セルロースナノファイバー(CNF)は、木材などの植物から取れるセルロースを数〜数十nmに微細化して造る繊維である。①鋼の1/5の軽さながら5倍以上の強度を備える、②熱変形が小さい、③表面積が大きい、④透明度が高い、⑤液体にチキソ性(静止状態で固まり、力を加えると流動する)を付加できる、⑥ガスバリア性を有する、といった変幻自在な特性を持つ。日本発の高機能材料として大きな期待を集め、2012年時点で...
東大など、木材由来の透明板材 建築物の軽量構造材に
東京大学大学院の石岡瞬氏らの研究グループは、木材由来のセルロースナノファイバー(CNF)のみから成る透明かつ高強度の板状材料を開発した。強度がアルミニウム合金やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)などと同等である一方、これら軽量構造材よりも軽い板材を作製した。建築物や輸送機の採光性・視認性向上につながる新たな構造材料としての活用が期待できる。 海洋研究開発機構(JAMSTEC)や東レリサーチセ
京大など、CNFの「謎」解明 理想的材料の生産に前進
京都大学の小林加代子氏らの研究グループは、パルプをナノレベルにまで解きほぐして得られる繊維状材料のセルロースナノファイバー(CNF)について、原子レベルの欠陥構造を発見した。従来、強度低下などにつながる欠陥構造の存在は報告されていたが、詳細は分かっていなかった。欠陥のない理想的なCNF材料を生産するための足掛かりとなる研究成果だという。 研究グループは、原子レベル精度で観察可能な顕微鏡と画像処理
ヤマハ発動機、エンジンにCNF強化樹脂 適用拡大も
ヤマハ発動機は、日本製紙が製造するセルロースナノファイバー(CNF)強化樹脂「Cellenpia Plas(セレンピアプラス)」をマリン製品に採用し、併せてセレンピアプラスの用途開発において日本製紙と協業すると2022年11月に発表した。セレンピアプラスは、軽量化と温暖化ガスの排出削減に寄与するという。 CNFは、木質資源を活用したバイオマス素材だ。ポリプロピレンやポリアミド(PA)6などの樹脂