大川の農地再生目指して 農業復興組合

 被災した農地の早期再開を後押しする農林水産省の「被災農家経営再開支援事業」。地域の農家が共同で復旧作業を行うことで、支援金を受け取ることができる。この制度を利用してがれき撤去などの作業を続ける、宮城県石巻市の大川地域農業復興組合の活動を取材した。 (16日 19:28)

北上川河口近くの宮城県石巻市長面地区。上流には多くの犠牲を出した大川小学校がある。周辺は水没していたため、昨年10月まで行方不明者の捜索もできない状態だった。この日は100人近くの地元住民が集まり、がれき集めなどの作業を行っていた(10日)

  • この地域には大規模な豚舎や鶏舎があったため、鉄骨が散乱している。大きながれきは10人ほどでロープで引きずって1カ所に寄せ集める
  • 気温は-2度。がれきを覆う土砂も凍りついている。なかなか抜けない鉄骨を勢いよく引き抜く
  • みんなこの土地に田畑をもっていた農家出身者。体力自慢ぞろいだが、高齢者の割合はかなり高い。10分おきに「一服」の声がかかり一斉に腰をおろす。それでも「避難生活よりはずっと楽」という
  • 午後は宮城県警を手伝い、遺体の捜索を行う。自前の農機具で優しく土を掘り返す。明るく装ってはいるが、どこか複雑な表情を浮かべていた
  • 掘り起こされた骨。家畜小屋があったため「鶏や豚ばかり」。集めた骨は県警に提出する。人の骨はまだ発見されていないという
  • 住民らのそばでは県警の警察官が捜索を行っていた
  • 「あれー」。腰を下ろした勢いで背中まで付いてしまった長野秀子さん(66)。起き上がれない姿に友達らが大笑い。周囲は終始、明るい声に包まれていた
  • 休憩中も笑いは絶えない。懐かしい面々に会ったり新しい友達ができたりと、つらさを分かち合える仲間との絆が芽生えている。「お金ではないんですよ」と永沼千枝子さん(75、中央)は笑顔で語る
  • まとめ役の大槻稲夫さん(63、中央)は現在、有志を募って農業法人の設立準備に取りかかっている。「2、3年後には、ここに緑の田んぼを取り戻しますよ」と前を見すえていた =写真 瀬口蔵弘

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