NTN、異音・振動抑える自動車向け軸受 25年量産狙う
NTNは独自に開発した自動車用の「クリープレス軸受」を2025年にも量産化することを目指す。固定した軸受の外輪が円周方向に回転してずれる「クリープ」と呼ぶ現象を低減でき、モーターや変速機に使った場合、異音や振動を抑制できるという。 クリープが起きる背景には、自動車のモーターや変速機などの動力伝達装置が年々小型・軽量化していることが挙げられる。軸受の外輪や内輪、軸受を固定するハウジングを薄肉にする
交通事故ゼロへ「コネクテッド」 狭域通信に2方式
コネクテッドとは、広義には通信によってインターネットや他者と接続されることである。例えば、つながるクルマ(コネクテッドカー)とは、インターネットと接続されたクルマや、V2X(Vehicle to Everything)通信によって接続されたクルマを指す。 通信でインターネットや他者と接続される利点は、インターネットを介して、あるいは接続された機器の間で有益な情報を共有・活用できることである。つな
クアルコム、選ばれる理由は「総合力」 CESで存在感
2023年1月に開催されたテクノロジー見本市「CES 2023」で目立っていたのは、完成品メーカーよりも半導体メーカーだった。さまざまな分野でエレクトロニクス化やデジタル化が進むなか、半導体が今後ますます重要になることを印象づけた。特に米Qualcomm(クアルコム)の勢いは際立っている。 クアルコムは自動車などモビリティー関連の出展者が集う「ウエストホール」に大きなブースを構え、車載半導体だけ
村田製作所、世界2標準対応の車載通信部品 コスト減
村田製作所はV2X(Vehicle to Everything)向けの通信モジュール「Type 1YL」と「Type 2AN」を開発した。特徴は、世界で標準化が進む2つの無線通信方式に1つのモジュールで対応できることだ。同社がV2X向けの通信モジュールを開発するのは初めて。 V2X通信には世界で有力な通信方式として、狭域通信の「DSRC(Dedicated Short Range Communi
ジェイテクト、低振動のドライブシャフト トヨタ採用
ジェイテクトは、低振動が特徴のドライブシャフトを新たに開発したと2022年12月に発表した。トヨタ自動車が2022年11月に日本で発売した多目的スポーツ車(SUV)「レクサスRX」に採用する。エンジンをかけたまま車両が停止しているアイドリング時の振動を低減した。 ドライブシャフトは、エンジンの動力を車輪に伝える回転軸だ。ディファレンシャルギアからタイヤへの駆動力伝達、タイヤの操舵(そうだ)・上下
ローム、日立AstemoにSiC供給 EV用インバーター向け
ロームは、自動車部品メーカーの日立Astemoの電気自動車(EV)用インバーターに、自社の炭化ケイ素(SiC)製品が採用されたと2022年12月13日に発表した。同社は同年11月22日にマツダ製EV用インバーターへのSiC供給を発表したばかりで、顧客確保を順調に進めている。2025年にロームのSiCが搭載された日立Astemo製のインバーターが、国内外の自動車メーカーに供給され始める見込みである
トヨタ、EV向け手動変速機 次世代レクサスに搭載か
トヨタ自動車が電気自動車(EV)向けの手動変速機(MT)を開発している。高級車ブランド「レクサス」の次世代EVへの搭載を検討する。変速機を必要としないEVにあえてMTを搭載することで、体験できる運転感覚の幅を広げられるとする。 トヨタの欧州統括会社であるベルギーToyota Motor Europe(トヨタモーターヨーロッパ、TME)が発表した。トヨタLexus Electrifiedチーフエン
ジェイテクト、電食抑える小型モーター軸受け EV狙う
ジェイテクトは、グループ会社の光洋シーリングテクノ(徳島県藍住町)と共同で、電気自動車(EV)向け駆動システムである電動アクスル(eAxle)のモーター用軸受けに導電機能を持たせた、導電軸受け「JTEKT Ultra Earth Bearing(以下JUEB)」を開発した。軸受け内部に電気が流れることから起きる、電食という損傷への耐久性の向上と、小型化を両立したのが特徴だ。 同社によると、eAx
日立金属など、高延性・高強度Mg合金 輸送機器に需要
日立金属は物質・材料研究機構(NIMS)と共同で、希土類元素(レアアース)を使わず、高延性で高強度のマグネシウム(Mg)合金を開発した。人体にとって有害とされる元素や析出物を含まず、生体親和性にも優れている。軽量化が求められる輸送機器や、骨折固定材などの医療機器といった分野での需要を見込む。 今回開発したMg合金は、20%以上の伸びと、300MPa以上の耐力を併せ持つ。特性向上に寄与したのが、M
高強度で成形しやすい「革新鋼板」、CO2削減へ需要増
革新鋼板は、高い強度と成形性の良さを併せ持つ「ハイテン(高張力鋼板)」の次世代冷間プレス材である。日本の大手鉄鋼メーカー3社(日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所)は既に基礎研究を終えており、クルマのボディー骨格への適用を目指して、量産技術の開発を進めている。 高張力鋼板は一般的に、強度が高くなると成形性が悪くなる。革新鋼板の「高い強度」とは引っ張り強さが1.5GPa級、「成形性の良さ」とは59