千葉大学とドイツBielefeld University(ビーレフェルト大学)の国際共同研究グループは、金属元素を含む触媒と酵素触媒を用い、薬理効果を示す多くの天然有機化合物に含まれるアザビシクロ[3.3.1]ノナン環を有する縮環インドール骨格の触媒的な不斉合成法を開発した。薬用植物などに含まれる薬理活性分子群を人工的に合成でき、多様な分子骨格ライブラリーの構築が可能となる。迅速な創薬シーズ創出...
千葉大学、ホウ素触媒で脱芳香族化反応 医薬品開発に
千葉大学大学院の伊藤翼氏らの研究グループは、AI(人工知能)技術を活用してホウ素触媒を用いた新たな脱芳香族化反応を開発した。金属を用いずに生物活性を有する分子群のコア骨格を構築でき、自然環境に配慮した合成法への発展が期待できる。 研究グループは、平面構造をしたフェノール環を有するジアゾ化合物をホウ素触媒と反応させた。これにより脱芳香族化反応が進行し、3次元構造であるスピロ環を有する分子へと変換さ
横国大、環状アルコールを電解合成 医薬品の原料に
横浜国立大学の跡部真人氏らの研究グループは、電気エネルギーと水を用いて環状アルコールを合成する電解システムを開発した。ロジウム触媒を組み込んだプロトン交換膜(PEM)型電解リアクターを用いることで極めて高いジアステレオ選択性と電流効率で環状ケトンを水素化することに成功した。持続可能なファインケミカル製造の実現が期待できる。 東京工業大学と共同で研究した。本研究では香料や医薬品の中間体に用いられる
分子研、非金属のハロゲン触媒 医薬品や材料の生産に
分子科学研究所(愛知県岡崎市)の椴山儀恵氏らの研究グループは、無機物のハロゲンと有機物を組み合わせて触媒を作り出すことに成功した。既存の触媒よりも圧倒的に少ない触媒量で有機合成反応を完結させた。分子性触媒の新たな設計指針となる研究成果だという。 分子性触媒の研究分野で十分に活用されていなかったハロゲンと、有機物の配位子から成る非金属錯体触媒を「世界で初めて開発した」(研究グループ)。具体的には、