「復興の酒」蔵出し

 東日本大震災の津波で全壊した宮城県名取市閖上地区の佐々木酒造店が震災後初めて仕込んだ新酒の蔵出しが始まった。同市内の復興工場団地に仮設工場を作り、再建の一歩を踏み出した。 (23日 21:51)

新酒の「宝船 浪の音 閖」。ラベルは一つ一つ手作業で貼っていく(1月20日、宮城県名取市)

  • 専務の佐々木洋さんが、逃げた酒蔵の屋上で津波が押し寄せた直後に撮ったのがこの写真だ。この光景を見た瞬間に、必ずもう一度この地で酒を仕込むと心に決めた
  • 純米酒の蔵出しが終わるとすぐ本醸造の仕込みが進む。タンクが少なく同時に作れない。左奥の緑色のタンクは被災した酒蔵から運び、直して使っている
  • 搾り作業をする佐々木さん(中)。昨年2月に復興工場団地に仮設工場を構えた。神戸市の桜正宗や鹿児島県の森伊蔵酒造などから酒造設備を無償で贈られた。阪神大震災で全国から支援を受け立ち直った桜正宗は恩返しができる機会があればと、設備を保管していたという
  • (上から時計回りに)被災した工場より約4キロ内陸にある仮設工場、昨秋に名取市の除塩した水田からとれた米、蔵出しされた純米酒「宝船 浪の音 閖」と原酒「宝船 浪の音」、最初にできた酒は神棚に供える
  • 初めてできた本醸造の新酒を試飲する佐々木さん。「おいしいし、うれしい。感無量」と静かに語る。波の音が聞こえる閖上の地に戻る決意の酒だ=写真 今井拓也

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