ホンダ、燃料電池「単独でつくる可能性」 青山取締役
ホンダは2日、米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発する燃料電池システムの自社生産を視野に入れていることを明らかにした。NIKKEI Mobilityの取材に応じた青山真二取締役執行役専務が2030年ごろには「単独でつくる可能性がある」と述べた。まず米GMとの合弁工場で生産を始め、市場の拡大状況などをみながら判断する。 燃料電池は水素と酸素を反応させて電気を生み出す。自動車の動力源に使えば走行
ZFとウルフスピードがSiC製EV半導体の新工場 独西部に
【フランクフルト=林英樹】米半導体大手ウルフスピードは1日、独西部ザールラント州に電気自動車(EV)などに使う炭化ケイ素(SiC)製パワー半導体の新工場と研究開発施設を新設すると発表した。30億ドル(約3900億円)を投じる。SiC製のパワー半導体は現行のシリコン(Si)製より電力損失が小さく、EVの航続距離拡大や高速充電を可能にするとして需要拡大が期待されている。 同社は独自動車部品大手ZFと
テスラ、シリコンバレーで新拠点計画 AI人材獲得狙う
【この記事のポイント】・スタンフォード大学近くで判明・テスラは近隣でもヒト型ロボットやAI開発・自動運転などIT人材500人募集 【シリコンバレー=白石武志】米テスラがシリコンバレー中心部に大規模な拠点を設ける可能性があることがNIKKEI Mobilityの取材でわかった。カリフォルニア州パロアルト市内のオフィスビルにテスラの看板が現れ、周辺ではIT(情報技術)分野の人材を大規模に募っている。巨
狙いは中国排除?欧州の環境新規制「ユーロ7」10の疑問
欧州の新環境規制「Euro 7(ユーロ7)」が自動車業界を翻弄している。欧州委員会(EC)は2022年11月、何度も延期していた規制案をようやく発表した。「規制案が出れば具体的な対策を進められる」(ある部品メーカーの幹部)はずだったが、輪郭がはっきりしたことで新たな不安や悩みが生まれている。 「排ガス規制の枠を超えた、新しいルールが生まれる」。国内自動車メーカーのパワートレイン技術者はユーロ7を
中国・EV電池交換ビッグ3が狙う世界 日米欧で特許出願
NIKKEI Mobilityは企業や業界動向に詳しい識者やジャーナリストの寄稿を掲載します。今回のテーマは世界各地の電気自動車(EV)市場で勢力を伸ばす中国企業です。知財ランドスケープ(東京・中央)の山内明最高経営責任者(CEO)に中国勢の出願内容から各社の戦略を分析してもらいました。 中国企業が電気自動車(EV)の電池交換サービスに力を入れている。世界のEV関連の特許出願を調べると、「電池交換
日立アステモのステアリング革命 「運転を熟練者並みに」
「人間の操作通りに動かすだけでは意味がない(不十分)。システムが間に入って助ける」。こう語るのは、日立Astemo(アステモ)技術開発統括本部次世代シャシー開発本部ジェネラルマネージャーの桐原建一氏だ。同社はそんなこだわりを持ってステア・バイ・ワイヤ〔ステアリングホイールのような操舵(そうだ)デバイスと車輪を機械的につながず電気信号で車輪を制御するシステム〕の開発を進めている。 成果の1つが操舵
BMWが全固体電池試作ライン ソリッドパワーと共同で
【フランクフルト=林英樹】独自動車大手BMWは米ソリッドパワーと共同で全固体電池を製造するための試作ラインを設けると発表した。電気自動車(EV)の性能を飛躍的に高めると期待される全固体電池をめぐっては世界で数十社が開発に乗り出しており、いち早く量産技術を確立させる狙いがある。 試作ラインは、独南部ミュンヘン近くにあるBMWの電池セル研究施設に設置する。ソリッドパワーは2022年12月、BMWに製
テスラが車載電池増産、電動トラック工場も
【シリコンバレー=白石武志】米テスラは24日、巨大電池工場を運営する米西部ネバダ州に36億ドル(約4600億円)を追加投資すると発表した。小型電気自動車(EV)200万台分に相当する100ギガ(ギガは10億)ワット時の年間生産能力を持つ電池工場を追加する。同社初の商用車である電動トラックの量産工場も新設する。 テスラは2017年からネバダ州でパナソニックホールディングス(HD)と巨大電池工場「ギ
PHV淘汰の波 ボルボやスバル開発中止、EVと価格逆転も
【この記事のポイント】・PHVの販売が欧米で急ブレーキ・EVの航続距離伸長と価格下落で特長薄れる・スバルはEVとHVに集中 プラグインハイブリッド車(PHV)への逆風が強まっている。最大市場の欧州では販売台数が減少に転じ、補助金支給の対象から外れる動きも出てきた。ガソリン車から電気自動車(EV)へのつなぎとみられていたが、EVの性能向上や価格下落でその位置づけが変わり、SUBARU(スバル)などが
ルネサス、車用配電制御の半導体「IPD」40%小さく
ルネサスエレクトロニクスは自動車の配電を制御する半導体製品「IPD」(インテリジェントパワーデバイス)を小型化した。基板への設置面積を従来品から40%小さくし、異常検出などの性能も高めた。IPDは従来の機械式の制御装置に比べ寿命が長く、配置場所の制約も少ない。配電網の簡素化につながる点などを訴求する。 ルネサスは新たなパワー半導体の技術などを使い、IPDを小さく仕上げた。サンプル出荷を始めており