復活、飯舘村絵本のリレー

 書店が1軒しかなく図書館もない村の子供たちに読書の機会を広げようと、福島県飯舘村が2010年に始めたプロジェクト「絵本のリレー」。家に眠る絵本を寄贈してもらい、再び命を吹き込みたいとの願いも込めたものだった。福島第1原発の事故で中断を余儀なくされていたが、移動図書館車が完成し、再び子供たちのもとに絵本が届けられるようになった。 (15日 21:06)

避難先の仮設幼稚園に、初めて移動図書館車がやってきた。絵本を手にする園児たちの笑顔が戻った(2月28日、福島市の草野・飯樋幼稚園)

  • 2010年、村が絵本の寄贈を呼びかけると、全国から5万6千冊が集まった。積み上げられた段ボール箱は子供たちにとって宝の山だ。幼稚園や小学校には絵本コーナーが作られ、蔵書2万冊の「絵本文庫」を作る計画も立てられた(2010年8月、福島県飯舘村)
  • その矢先、東日本大震災による福島第1原発の事故が発生。飯舘村は全村避難を強いられた
  • 震災から半年後、「絵本文庫」に収められるはずだった「絵本たち」は村内の中学校にひっそりと眠っていた。帰村のめどもたたないなか、月日だけが流れていく(2011年9月、福島県飯舘村の飯舘中)
  • 震災から1年が過ぎたある日、特産品の牛肉が縁でつながりのあったオーストラリア大使館から連絡が届く。「避難先の子供たちのために何か役に立てないか――」。移動図書館車の寄付が決まり、絵本の清掃と消毒作業が始まった(2012年7月、福島県飯舘村)
  • ついに移動図書館車「こあら号」の巡回が始まった。仮設小学校で行われたお披露目式で6年生の菅野美奈さんは「すてきな本に出会えることに、楽しみな気持ちでいっぱい」と話した
  • 仮設幼稚園にも「こあら号」がやってきた。歓声を上げて駆け寄る子供たち
  • 競うように絵本を手に取り、さっそく読み始める園児たち。形は変わったが、リレーのバトンは確かにつながった(2月28日、福島市)=写真 松本勇

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