正しい作法・伊丹十三流

 映画監督になる前の伊丹十三は洒脱(しゃだつ)なエッセイストだった。スパゲティをいかにして食べるか。セーターをどう着こなすか。機知に富む言葉と自筆のイラストでつづった伊丹流の「正しい作法」は今読んでも楽しく、驚きに満ちている。その原画が残っている松山市の伊丹十三記念館を訪ねた。 (8日 7:00)

原稿用紙の裏にペンで描かれた「目玉焼きの正しい食べ方」。伊丹十三によるとしゃべりながら実演すればいいそうだ。「こんなふうに黄身だけ残しちゃってさ、それを大事そうに最後に食べるんでやがんの。ホラ、こんな具合い!」(「女たちよ!」)

  • 伊丹十三記念館ではユニークな手回し式閲覧台にプリントされた様々なイラストを楽しめる(写真左)。一部の原画は引き出しの中に収められている
  • 引き出しの中に収められている「二日酔の虫」
  • 様々な愛用品も展示されている(写真左)。玄人はだしだった料理の腕前を象徴する愛用の食器や鍋、包丁と手書きの厚焼き玉子のメモ
  • 「ダッグウッド・サンドウィッチの正しい持ち方」と「ベーコンはこまかく切っていれよう」
  • 鉛筆で描かれた身の回りの品々。右のイギリス製の傘は同じモデルが同館のミュージアムショップで販売されている
  • 小学1年で描いた野菜の絵。左下に本名の池内義弘でなく「一ノ四 池内岳彦」と書かれている
  • 中学1年で描いた昆虫観察ノート。昆虫図鑑のような細密描写(写真右は部分)
  • 同館ではほかにも制作に関わったテレビのドキュメンタリー番組やCM映像なども楽しめる。屋外車庫には乗り物マニアだった伊丹の最後の愛車ベントレーが展示されている=写真 竹邨章(11月8日付日経アートレビュー面より)

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