け取りに留守宅の見回り、芝刈り、プール掃除まで――。従来とは一線を画す家庭用ロボットが続々と登場している。 これまで家庭用ロボットといえば、「お掃除ロボット」や「ペット型ロボット」がほとんどだった。ところが、最近になって状況が変わりつつある。深層学習(ディープラーニング)や強化学習といったAI(人工知能)をはじめ、センサーやロボティクスなど各種技術の進化によって、より実用的な家庭用ロボッ
凸版印刷、量子AIに託す未来 半導体材料開発に応用
凸版印刷は、演算に量子コンピューターを使ったAI(人工知能)技術である「量子AI」の研究に力を注ぐ。量子AIは、深層学習技術など現行のAI技術と比べて、「学習データが少なくて済む」「学習に必要な時間が短い」といったメリットを得られる可能性がある。半導体材料開発などへの応用を見据え、研究を加速させる。 同社は2022年9月から量子AIの研究を東京大学素粒子物理国際研究センターと共同で進めている。量
世界で「量子ネット」実証へ、日本はメルカリなど主導
量子コンピューターの実用化に欠かせない「量子インターネット」の開発が加速している。量子情報を相互にやり取りすることで分散処理が可能になるなど、性能向上に役立つ技術だ。欧米は量子インターネットの開発に向けた大型プロジェクトを立ち上げており、日本も産学連携のコンソーシアムを中心に実証や国際連携を進めている。 日本の産学連携コンソーシアム「量子インターネットタスクフォース(QITF)」は、量子インター
阪大、レーザー核融合発電を実証へ 「海水が石油に」
火力発電や原子力発電に代わる次世代エネルギーと目される核融合発電。その中でもさまざまな用途に応用できる「レーザー核融合技術」は将来、国内のエネルギー問題を解決する重要な手掛かりになると期待される。大阪大学レーザー科学研究所教授の藤岡慎介氏らは研究を重ね、今後10年ほどでレーザー核融合による発電システムが成立することを検証していく計画だ。 大阪大学の構内にあるレーザー科学研究所には、レーザーを発生
ソニーG、2足歩行ロボに託す未来 ゲームの次を模索
仮想空間のゲームを手掛ける米Sony Interactive Entertainment(ソニー・インタラクティブエンタテインメント、SIE)が、現実空間のエンターテインメント分野に参入しようとしている。手始めとなるのが小型ロボットだ。機敏な動きを武器に、次世代のエンタメを創出する。 SIEは、ソニーグループ(ソニーG)の子会社でゲーム事業を担う。ゲームは一大産業となり、ソニーGにおいてSIEと
東北大、半導体の消費電力100分の1に MRAM研究加速
低消費電力で演算性能にも優れる新しい半導体技術の開発が進んでいる。電子が持つ磁石の性質(スピン)を利用する半導体技術「スピントロニクス」を応用すれば、消費電力を100分の1に低減でき、脱炭素につながる見込みだ。情報の処理速度や保持性にも優れ、宇宙空間におけるシステムの安定稼働にも役立つ。スピントロニクスで世界に先駆ける東北大学が、次世代半導体技術の発信地として注目されている。 スピントロニクスを
衛星に「水エンジン」、東大発Pale Blueが世界リード
民間企業による宇宙ビジネスへの参入が広がるなか、スタートアップ企業の活躍が注目されている。東京大学発のPale Blue(ペールブルー)は水を推進剤にする小型衛星用の推進機(水エンジン)を開発する。小型・長寿命で扱いやすい水エンジンは、小型衛星による通信や各種サービスへの貢献が期待されており、事業化に向けた歩みを加速している。 Pale Blueが開発する水エンジンは、宇宙空間で小型衛星の移動や
品質検査AIに有力候補 不良品の学習データほぼ不要
人工知能(AI)を使うには大量の学習データが必要――。そんな常識を覆そうとしているのは、安川電機の子会社であるエイアイキューブ(東京・中央)だ。同社のAIソリューション「Alliom(アリオム)」は、「学習データがなければ自ら作ってしまう」という驚くべきアプローチでAIの普及に挑んでいる。 一般に、人が何となく判断していることを人工知能(AI)で置き換えるには、人の判断結果をAIに学習させる必要
柔らかい食品扱えるロボ 新発想トルクセンサーで実現
現在のロボットが抱える課題の1つとして、ハンドがワーク(把持対象の物体)をつかむ力(把持力)の正確な測定が挙げられる。把持力がリアルタイムで正確に分かれば、複数種類のワークのばら積みピッキングや、柔らかくて不定形のワーク、もろくて壊れやすいワークなどに臨機応変に対応できるようになる。