「西荻婚」町ぐるみで祝福

 JR中央線沿いの町、西荻窪(東京・杉並)で11月30日、町ぐるみで結婚を祝う「西荻婚」が開催された。地元にゆかりのある新郎新婦を乗せた人力車が「お練り」のため駅前を出発すると、沿道からは2人を祝福するあたたかい拍手がわき起こった。町全体を舞台にして地元活性化につなげるユニークな結婚式の一日を追った。 (5日 7:00)

JR西荻窪駅前で新郎新婦を祝う人たち

  • 西荻窪で食堂兼マッサージ店「ていねいに、」を営む地元出身の新郎、福田倫和さん(37)と新婦の春子さん(34)。「幼少時代からなじみのある集会所や神社で挙式することで、町全体がお祭りとして楽しめるのなら」という思いが「西荻婚」につながった
  • 披露宴会場は1932年(昭和7年)に建てられた古い木造家屋の集会所「井荻会館」。地元自治体が大切に管理してきたため、昭和時代の懐かしい建築様式がそのまま残る
  • 今年3月に開所した私設の町の案内所「西荻案内所」の奥秋圭さん(39、右)たちが企画した。地元の子供からお年寄りまで、同所を訪れた人たちと交わす雑談のなかで「西荻婚」のアイデアは育っていったという
  • 祝い膳は「ていねいに、」で調理を担当する橋野佳代子さん(32、左上)の手作りで、季節の野菜をふんだんに使った体に優しいメニューが並んだ。盛りつけの皿は、西荻のアンティーク店が提供。それぞれの膳には、亀や鶴などをかたどった切り絵作家の作品が添えられた
  • 神前結婚式後の集合写真は、昔ながらの写真館での撮影をほうふつとさせる大型フィルムカメラで撮影
  • 「西荻婚」のクライマックス、「お練り」の出発地となるJR西荻窪駅前に到着した福田さん夫妻
  • 人力車の威勢の良い口上で「お練り」がスタートした。新郎新婦を一目見ようと集まった約200人の見物客から歓声が上がった
  • JR西荻窪駅前から「井荻会館」まで、約900メートルの道中を行列が練り歩いた
  • 到着した井荻会館前で式の成功を祝う福田さん夫妻ら。仲人役を務めた西荻窪商店会連合会の猪鼻徳壽会長(64、新婦右)は「料理人から古物商まで、町にゆかりのある人たちが自然に集まり、専門知識を生かすことで実現した夢のような空間でした」と笑顔を見せた=写真 小林健