あんぽ柿、3年ぶり出荷

 東京電力福島第1原発事故の後、生産自粛していた福島県特産の干し柿「あんぽ柿」の出荷が3年ぶりに再開した。特注の機械で放射性物質を検査し、安全を確認する。あんぽ柿専門の農家、八巻正さんは「ようやく第一歩を踏み出した」と感慨深そうに話した。 (17日 17:39)

乾燥施設に干されている柿。生柿の皮をむいた後、薫蒸し、ひもにつるして自然乾燥させる。約30日ほどで甘みのある半生状態のあんぽ柿になる(12月15日、福島県伊達市)

  • 八巻さんは父親の代から柿農家を営んでいる。収穫を大幅に増やすため20年前、自宅から見渡すことができる段々畑に約100本の柿の木を植えた(11月12日)
  • 収穫が安定し、これからというときに起きた原発事故。それでも乾燥施設兼加工棟を震災後に建設した。長年の夢だったからだ。過去2年間は柿を廃棄したため、今年初めて施設を使うことができた
  • 福島県は今年、伊達市と国見町、桑折町に「加工再開モデル地区」を設けた。出荷できる地域が限られるため、県内の出荷量は事故前の1400トンから200トンほどになる見込みだ。JA伊達みらいでは放射性物質を測定する非破壊検査機器が稼働した。8パック入りの箱を機械に入れると、80秒ほどで結果が表示される。安全基準の1キロあたり50ベクレルを下回ると、モニターに「○」が表示される
  • 八巻さんも生柿20トンの収量のうち、4トンの加工にとどめる。残りのほとんどは廃棄せざるをえない
  • 12月15日、この冬初めて雪が積もった。例年より早いという
  • 八巻さんは「ようやく一歩を踏み出したが、来年こそは全面解除になってもらいたい。消費者のイメージも変わってくるはず」と力強く話した(福島県伊達市)=写真 今井拓也