大手企業が取引先などからの温暖化ガス排出量「スコープ3」を含めたサプライチェーン全体の算定を急ぐ中、排出状況の把握を求められている中堅企業が苦慮している。正確な数値の算出が難しく、人材やノウハウに乏しい中堅企業にとって対応は手探りだ。国際的にはより手間のかかる算定手法を重視する動きもあり、大手企業自らが中堅支援に乗り出す動きも出てきた。
手つかずの排出量算定に戸惑い
「『スコープ3』って何なんだ...
EV充電時間3分の1 シラの電池負極材、米政府も支援
日本経済新聞社が脱炭素分野の世界の有望企業をリスト化した「GX Unicorn」のなかでも電池関連など「エネルギー貯蔵」分野のスタートアップは2022年の資金調達額が最も多かった。車載電池向けのシリコン負極材を手がける米シラ・ナノテクノロジーズ(Sila Nanotechnologies)はこれまでに累計10億ドル(約1300億円)強を調達した。電気自動車(EV)の急速充電にかかる時間を3分の1
編集者の視点 「米、水素研究に1000億円」など3本
本日取り上げるのは「米、水素研究に1000億円」「EU脱炭素法、資金不足と産業界から警告」「シンガポール、周辺国から再生エネ輸入」の3本です。GXエディターの外山尚之が世界各地の報道などから紹介します。 米、水素研究に1000億円 米国政府がクリーン水素の研究開発に7億5000万ドル(約1000億円)を拠出すると15日に発表しました。水電解技術の進歩や設備の大規模化に活用される予定です。 燃やし
三菱商事と東洋紡、鉄より強い繊維 洋上風力に用途拡大
三菱商事と東洋紡が共同出資して2022年に設立した東洋紡エムシーが、4月に事業を始める。急速な脱炭素化を追い風に独自の高機能素材を国内外の企業に売り込む。鉄より強い繊維を洋上風力に用途を拡大する。現状1000億円の売上高を2030年度をメドに2.5倍の2500億円に引き上げる計画だ。 強度は鉄の7倍以上 東洋紡エムシーは機能素材に関連する商材の企画や開発、製造や販売を行う会社で、東洋紡が51%、