仮設校舎で学ぶ・再会誓う卒業式

 福島第1原発事故のため警戒区域となり、2012年まで立ち入りが禁止されていた福島県南相馬市小高区は、現在も宿泊が原則禁止された避難指示解除準備区域や居住制限区域のままだ。本校舎から離れた仮設校舎で3年間学び、卒業式を迎えた南相馬市立小高中学校3年生の姿を追った。 (27日 19:12)

在校生の祝福を受けながら仮設校舎を後にする小高中の卒業生(13日、福島県南相馬市)

  • 福島県南相馬市小高区にあった小高中学校は、原発から30キロ以上離れた同市鹿島区の鹿島小敷地内に建てられた仮設校舎(写真右)で授業を行う。本校舎(同左)は除染作業中で校庭は表土などを詰めた袋で埋め尽くされている
  • 全校生徒は92名。専門医による放射能についての講義(写真左下、2013年7月)や、学習支援として派遣された予備校教師による授業(同右上、同年11月)など、工夫をこらしたカリキュラムが組まれた
  • 仮設校舎で3年間の中学生活を送った32名が3月13日、卒業式を迎えた
  • 遠藤弘通校長(60)も3月末日で定年退職を迎える。「2011年の秋に赴任してからの2年半はあっという間。本校舎を知ることなく卒業させるのは残念」と話す
  • 放射線量を測定するモニタリングポストが設置された校庭を横切り、式典会場の体育館に向かう卒業生
  • 卒業証書を受け取る天尾水樹さん(15)。避難のため南相馬市小高区の自宅から新潟県などを転々とし、現在は家族と相馬市に住む。天尾さんの小高中の学校生活は2011年4月下旬、10名のクラスメートと共に始まった。当時は放射能の影響で校庭の遊びも制限されていた
  • 式典中、涙をぬぐう卒業生。「同窓会は本校舎で」と再会を誓いあった
  • 在校生や保護者に送り出される卒業生。窓の隙間から砂が教室に入り込むなど仮設校舎ならではの苦労も多かったという。教室の黒板にはメッセージが残されていた(写真左上)
  • 翌日の14日は、県立原町高校(南相馬市)の合格発表日。合格が決まり、掲示板の前で喜ぶ小高中の(左から)遠藤友基君、横田黎君、天尾水樹さん。震災後、支援を受けて数カ国の外国を訪れた天尾さんの夢は、英語を勉強して海外で支援活動にかかわることだ。未来への希望を胸に、春から新しい一歩を踏み出す=写真 小林健

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