がれきの恩返し~サンマの収穫祭を東京で

 震災から1年半が過ぎても町にはがれきの山が残る宮城県女川町。女川港はサンマの水揚げで日本有数を誇っていた。東京都は全国の自治体に先駆けて災害廃棄物(がれき)の広域処理に手を挙げた。がれき受け入れに感謝の気持ちを表したいと東京・日比谷公園で女川魚市場買受人協同組合が主催し「おながわ秋刀魚収穫祭in日比谷」が行われ、炭火焼きしたサンマなど10トン分が振る舞われた。サンマとがれきに込めた様々な思いを追った。 (20日 21:34)

早朝、次々と水揚げされたサンマ。北海道の襟裳岬沖などで捕れた(18日、宮城県女川町の女川港)

  • 午前5時過ぎ、漁船からサンマを網で漁港に揚げる(写真左)。震災で地盤沈下した女川港は岸壁の一部を約80センチかさ上げした(18日、宮城県女川町)
  • サンマを水揚げした第68善龍丸は新造されたばかりだ。昨年3月11日、気仙沼で津波によって打ち上げられた。「がれきも船も一緒で探そうにもすぐにはわからなかった」と漁師は当時を振り返る(18日)
  • 市街地にあるがれきの仮置き場。住宅などがあった私有地に膨大な量のがれきが山積みになっている(18日)
  • 女川町の中間処理施設では、がれきを機械だけでなく手作業でも木材や金属などの選別が行われる(19日)
  • 選別されたがれき(写真左上)から可燃物が東京へと搬出される。がれきの放射線量測定は必ず行われ、搬出基準を下回ることを確認する(写真右上)。災害廃棄物の専用コンテナにがれきを入れる
  • 町役場でがれき処理を担当する千葉英貴さん(38)。環境省からがれきは一般廃棄物だと通達が来た時、「つまり町で処理するということだが、正直いって大量のがれき処理のことまで頭が回らなかった」という。当時はまだ「発見した遺体を検視する場所まで運んでいましたから」。だから「東京が受け入れてくれて助かります」と話す千葉さんは津波で妻を失った
  • 23時57分、がれきを載せた貨物列車が東京貨物ターミナル駅に到着した。JR貨物は9月19日から仙台―東京間で専用列車を運行している(11日、東京都品川区)
  • 女川町から搬出されたがれきを受け入れている東京二十三区清掃一部事務組合。がれきは家庭などで出た可燃ごみと一緒に焼却される(17日、東京都江東区の有明清掃工場)
  • 排ガスからばいじんを取り除くフィルター(写真右下)。がれき受け入れ以降、工場から出る排ガスから放射性物質は検出されていない。水洗いされるコンテナの扉には「心をひとつにがんばろう!東北」の文字が
  • 東京・日比谷公園で行われた「おながわ秋刀魚収穫祭in日比谷」は大勢の来場者でにぎわった。生サンマを配るだけでなく炭火焼きやすり身汁が振る舞われた(20日、東京都千代田区)
  • 実行委員会事務局の高橋直樹さん(写真左上)は「たくさんの笑顔を見ることができた。がれき受け入れへの感謝の気持ちが表せて良かった」と話す。計画では女川町から東京都へ6万1千トンのがれきを搬出する。10月3日現在、1万8千トンが搬出された。復興に向けて協力が続く(20日)=写真 小川望