オーガニックファーマーズ

 名古屋・栄の商業施設「オアシス21」で、毎週土曜日の午前中に有機農家が集まる「朝市村」が開かれている。新規就農した若者らが新鮮な野菜や卵などを持ち寄り、客とおしゃべりしながら販売している。環太平洋経済連携協定(TPP)で農業に危機感が高まるなか、中部圏の若手オーガニック・ファーマーの群像を紹介する。 (21日 6:30)

〈「とりのさと農園」(愛知県南知多町)の橋本由岐穂さん(32)〉3年前まで、東京・渋谷のギャル服ブランドでデザイナーをしていた。帰省するたびに失われていく自然を見て「古里に対して無責任だな」と思い、父の農場を継いだ

  • 33年前、由岐穂さんの父・昌康さんが「地に足のついた生き方を子供に見せたい」と脱サラして山の中に土地を買い、開墾して農園を始めた。有機野菜を作り、鶏は平飼いしている。「消費者の食卓を一年中支え続けたい」と奮闘する
  • 〈「和ごころ農園」(岐阜県白川町)の伊藤和徳さん(35)〉北海道大で環境ホルモンについて学び、就職して水質浄化の業務に携わっていた。30歳の時、雑誌で読んだ有機農業の世界に感銘を受け退社。山梨の農家での研修を経て、3年前に独立した
  • 大根を収穫する伊藤さん。岐阜県白川町に移住した友人に「いいところだから来ないか」と誘われ、地元の有機農家を通じて家と田畑を借りた。農作業を通して消費者と交流するイベントを随時開催している
  • 〈「水谷牧場野菜部」(愛知県豊明市)の水谷仁美さん(31)〉父が牧場を経営している。スイスで1年間酪農研修を受けた時に有機農業と出合い、牛乳や野菜のおいしさに魅了された。帰国し自分も有機でやりたいと伝えると「何をバカな」と一蹴された
  • 実家の牧場は妹に任せ、水谷さんは有機の農場を立ち上げた。まだ2年目で、土作りなどに苦労している。朝市村では畑の木から採れる桑の実も人気だ
  • 〈「ゆうき農園」(三重県いなべ市)の森友喜さん(31)〉建設コンサルタント会社で1年間働いた。5年前、生まれ育った三重県いなべ市にUターン就農。耕作放棄地が増え、自然と関わる人の姿が減っていくのを見過ごせなかった
  • 森さんの畑のイベントに集まったお客さん家族ら。野菜作りの傍ら、年一口5千円のオーナー制で「みんなの畑」を運営。種まき、収穫、そば打ちなどを共にし、取れた野菜を会員で分け合っている
  • 〈「たわわ農園」(岐阜県白川町)の加藤智士さん(33)〉東京で仕事中、居眠り運転で自損事故を起こした。幸い無傷だったが「これからは自分のやりたいことに真っすぐ向き合おう」と脱サラ。研修を受け、有機農家になった(名古屋・栄)=写真 小園雅之

テーマ一覧