文化財としての景観

 山裾に重なる棚田、沖合に浮かぶ養殖いかだ、農山漁村のたたずまい……。風土に即した生業(なりわい)や生活様式、信仰などが形づくる景色を文化財として位置づけ、特に重要な地域を「重要文化的景観」に選定して保護しようと文化財保護法が改正されて今年で10年。全国44カ所のうち6カ所を訪ねた。 (24日 16:00)

重要文化的景観第1号の「近江八幡の水郷」(滋賀県近江八幡市)

  • 2011年に選定された奈良県明日香村の奥飛鳥地域。山裾に棚田が広がる
  • 川面の上に綱を渡す伝統行事「男綱」(写真左)と「女綱」などが、棚田とともに「重要な構成要素」とされている(奈良県明日香村)
  • 滋賀県高島市は7月、「大溝の水辺景観」を重要文化的景観に選定するよう文化庁に申し出た。選定されれば単一自治体では全国最多となる3件目
  • 琵琶湖の内湖を利用して築かれた大溝城跡。ここを中心に、水を巡る暮らしぶりと景観が構成要素だ(滋賀県高島市)
  • 都市景観として初めて選定された京都府宇治市の町並み。近世近代の茶商や製茶の関連施設が各所に残る
  • 町には宇治川が流れ、周囲では茶栽培が盛ん(京都府宇治市)
  • 川沿いに鉱山のトロッコ道跡が残る兵庫県朝来市の生野地区。3月、鉱業関連で初の重要文化的景観に選定された
  • 町並みは、鉱山が栄えた当時の趣を残す(兵庫県朝来市)
  • 清流に山影が映る四万十川。「流域」として初めて選定された。沈下橋が風情を醸し出す(高知県四万十市)=写真 竹内義治、浦田晃之介、伊藤航、三村幸作