がれきを宝に 東松島のリサイクル

 震災で1100人もの死者と行方不明者が出た宮城県東松島市。がれきの量は156万トンにも上ったが、他の自治体と違って大規模のがれき処理施設を作らず、リサイクルする方式を取った。結果、2011年度の災害等廃棄物処理事業費は232億円の想定が146億円に収まった。2003年に起きた宮城県連続地震で想定より多くの処理費用がかかったことへの反省を踏まえた。 (24日 18:00)

手作業で仮置き場のがれきを19品目に分別する人たち。多くの人が被災者で仮設住宅から通っている

  • 2011年3月14日(写真左)と2013年1月22日。目に見えるがれきの大部分は撤去された。仮置き場への運搬は5月上旬ごろに終わる予定だ
  • 大きな船体をバーナーで切断する。「がれきは震災前、市民の貴重な財産だったので、リサイクルして資源として活用したい」、「職を失った被災者の雇用の場を創出したい」などの思いを市と建設業協会で共有した結果、全額国の予算ではあるものの大幅なコストダウンとなった。仮置き場の用地確保ができたこと、市の面積が大きくなかったことなど地理的要因にも恵まれた
  • (写真右上から時計回りに)石・コンクリート類、金属、木材、土。地盤のかさ上げやバイオマス燃料などに活用する。アルミなどの金属は売却できる。年間361日を処理に費やし、重機は450台使っている。すべて東松島市の会社の機材で、全額が地元に入る
  • 仮置き場は偶然、タイヤをリサイクルする会社、東部環境の隣になった。津波の被害を受けたが、丈夫な建物だったので修繕して使っている。自動コンベヤーで切断されチップタイヤになり燃料として製紙工場に行く
  • 仮設住宅から通う大友昭子さん(65)。「津波直後の時間で止まっている腕時計や位牌(いはい)、結婚式などの写真を見るのは本当につらかった。涙を手でふくと顔が真っ黒になった。仕事があるうちはいいけど、なくなったらその先の生活が不安でたまらない」と話す
  • 現在の進捗率は約3割で、被災した自治体の中では仙台市を除くと早い。環境省が目標にしている処理期間の2014年3月末を大幅には超えない予定だ。東松島市の大友利雅市民生活部長は「97%を再生し、最終処分費を入れた1トンあたりの処理単価を1万円以下にするのが目標」(阪神大震災は約22000円)と話した(1月22、23日)=写真 今井拓也