島尾敏雄「その夏の今は」

 太平洋戦争末期、爆薬を積んで敵艦に体当たりしたボート「震洋」。特攻艇を率いる第18震洋隊の隊長だった島尾敏雄の「その夏の今は」は、出撃を待つ隊員たちの異常な生の日々をつづった作品だ。今も戦跡が残る鹿児島県の加計呂麻(かけろま)島を訪ねた。 (15日 15:30)

残照の港。終戦を迎えた70年前の夏の日、空の余映が消えゆく中で「これからは警戒警報も空襲もない」と主人公は島民に語った

  • 長さ5メートルほどの「震洋」を格納していた洞窟が残る呑之浦(のみのうら)は静かな入り江だ
  • 加計呂麻島東端の高台にある安脚場(あんきゃば)戦跡公園から見下ろす大島海峡。右奥には奄美大島が見える
  • 後に島尾の妻となる大平ミホが住んでいた押角(おしかく)集落の前に広がる海。早朝のなぎを老紳士がのぞき込んでいた
  • 震洋隊基地跡に建てられた島尾敏雄文学碑の近く。枝から落ちたユウナの花が夏の光を浴びる
  • 夕暮れ時、島の人たちが魚釣りを楽しんでいた
  • 濃度を増す闇がガジュマルの木を包み、街灯が静かにともった=写真 三村幸作

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