両手に願いを 被災地の出前ライブ、60回目に

東日本大震災直後の2011年5月から、ほぼ月1回のペースで、音楽による被災地支援を続けているプロミュージシャンがいる。2人組の音楽グループ「桃梨」で、今月20日から始まる演奏旅行で「出張ライブ」は通算60回を超える。 (18日 18:16)

被災者たちと歌を使った手の体操をする「桃梨」の上村美保子さん(9月、宮城県南三陸町)

  • ライブ会場から移動する「桃梨」のボーカルの上村美保子さん(42、右)とベース、弦楽器担当のJIGENさん(41)。昨年からほぼ毎月、平均2泊3日の日程で、東京から自家用車で被災地入りし、演奏と新品のTシャツを配る支援活動を手弁当で続けてきた。被災地への移動中に曲目を決め、助手席のJIGENさんが弾くウクレレを伴奏に、車内で練習する
  • 会場の宮城県南三陸町の「平成の森仮設住宅」のホールで準備をする上村さんら(右下)。会場からは仮設住宅が見える(左下)
  • 歌詞を書いたスケッチブックを手に、被災者と童謡「虫のこえ」を歌う上村さんとJIGENさん。「東京で演奏するのと同じ、普段通りの音楽を届けたい」が信条の「桃梨」のレパートリーは民謡や浪曲をベースにした、どこか懐かしい歌謡曲が多く、シニアの被災者にも好評だ
  • 演奏のハイライトは、JIGENさんのベースソロを伴奏に、上村さんがキツネの面を付けて舞う「狐ショー」。海外公演先でも話題になったパフォーマンスで、突然のキツネの登場に、驚いた顔を見せた被災者もすぐに笑顔となり、会場は拍手で満たされた
  • 会場の多くは、仮設住宅近くの集会所。観客との距離は近い
  • 演奏後、支援で集めた新品のTシャツを配るのが恒例行事。これまで約5000枚を被災者に手渡した
  • 毎月の会場や宿泊先の確保などの現地のサポートは、被災者自身の手で行われてきた。「復興する姿を一緒に見ていきたい」と話す上村さんは、4年ぶりの新譜「両手に願いを」を発表。60回目の演奏となる10月20日からの被災地再訪を心待ちにしている(9月30日、宮城県南三陸町) 写真=小林健