花でつながる大島の未来

 昨年10月16日の台風26号による大規模な土石流で39人の死者・行方不明者の被害が出た東京都大島町。1月25日から仮設住宅への入居が始まり、31世帯61人が暮らす。  避難生活の癒やしになればと、島民で結成した「復興花うえ運動実行委員会」のメンバーが仮設住宅に色とりどりの花を届けている。活動には入居者の孤立を防ぎ、島民の絆を深めたいとの思いも込める。 (31日 19:49)

仮設住宅に配られるビオラやデージーなど色とりどりの花

  • 土石流発生現場では梅雨時の大雨などに備え、土砂流出防止のための工事が行われている(3月24日)
  • 島の中心部から外れた空港のそばに建つ仮設住宅。自宅を失うなどした31世帯61人が不慣れな生活を送っている。「入居者の方を少しでも元気付けられたら」。復興花うえ運動実行委員会の高橋千香さん(53)は、花を植えたプランターを届ける。3月末までに350鉢ほどを置いて回った
  • 毎年2万人ほどが訪れる大島町最大の観光行事「椿まつり」。しかし今年の人出は例年の半分ほどにとどまった。イベント会場の一角では観光客らにもプランターを作ってもらい、被災者への励ましの言葉が一つ一つに記された
  • 実はプランターの花も被災したものだった。台風26号は農業を営む篠崎哲郎さん(37)さんのビニールハウスにも被害を及ぼした。「諦めて捨てた方がいいかも」との思いが頭をよぎったが、なんとか7000鉢の内、5000鉢が息を吹き返した。そんなとき高橋さんから仮設住宅に花を配る活動を聞き、被災した花の一部を提供することを決めた
  • 自宅が半壊し、2月上旬に入居した榎本安宏さん(82)、信子さん(78)夫妻。「花の手入れをするのが朝の日課なの。楽しみがあって嬉しい」と顔をほころばせる
  • 「島民でも仮設住宅には訪れる機会がない。花の手入れを多くの人に手伝ってもらい交流が生まれれば」と高橋さん。島民同士の笑顔も咲くよう日々奮闘中だ(3月23日、東京都大島町)=写真 山本博文