福島・伊達のあんぽ柿 「来年こそは」

 福島県伊達市特産の干し柿「あんぽ柿」が、昨年に引き続き加工自粛となった。試験的に乾燥加工したあんぽ柿から、国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたためだ。特産品の復活に期待を寄せていた農家らは肩を落としている。 (15日 23:38)

あんぽ柿の原料となる渋柿の「蜂屋柿」。昨年と同様に、廃棄処分が始まっていた

  • 枝もたわわに実った柿をもぎ、捨てる、柿農家の清野光義(みつぎ)さん(69)。「来年の芽のために実は早く取った方がいい」というが、気の進まない作業が続く。「何のために大事に世話してきたのか。涙流しながらやってんだ」
  • 昨年12月、清野さんの農園で、水を高圧噴射し柿の木の幹や枝の除染をする農家の人たち。伊達市内で約24万本ある柿の木を、皆で協力して除染した
  • 雪に覆われた冬、つぼみがふくらんだ春、青々と茂った夏、そして実りの秋。清野さんの農園の柿が検出した放射性セシウムは、生の状態だと1キロ当たり20ベクレルほどだったが、干してあんぽ柿にすることで濃縮されてしまうという
  • 妻のヨシ子さん(69)と2人暮らしの清野さん。福島第1原発の事故後、東京などで暮らす5人の孫が遊びに来なくなったのがさびしい。「テレビ電話を息子が設定してくれたから、最近は顔を見て話せるようにはなったけど」
  • 前日から強く降った雨がやみ、柿農園に虹がかかった。原発事故があってからもうじき2度目の年の瀬を迎える。「来年こそは」。清野さんは希望を捨てない(8日、福島県伊達市)=写真 浅原敬一郎