いわき伝統のはしご乗り

 福島県のいわき市消防団で引き継がれているはしご乗りが6日、披露された。平地区では大正時代から続き、技と度胸を披露することで、町を守る火消しの心意気と実力を示すのだという。震災でも途絶えることなく、新年の恒例行事として今年も市民を楽しませた。 (6日 21:29)

「よっ」。はしごの上で威勢のいい掛け声とともに技を決める太夫(たゆう)

  • 朝7時、出発前。子鍬倉(こくわくら)神社で氏神に奉納する消防団員。境内には火伏せの神を祭る社もあり、無火災を祈願した
  • 「カーン、カーン」。消防車のサイレンを鳴らし出発。公園や住宅など市内23カ所を巡る
  • 平地区にある仮設住宅の駐車場で技を披露。沿岸部の被災者を元気づけようと昨年から同じ場所で開いている
  • 固唾をのんで見守り、技が決まると拍手が響き渡った。沿岸部の薄磯地区に住んでいた政井昭子さんは「この地区に来たことで、初めてはしご乗りを目にした。粋な姿を見て元気になった」と喜んだ
  • 縁起物として消防団員からのアメを受け取る住民ら。自治会長の新妻美郎(よしお)さんは「消防団と市民の距離が近くなった。夜回りもしてくれるおかげで安心して暮らせている」と話す
  • 場所を移して平中央公園で最後の演技。高さ約6メートルのはしごのてっぺんで技を披露。支える団員の腕にも力が入る
  • 15年の経験を持つ平田正人さんは「震災を経て、より気が引き締まるようになった。自分たちの心意気でみんなが笑顔になってくれれば」と願いを込めてはしごに登った
  • 全ての演技を終え、引き揚げる団員。消防団幹部の佐藤耕一さん(左)は「震災後も洪水や火事など災害は続いている。もっと少なくなるよう、予防に徹したい」と気持ちを新たにした=写真 寺沢将幸