福興浜団、浪江町でも捜索開始

 福島県南相馬市で海岸で行方不明者の捜索やがれきなどの清掃を続けてきたボランティア団体「福興浜団」。福島第1原発事故による避難指示区域が今月から再編され、日中の立ち入りが可能になった同県浪江町の浜にも、捜索活動を広げている。津波で家族4人を失った団長の上野敬幸さん(40)は、海岸に放置されたままのがれきをひとつひとつ確認しながら、不明者の手掛かりを探した (19日 22:29)

波打ち際で捜索する上野敬幸さん(4月7日、福島県浪江町)

  • 地震発生直後に会社から自宅に急ぎ戻った上野さんは、長男倖太郎くん(当時3)と父喜久蔵さん(同63)母順子さん(同60)の無事を確認。避難するように告げてから、消防団員として地元住民の救助に向かった。しかし、その後津波が自宅(写真)を襲い、長女永吏可ちゃん(同8)を含めた4人の連絡が途絶えた。数日後、順子さんと永吏可ちゃんが遺体で見つかり、喜久蔵さんと倖太郎くんは行方不明のままだ。諦めきれずに2人を探し続ける上野さんと消防団員の姿に支援が広がり現在の活動につながっている
  • 毎週土日の午前9時、南相馬市の「道の駅」にボランティアが集合する。上野さん(中央)のあいさつが活動開始の合図だ
  • 居住制限区域と一般道を隔てるバリケードを通過する福興浜団の車列
  • この日は全国から集まった約90人のボランティアが捜索活動に参加した。自衛隊や警察が捜索を終えた場所だが、「まだ探しきれていない所があるかも」と綿密に調べる
  • 請戸漁港周辺に残された車両を調べるボランティア
  • この日の活動で、名前の入ったランドセルや写真など住民の思い出の品が集まった。骨のかけらなどが発見されることもあるという
  • 「福島の津波被害者の痛みは、放射能汚染に関するニュースの陰に隠れ十分に伝えられてこなかった」と上野さん。だからこそ「生きている人がやらなければならないことがある」とも感じている。福興浜団は、フェイスブックやツイッターなどでボランティア参加を呼びかけながら、活動を続けている(4月7日、福島県浪江町)=写真 小林健

テーマ一覧