清水建設、高速道路合成桁の床版撤去新工法 2割時短
清水建設は、水平・鉛直の両方向を切断できるユニット型のワイヤーソー切断装置を使い、鋼橋の合成桁でコンクリート床版を効率的に切断・撤去する新工法「床版クールカット工法」を開発した。従来工法より、撤去工事にかかる時間を約2割短縮できる。 高速道路で多用されている鋼橋の合成桁では、鋼桁と一体化したコンクリート床版部分を更新などの目的で撤去する際、鋼桁と床版の切断に取り掛かる前に、まず桁間の床版を撤去す
戸田建設、コンクリ打設口を切り替える装置 省人化
戸田建設とトンネル用型枠メーカーの大栄工機(滋賀県長浜市)は共同で、山岳トンネルの施工に要する労力を軽減する装置「スイッチャーズ」を開発した。覆工コンクリート打設の工程に残る手作業を減らし、現場の省人化を進めるのが狙いだ。2023年1月5日に発表した。 山岳トンネルの施工で重要な工程となるコンクリート打設では、セントルと呼ばれる半円筒形をした移動式の鋼製型枠を用いる。セントルに開けた複数の打設口
熊谷組、アースドリル工法で掘削抵抗測定 支持層確認
熊谷組と雄正工業(東京・新宿)は共同で、アースドリル工法での支持層への到達を定量的に確認する「熊谷式アースドリル工法掘削抵抗測定技術」を開発した。掘削時のドリリングバケットの動きを支持層確認の判断材料にする。2022年8月に日本建築センターの技術審査証明を取得した。 アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭(くい)の施工では、ドリリングバケットを回転させながら掘削し、バケット内部に収めた土砂
大規模建設現場で「遠隔監視」が普及へ AI分析も視野
建設現場遠隔監視とは、カメラの画像や映像を見て離れた場所から建設現場を監視したり監督したりすることである。遠隔から現場の様子を確認できれば、わざわざ足を運ぶ必要がない。建設現場を管理・監督する業務を大幅に効率化できる。 例えば、超高層ビルの建設現場の場合、数十階ものフロアで同時に工事が進められている。作業所の所長や各現場の職長らは以前、広大な建設現場を歩き回り、持ち場の確認をしていた。自分の目で
安藤ハザマ、トンネル切り羽画像をAI評価 スマホ活用
安藤ハザマは、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末で山岳トンネルの切り羽を評価する「AI切羽画像評価システム」を開発した。携帯端末で撮影した切り羽の画像をAI(人工知能)が評価する。現場試行で従来の目視観察と同等の精度で評価できることを確認した。 同システムでは、撮影した切り羽画像をインターネット経由でサーバーにアップロードすると、サーバー上でAIが切り羽を評価。自動で切り羽評価点を算出し、
三井住友建設など、カメラでボルト間隔計測 時間半減
三井住友建設と日立ソリューションズは共同で、トンネルの壁面などに埋め込んだロックボルトの配置間隔を、写真撮影するだけで計測するシステムを開発した。対象物の奥行き情報を取得できる「デプスカメラ」を使う。計測と調書の作成で拘束される延べ時間を、従来の2分の1に短縮できる。2022年12月20日に発表した。23年春に三井住友建設の現場で導入し、23年秋までに日立ソリューションズが販売する予定だ。 開発
飛島建設、地中の丸太で炭素貯蔵 液状化対策と両立
飛島建設と国際緑化推進センターは共同で、液状化対策として地中に打設した丸太が約10年間、劣化せずに健全な状態で炭素を貯蔵し続けられたことを2022年12月1日に実証した。千葉県木更津市内で2013年に実証実験として打設した丸太の掘り出し調査を実施して確認した。 実証実験では、液状化対策として丸太を加工せずにそのまま打設し、地盤密度を高めて地耐力を確保する「LP-LiC工法」を採用した。二酸化炭素
工学院大学など、貝殻を混ぜたコンクリート 脱炭素に
工学院大学建築学科の田村雅紀教授らの研究グループは、炭酸カルシウム(CaCO₃)を主成分とするホタテの貝殻を細骨材に用い、二酸化炭素(CO₂)を固定するコンクリートを開発した。共同開発者の高橋カーテンウォール工業が手掛けるプレキャストコンクリート製カーテンウオール製品への適用を目指す。2022年11月29日に発表した。 ホタテの貝殻は、海中のCO₂を吸収して炭酸カルシウムの殻をつくる。貝殻を砕い
国交省「製造業・農業も参加を」 自動施工の現場検証
国土交通省や経済産業省による協議会が2023年夏ごろに、建設現場向けの自動施工技術の現場検証に乗り出す。23年度末までの公表を目指す自動施工の安全ルール作りに向け、茨城県つくば市にある実験場で自動化重機に必要な機能や性能を確認する。建設業界の内外に参加を呼びかけて技術交流を後押しする。 現場検証は、国交省や経産省、厚生労働省、公的な研究機関、民間団体などによる自動施工の協議会が設けた施工管理・検
力や触覚を伝送するハプティクス 製造・医療に普及へ
ロボットが人間のように力加減できる技術が、製造業や医療の現場に普及しつつある。慶応義塾大学発のスタートアップ、モーションリブ(川崎市)は、力や触覚の伝送技術「リアルハプティクス」を企業に提供しており、一部では実用も始まった。グローバル企業との提携やコンソーシアム活動を通して、社会への普及を加速させていく。 モーションリブは、リアルハプティクスに必要な制御チップの製造販売やライセンス提供を手掛けて