台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がいよいよ電気自動車(EV)市場に本格参入する。2019年の参入表明から約4年、ようやく全貌が明らかになってきた。「全く異なる世界を作る」(幹部)と豪語するiPhone生産の巨人。30兆円企業が目指すEVに果たしてどんな勝算があるのか。
「鴻海は本気でEV市場に参入するのか?」「iPhone生産一筋のクルマ素人の鴻海が、本当にEVを作って、商売にしていけるのか?」...
鴻海、EV車台で新時代の黒子 脱iPhone受託依存
電気自動車(EV)に参入する台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は2025年に生産台数年間50万〜75万台、1兆台湾ドル(約4兆円強)の売上高を目指す。米テスラのような先行企業や既存の自動車大手に対抗しながら、世界EV市場でシェア5%という野心的な目標だが、鴻海は単なる1メーカーとしてEVの世界に参入しようとしているわけではない。 22年10月、同社初の本格的な新型EVのお披露目の場に創業者の郭台銘(
台湾・鴻海、日本電産前社長の関氏招へい EV戦略トップ
【台北=龍元秀明】台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は30日、日本電産前社長の関潤氏(61)を電気自動車(EV)事業の最高戦略責任者(CSO)に招くと発表した。人事は2月1日付。鴻海は今後の収益の柱としてEV事業に期待を寄せており、関氏を招いて体制強化を加速する狙いとみられる。 劉揚偉董事長(会長)の下でEV戦略の策定などに携わるという。鴻海は同日発表した声明で「関氏は多くの国で自動車生産・製造オペ
「一芸」で風穴 将棋AIの異才がテスラ超え宣言
千葉県柏市にあるインキュベーション施設の一角。開放的なオフィスにパソコンが並ぶ。デスクに座る若い社員たちはジーンズにパーカと、都内でよく見かけるIT(情報技術)企業のようだ。現代コンピューターの父と呼ばれるアラン・チューリングから名付けられた社名はTURING。生まれて1年余りのこのスタートアップが開発するのはスマートフォンのアプリではなく、自動運転車だ。 つくるのは自動運転のアルゴリズムだけで