木造耐火構造とは、火災によって木造建築が燃えても一定時間、建物を倒壊させずに持ちこたえられる性能を確保する技術である。建物の高さに応じて1時間、2時間、3時間の耐火性能が建築基準法で求められている。この性能を確保するため、大手ゼネコンを中心に技術開発が活発だ。
建築基準法では、最上階から数えて階数4以下が1時間、階数5〜14が2時間、階数15以上が3時間の耐火性能を求めている。高層になるほど、長...
アキュラホーム、純木造5階建てモデル棟 コスト抑制
アキュラホーム(東京・新宿)は2022年11月5日、構造部分の多くを現(あらわ)しとする 「普及型純木造ビル」の5階建てモデル棟を、川崎住宅公園(川崎市)内にオープンさせた。木造軸組み工法による5階建てモデルハウスとしては日本初だ。アキュラホームは、一般流通木材と金物、プレカット加工技術を用いてコストを下げた木造ビルの商品開発に取り組んできた。モデル棟はそのプロトタイプで、延べ面積は439.5平
ライフデザイン・カバヤ、壁・天井CLT用塗料 難燃化
建築工事の設計・施工を手掛けるライフデザイン・カバヤ(岡山市)は、CLT(直交集成板)に塗装する難燃塗料「なんねんCLTコート」を開発したと2022年12月9日に発表した。着火した際、表面に塗装したなんねんCLTコートが燃えて膨らむことで膜をつくり、CLTの燃焼を抑制する。透明に仕上がるのでCLTを現し仕上げにできる。準不燃材料としての国土交通大臣認定を22年11月に取得済みだ。 建築基準法には
竹中工務店と日本製鉄、鉄骨の耐火被覆削減 ビル適用
竹中工務店と日本製鉄は鉄骨造の耐火建築物で、鉄骨小梁(こばり)の耐火被覆が不要になる設計技術を開発し、2つのプロジェクトに適用したと2023年2月28日に発表した。プロジェクトは非公表だが、いずれも国内の中高層複合ビル。オフィス部分にのみ適用した。 竹中工務店による実大試験体の実験と、日本製鉄が持つ数値解析技術で耐火性能を確認し、共同で設計技術を検討してきた。そして今回、一部の鉄骨小梁に耐火被覆